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誕生日に観た映画『ミナリ』

先日、誕生日でした。なんとなく使えないでいた休みを取得し、この一日を自分のためだけに使おうと決めました。

二度目のSEVENTEEN CAFEへ

朝、原宿駅へ。予約していた10時には30分くらいあったので、明治神宮にお参りをしようとふと思い立ち。本殿までが結構歩くことをすっかり忘れていたため、お参りを終えると10時まであと少し!焦って駆け足のような早歩き。マスクで息が苦しい…。

あれ?コナンカフェ?

前回行ったOMOTESANDO BOXに到着すると、なんとそこにはコナンカフェ。何が起きてるのか最初はわからず。その後、場所を変えてのオープンだったのね!!と気づき、焦って場所を検索しました。幸いにも近かったので何とか到着することができました。(事前に調べておくの重要…)朝一の時間帯ということもあり、店内は私ともう一人の方の2名のみ。席も離れていました。人が少ないということと誰も話していないので静かということもあり、店内に爆音で響くセブチの曲。なんだかシュールだぞ…?

早いお昼ご飯としてチーズダッカルビのセットを選びました。子どもたちがチーズ苦手で、料理でチーズを使えないので久しぶりのチーズです。おいしい。レモネードも頼みました。駆け足だったので体にしみわたりました。前回買おうか迷って買わなかったグッズも購入。誕生日プレゼントだ~という名目。

お腹もいっぱいになり、さて次の目的地に…と思ったら、髪色の明るい女性に声を掛けられる。美容師の方でした。表参道は美容師の方がカットモデルしませんか~?と道行く人に声を掛けるのをよく見ます。いつも時間が合わなかったり髪を伸ばしていたりでお断りしかしていなかったのですが、今日は誕生日。自分のために過ごす日だ、と、人生で初めてお願いすることに。(その方の話し方が誠実で、事前にきちんと主旨や料金など説明していただき、しっかりしていると判断したためお願いすることにしました。)カットしたばかりだったので、カラーをお願いしました。

映画『ミナリ』を観る

カラー後、お店を出て少し買い物をして、映画『ミナリ』を観ました。(やっと本題)アメリカに移住した韓国人家族の物語です。夢を叶えたい夫と子どもたちのことを心配して都会に引っ越したい妻。折衷案(?)として韓国から妻の母(子どもたちにとってはおばあちゃん)を呼びます。お姉ちゃんはおばあちゃんのことを覚えているけれど、弟の方は覚えていない様子。また、口悪く花札をしたり昼間はプロレスを観たり、と想像していたおばあちゃんらしさがなく戸惑いを隠せない。しかも弟は生まれてからずっとアメリカ育ちのため、韓国のことをあまり知らない。文化の違いにも戸惑っている感じです。お気に入りの飲み物の代わりに薬草だか漢方だかを煮だした黒い汁を飲まなくてはいけないし、皮を噛んでむいた栗を差し出されたり。いろいろな描写が「あぁ~小さいころ自分が感じたことと似ているなぁ」とちょっと自分を重ねてしまった。

私の大正生まれの祖母

早くに親を亡くし、戦争ではきょうだいを亡くし、夢を持っていたけれども進学できなかったために叶わず、亡くなるまで後悔していた。戦争や貧しい時代を経験しているので、「もったいない」が口癖で、包装紙はもちろん小さなリボンひとつ取っておいていた。5歳のときに父の実家に引っ越して同居を始めたので、それまでの甘やかされていた環境から、口うるさい人が増えたなぁという印象がありました(5歳の記憶なもんで…)。そんなこともあったなぁと思い出しながら弟くんに共感と同情をしつつ映画を観ていました。おばあちゃんと弟が一緒に夜寝るシーンで、おばあちゃんが弟の作ったミナリの歌を子守唄のように口ずさむんです。その歌を聴いたとき

なぜか私の目から滝のような涙が。

私の心の記憶のどこかの引き出しが開いたのか、すっっごく小さい頃、私もこういう風におばあちゃんに歌を歌ってもらったことがある、ただただ純粋な愛を受けていたことがあった、と感じました。具体的には思い出せないけれど、とにかく涙がとめどなく流れて「どうした自分?!」と戸惑いも。それくらいおばあちゃん役のユン・ヨジョンさんの演技がすごいということだと思うのですが、すべての人類のおばあちゃんに通ずる何かがこの歌の演技に込められてるんじゃないの?と思うくらいでした。実際にその歌の後に物語が急展開もします。

すべてのおばあちゃんに捧げる

映画のクレジットの最後に出てくる言葉。(うろ覚えなので正確ではないかも)私のおばあちゃんもアニメとかに出てくる優しいおばあちゃん(のび太のおばあちゃんとかサザエさんのフネさんとか)とは似ても似つかない、言いたいことをきっぱり言い、孫とケンカして、節約家で、格闘技や芸能ゴシップが好きで、全然おばあちゃんらしくなかった。高校卒業後に実家を出たあとはあまり会うこともなく、学生時代に急死してしまった。もっと心を通じ合わせたいと思ったときにはいなくなってしまっていた。でも思い出していないだけで、じゅうぶんに愛されていたことがこの映画『ミナリ』で突如思い出されたのでした。そして登場人物がみんな魅力的なんだよなぁ…。良い一日を過ごしました。あと、韓国語を勉強中なのですが、何割かは聞き取れていたのでいつの間にが身についていることに感動もしました。そんな誕生日を過ごしました。

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