呉 明憲

日本と中国を行き来する経営コンサルタント。三井住友銀行(大阪・上海)⇒日本総研(上海)…

呉 明憲

日本と中国を行き来する経営コンサルタント。三井住友銀行(大阪・上海)⇒日本総研(上海)⇒TNC。中国事業に関するコンサルティング・顧問及び市場調査業務を中心に行っています。株式会社TNCリサーチ&コンサルティング/拓知管理諮詢(上海)有限公司代表 info@tnc-cn.com

最近の記事

ABCクッキングの中国法人が破綻、返金比率はわずか2割

Yahooニュースで中国のABCクッキングに関する記事が出ていました。簡単に言えば、突然クローズすることになったが、消費者から今まで集めたお金は満額ではお返しできませんというものです。 中国で返金に滞り 料理教室ABCに巻き起こる批判 突然店舗がクローズする恐怖は常々感じつつ・・・前払いした会費を返金しないというのは中国のスポーツジムでよくある話ですが、中国のスポーツジムと少し違うのは、スポーツジムは基本的には1元も返さないケースが大半ですが、ABCについては記事を見る限

    • 中国の銀行業界で減員減給の動き、なんと20%以上の減給も

      中国ででも待遇のいいと言われてる銀行日本では銀行員の給料は高いとよく言います。銀行の規模、年齢、職位により幅はありますが、相対的に待遇の良い業種であることには違いないでしょう。そしてそれは中国でも同じで、中国の銀行員の待遇もなかなかのものです。ところが、中国の銀行員の給与が減少基調にあるようです。以下の表は中国の常用している上場銀行の平均月収です。1元=20円くらいで換算して日本円だといくらになるかと自分の給料と比較しやすいかと思います。 中国の上場銀行の給料ランキング給料

      • 日系自動車がダントツの存在感を誇る東南アジア市場を席巻する中国EV

        中国の自動車メーカーが東南アジア市場において急速にその存在感を高めています。 空港からバンコク市街地へ向かう道路沿いには、MGや長城、比亜迪(BYD)といった中国ブランドの巨大な看板が並んでおり、同様の光景はマレーシアでも見られます。中国メーカーの奇瑞や長城などが、クアラルンプールなどで目立った販売活動を展開しており、街中でOMODA 5やTiggo 8 Proといったモデルを見ることも増えてきました。 電気自動車(EV)市場における中国メーカーの躍進電気自動車(EV)市

        • 中国の消費状況中国高級品市場の人気に陰り ラグジュアリーブランドの未来とは?

          ラグジュアリー品を取り扱う店舗が閉店するのは中国ではあまり見かけません。特に国際ラグジュアリーブランドは売り場のなかでも特に目立つ1階の好位置に出店していたりします。ラグジュアリーブランドに関していうと、出店する側とリーシングする側の力関係で見ると、出店する側のほうが上でしょう。賃料のみならず、メリットがないと感じれば、売り場全体で行っているイベントに参加しないこともできますしね。 滅多に閉店しないラグジュアリーブランド店舗ここ最近は景気もよくないということで、リーシングす

        ABCクッキングの中国法人が破綻、返金比率はわずか2割

        • 中国の銀行業界で減員減給の動き、なんと20%以上の減給も

        • 日系自動車がダントツの存在感を誇る東南アジア市場を席巻する中国EV

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          中国回帰、フォックスコンが鄭州への投資を拡大中

          フォックスコン(富士康)は、世界最大の電子機器受託生産(EMS)企業グループであり、iPhoneをはじめとする多くの電子機器の製造を手がけています。 インド生産に向けて動き出していたフォックスコン近年、フォックスコンは中国からの脱却を図り、特にインドへの生産移管が進んでいるとされていましたが、その一方で、河南省鄭州市への投資を拡大している動きも見られます。コロナ禍の頃に中国人がインド人ワーカーに対して研修を行っているという話を聞いたこともあったのですが、状況が変わってきてい

          中国回帰、フォックスコンが鄭州への投資を拡大中

          中国初!「MIKIMOTO cafe」に行ってきました!

          知人から真珠のMIKOMOTOがカフェを出したという知らせがあり、面白そうなので行ってきました。案内を見るとそのカフェの営業期間は7/13~7/23、わずか11日間、そして私はその最終日に行ってきました。 上海の南京西路駅付近の張園というオシャレエリア相当オシャレな場所にMIKIMOTOカフェはありました。比較的新しいショッピングエリアで、高級ブランドが立ち並びます。老舗ブランドだけでなく、オシャレでスタイリッシュな今どきのブランドもあります。老舗ブランドも今まで見てきたタ

          中国初!「MIKIMOTO cafe」に行ってきました!

          中国の最新消費動向はどう?メンツ消費から自分消費への移行した中国人消費者たち

          先日とある食品関係の会社にお邪魔していろいろとお話を聞いてきました。なかなかおもしろかったので、ちょっとまとめみました。 中国のデパート業界の現状6月末に伊勢丹が閉店したばかりなので、自然とその話題になりました。 中国ではショッピングモールの影響を受けてデパートはなかなかしんどい状況。 上海の地元のデパートも結構閉店しているが、そんななかで別格は静安寺の久光の年間売上は20-30億元くらいある。 世界的に見てデパートビジネスが成り立っているところはインバウンド需要旺盛

          中国の最新消費動向はどう?メンツ消費から自分消費への移行した中国人消費者たち

          中国減速でユニクロも苦戦

          2024年度第3四半期、グレーターチャイナエリアの収入は5,224.69億円(約240億元、総収入の22.1%)で着地。この期における中国・香港市場の収入は減少、経営利益は大幅減少、既存店舗売上も減少したとのこと。中国経済の調子が今一つと呼ばれる中、ユニクロもその影響を受けています。 ユニクロ中国最高経営責任者が言う「平替」とはこの結果について、同社グレーターチャイナエリアの最高経営責任者潘寧氏は「平替」に言及してます。「平替」とは手ごろな価格の代替品のことを指します。若者

          中国減速でユニクロも苦戦

          在蘇州日系企業の40年

          今年は日系企業が蘇州に進出してざっと40年目にあたるとのこと。 昆山からスタートした日本企業と蘇州の協力1980年代、蘇州地区のGDPは200億元未満だったのが、2023年には2.47兆元(フィンランドやエジプトという国と近しい水準)に達し、全国6位となりました。また、輸出入貿易総額は2.45兆で4位、このうち輸出額は1.51兆で3位となり、深圳、上海に次ぐ位置を占めています。 2023年末時点で世界トップ500企業の175社が蘇州に投資し、そのうち47社が日本からです。ま

          在蘇州日系企業の40年

          2023年中国生活サービス業チェーン企業Top100

          2024年、中国チェーン経営協会(CCFA)は2024中国フランチャイズ加盟大会&生活サービス業発展大会で「2023年生活サービス業チェーン企業トップ100」を発表しました。 ランキングに対象となる企業とは対象となる企業は(調査に参加した企業)は主にホテル宿泊及びその他、自動車メンテナンス、家庭サービス、住宅サービス、美容、理容・養毛、健康サービス、レジャー・娯楽、教育サービスなどの9大業界にわたります。リストについては末尾に添付しておりますが、ブランド名を見ますと利用され

          2023年中国生活サービス業チェーン企業Top100

          2023年中国ショッピングモール企業TOP100

          中国の街を歩いていると相変わらず人がたくさんいて、表面的に見る限りメディアでいわれているような景気の落ち込みが見られません。しかし、人がたくさんいることと実際に消費されていることとは別のことであり、今まで実際に購入していた人がウィンドウショッピングするだけになると当然消費金額は減りますし、すくなくともやみくもに買ってしまうということは以前ほどなくなってきているのだろうとは思います。自分もちょくちょくショッピングモールにはいきますが、人がたくさんいる状況に変わりはありません。ど

          2023年中国ショッピングモール企業TOP100

          営業電話から見る中国の世相

          営業電話をすることもあればされることもあります。関係ありそうなものから関係なさそうまでいろいろとかかってきます。 いろんなタイプの営業電話常にあるのが展示会出展・来場の勧誘、以前よくあったのがホームページのSEO対策、抖音での商品販売、それと一番多いのが、「あなたは当行の優良顧客なので●●万元の融資枠を申請できます」というようなものです。こちらでの銀行借り入れは全く考えていないのでお断りなのですが、この電話はめちゃくちゃに多い。見知らぬ番号から携帯電話にかかってくると大体こ

          営業電話から見る中国の世相

          現地社員だろうが駐在員だろうがする人はする~不正行為~

          先日、久しぶりに中国人弁護士の友人と食事をする機会がありました。彼とは、私が書いたとある文章を読んだことがきっかけで知り合い、交流を続けているのですが、その文章の内容は正直、記憶の彼方にあるほど遠い昔の話です。恐らく、初めて会ったのは10年以上前になるでしょう。 近年中国企業で頻発しているとされる「不正行為」とは久しぶりの再会ということもあり、近況報告や世間話など、とりとめのない話題で盛り上がりました。そして、近年中国企業で頻発しているとされる「不正行為」へと移っていきまし

          現地社員だろうが駐在員だろうがする人はする~不正行為~

          新発売のシャオミーのEVを見てきた

          ちょっと前にシャオミーがEVを販売するというニュースがありました。アップルがEVの開発を断念したちょっと後のニュースだったので、インパクトを感じました。 中国シャオミがEV出荷開始、受注10万台超 EVを諦めたAppleとシャオミーの求めるものの違いアップルとシャオミーの求めるものは違うでしょうから、いちがいにシャオミーがアップルよりもすごいとは言い切れないと思いますが、とはいえEVを世に出したというのは称賛されるべきことだと思います。従来型の自動車ではなくEVであれ自動

          新発売のシャオミーのEVを見てきた

          中国不動産バブル崩壊は近い?統計データから読み解く現状と未来

          中国の不動産市況が芳しくないといわれはじめたのは恒大集団の業績悪化が騒がれるようになって帰化ころからでしょうか。そして、日々の報道を見る限りまだこれを引きずっているように思われます。今回はこれを数字で検証してみようと思います。 まずは全社会固定資産投資。2014年以降の数字を拾いましたが、2020年(コロナの年ですね)まで年々成長率が減少し、その後盛り返したものの2023年は前年比2.8増にとどまっています。 次に不動産開発投資を見ていきましょう。 2015年に伸び率が

          中国不動産バブル崩壊は近い?統計データから読み解く現状と未来

          中国におけるトヨタの待遇

          現地メディアでトヨタの現地法人である広汽トヨタの待遇と職場環境について照会する記事を見つけました。同業他社の待遇は気になりますが、日系企業の待遇も気になりますよね。 まず、年終奨、いわゆる年末賞与の状况を見てみましょう。この記事がどこかから拾ってきたデータによりますと、メンテナンス・保守人員の年末賞与は60,000元、項目経理(プロジェクトマネージャー)が30,000元、SMTオートメーションエンジニアは12,000元となっています。職種によって差が大きいことがわかります。

          中国におけるトヨタの待遇