子どもが虫を殺すということ・・・

 夏は子ども達が昆虫観察や、昆虫採集などで虫に触れる機会が多い季節ですね。そういえば、私の小学校時代に、昆虫標本で「身近な虫」というテーマでハエや蚊やゴキブリを採集して、ピンで刺してきた奴がいて、女生徒からひんしゅくを買ってました(笑)
 幼い子どもは゛無邪気で天使のような存在゛ではありますが、実はすごく残酷な面もあります。虫も殺さぬような顔をしている美女に聞いてみると、実は子供時代にけっこう虫に対して残酷な仕打ちをしたことあるという人が多くて驚いたりします。
 身近な人にちょっと聞いてみるだけで出てくる出てくる・・・ダンゴムシをポケットにぎっちり詰めて持ち帰ったり、イソギンチャクを棒で突いて遊んだり、ある美人女性は水にドライアイスを入れてボコボコ沸騰させたところにダンゴムシを入れて「虫のてんぷらだぁ♪」と喜んでいたそうです(なんて独創的な遊びだ 笑)
 告白しますが、私だって負けてはいません。蟻の巣の入り口に水を流して洪水攻めにしたり、虫眼鏡で太陽光を集めて逃げ惑う蟻を追いかけたり、今にして思えば残酷なことをしていました。
 言い訳ですが、小さな子どもには悪意はなく、純粋な好奇心と遊び心だけなのです。でも、虫やおたまじゃくしや魚を遊びで殺していて、ある日、ふと「虫にも命があるんだ」と気づくときがくるものらしいです。逆に言うと今どきの子どもは虫を殺さなすぎる。ゲームの中で大量に殺人はしても、生の命にふれたことがないので、なかなか他人の痛みというものが理解できない。子どもだけではありません。今どきの若い人は「生き物を殺す」という経験がなさすぎるという問題があると思うのです。魚をさばく経験も少ないし、飼っている鶏に餌として生きたミミズやイナゴを与える経験もありません。私が小学生の頃はネズミ捕りにかかったネズミを水に漬けて殺すのが私の役目でした。嫌で嫌でしょうがなかったけれど、誰かがやらなければいけなかったのです。半ば強制的に絞めた鶏の羽根をむしって肉にすることもやらされました。その肉の温かさをまだ手が覚えています。最近は理科の授業でカエルの解剖もなくなったとか。みんなハンバーガーは喜んで食べるけれど、牛の屠殺(とさつ)されるところは絶対見たくも考えたくもないという人がほとんどだと思います。でも生きていくということは食べることであり、それはつまり他の生き物を殺すことです。うーん、なんて哲学的な問題なんだろう。

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