Myライトノベル10選(7選+@)


前置き

その時その時の興味の赴くままに触れているので、知識も読書履歴にも偏りがあります。

あとはそもそもラノベ読みとされる方と比べると読書量は少ないです。

広義の意味でのライトノベル(ぼくがラノベだと感じた作品)で組んでます。

10作品浮かばなかったのでノミネート作を+@として書いてます。

とある魔術の禁書目録  鎌池和馬

初ライトノベル。厳密に言えば『図書館戦争』になるんだろうけど、ライトノベルと認識して読んだのは「とある」から。
群像劇に異能バトルにトンデモ理論にエンターテインメント全部盛りで、夢中になって読んでた。(今も読んでるよ!)
長いけど一気読み推奨。情報の奔流に溺れよう。読んでる最中が1番面白い瞬間だ。

当時からお色気要素は嫌いで、以降その面を全面に押し出すラノベを選択肢から消すようになってる。このリストを見てオススメしたい作品あったら教えて欲しい。

青春ブタ野郎シリーズ  鴨志田一

王道なのではなかろうか。
思春期が持つ悩みを超常現象として現実世界に実体化して、その超常現象を紐解くことで悩みを解決する、概ねそんな話だ。

主人公の咲太くんはちょいとひねくれた高校生で、問題に対して斜めから解決を試みる。その解決の為に泥臭く動いて、動いて、踏み込んでくれるのが魅力だと思う。結果的に大人から言われるようなつまんない正論になることもあるけれど、その過程から読んでいて頑張りたくなる。
強い物語だと思う。物語の中のキャラだけではなくて、読み手の我々に向けても本気で書かれている。

※雑語り
アニメの1話から全巻買って読んだ。
放送時には「俺ガイル」「化物語」「ハルヒ」とそんな単語がTwitterには並んでいたことを覚えている。タイトルのオマージュもどことなく「ハルヒ」っぽい。
これらを引き継いだ正統派ラノベ、サムネイル風なキャッチフレーズを作るなら平成ポピュラーラノベの総括作品!と言っても過言ではないと勝手に思ってる。
(上記作品も全部アニメしか見てないし、平成ラノベ別に詳しくないから言えないけれど!)

悩みを虚構化して解決するあの方式は大好きだからもっと読みたい。ジュブナイルと相性バッチリだと思う。小説らしい小説だ。
ラノベじゃないけど、京極堂も面白いので是非

おにぎりスタッバー  大澤めぐみ

ひたすらに語りが良い。ついつい真似したくなる主人公の口調に独白に乗せられる。
読み始めたきっかけは某舞城からで、作者は舞城舞城言って欲しくないと言っていたけど(少女小説文脈の方が近いらしい)そんな流れで見つけてしまったんだから仕方がない。
比較するなら舞城よりも良い意味でキャラが賢すぎないと思う。より等身大というか。舞城はテーマ先行で作られていて、「おにぎり」の方がその場その場の刹那的な語りだった印象(そこまで覚えてないから違ったらゴメンネ!)

「おにぎりスタッバー」のような語り方は最初から砕けたものを目的としたライトノベルと凄く相性が良いと思うからもっと増えても良いんじゃない?と思う。むしろ純文学よりも先行してて欲しい。そんな訳で最近は橋本治や90年代辺りの少女小説が気になりちう。

神戯  神世希

これぞライトノベル。必然的ライトノベル。ライトノベル語り。「おにぎりスタッバー」以上に語りが独特。タイポグラフィに意味不明なルビに厨二病に下ネタにミームにもう全部乗せ。ちなみにジャンルはミステリー。1500ページ越えの大作。



この紹介だけだとただの悪ノリ小説だけどちゃ〜んとミステリしているのだ。ふざけ倒した語りが精読を拒否させる。そんなふざけの中に伏線がしっかりあって、成立している。
冗長すぎて挫折するかもしれない。合わない人は適度に読み飛ばしてもいいから是非読んで欲しい。

天帝のはしたなき果実  古野まほろ

一般レーベルの作品だけど、ラノベといって良いでしょう!「神戯」の恐らくフォロー元のひとつ。同じく癖のある文体。より厨二病に振り切っている。


読者への挑戦状も付いているミステリ要素が強めな作品で、それでいて部活物、キャラクター小説としても読める。
ラノベ好きな人ならば喜んで読めるんじゃないかと思う。

【映】アムリタ  野﨑まど

野﨑まど6部作(言い方あってる?)のひとつ。
おもろい小説ない?と聞かれたらこれを渡す。ページも多くなくてサクッと読める。
あんまり話すことないな。とにかく面白い。エンターテインメント。ぶっ飛んだ話が好きなら気にいると思う。
最終作である「2」より「アムリタ」の方が好きだったりする。「2」の厚さから語られている内容は既に「アムリタ」に凝縮されていると感じたからだ。

わたしはあなたの涙になりたい  四季大雅

お涙頂戴難病モノと見せかけて、皮肉が詰まってる。アンチ難病モノ。
帯や感想にある、「泣けた」というワードがより印象づける為の陰謀論と思うぐらいに本作はそんな感想が出る物語を書こうとしていないと思う。

上にあげた変な小説たちと同じまな板に乗せて良い。
ただライトノベルユーザー向けにすっごくマイルドにしているのが上手いな〜と思う。

2作目「ミリは猫の瞳のなかに住んでいる」では隠そうともせずにトンチキミステリーを始めている。

+@(ノミネート作)


イリヤの空、UFOの夏  秋山瑞人

これもほぼリスト入り。ただまぁ思い入れは全然ない。セカイ系の世代ではないし、名作だからと入れるのはなんか自分に素直じゃない。
「劇画・セカイ系」をセットで読んで欲しい。

僕らは『読み』を間違える  水鏡月聖

2巻読んでない!ただそれだけの理由でリスト入りならず。ほぼリスト入り。読書の拡張性を書いてる作品は応援したくなる。
古典への導入にもおすすめ。敷居を下げる作品も良いね。

紫色のクオリア うえお久光

同じくほぼリスト入り。自分の言葉でこの作品について語れなかったので、面白いけれど自分の作品かと言われたら違うな〜と感じたからリスト外に。漫画版も良いよ!

楽園ノイズ  杉井光

正直リストに入れたい。音楽描写に音楽にかける想いにと最高なんだけど、それ以外がつまんない。ラブコメパートがてきとうすぎる。もう少し頑張って欲しい。

冴えない彼女の育てかた 丸戸史明

美少女ゲーム文脈から読んだ。創作についての小説。作者が器用だからかラノベ的文章に適応していて、それが求めてたものと違うというかなんというか。アニメの方が好み。

千歳くんはラムネ瓶のなか 裕夢

1巻、2巻は相性最悪。続き読む気なかったけど最後まで読まないと評価できないなーと3巻を読んだらあら面白い。「冴えカノ」と同じく美少女ゲーム文脈を持っていて、ラノベで恋愛ゲームしてる。完結してないのでリスト外に。
最新刊がポエムにポエムを返すような、ポエミーな文章で不安。

知らない映画のサントラを聞く  竹宮ゆゆこ

ライト文芸というやつで広義な意味ならライトノベルに入れても良いけれど、ラノベっぽくないと感じたからリスト外に。
とらドラは途中まで読んでいて、ラノベ的なノリが得意じゃなくて、止まっている。ぼくは竹宮ゆゆこのライト文芸路線が肌に合っている。

月とライカと吸血鬼  牧野圭祐

完結まで読めてない。正統派ボーイミーツガール。宇宙開発を正史ベースに展開する。万人にオススメしたい。
個人的にはラノベらしい露骨なセクハラが無いのもポイント。

特異領域の特異点 範野秋晴

2巻が読めていないので。独自の科学ルールで世界観が構成されてるハードSF。
トンデモ科学をぶん回す手腕と想像力が魅力的で、「俺はライトノベルにこれを求めてたんだ!」と再確認した作品。作者が美少女ゲームのライターで、SFやロケットの話を書いてる。


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