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15*パイプ

バルアトルケものがたりⅣ*15

ルシスが来てから、4人は森の奥の奥の砂地で遊ぶことが多くなりました。ルシスは毎日ルプアの木のところへ行き、スカイと交信するのです。ルプアの木がメッセージを伝える電話のような役目をしてくれるのです。

「おかあさんは、すごく大変みたい。地下の水脈を調べてみたらやっぱり流れがかわっていたって。なんとか流れるようになったんだけれど、ルプアはまだ元気がないって。」

ルシスがいいました。

「アースさんにも聞いているんだけれど、ルプアの木の記憶にアクセスしたほうがいいのかもしれないって。」

「どういうこと?ここのルプアはルミナ島のルプアじゃないのに。なにかわかるの?」

アリィが聞きました。

「なにか重要なことがあったとき、ルプアは情報を共有するんだって。もしルプアの木が死んでしまったら、それはすごくおおきなことで、ルミナ島のすべてのいきものに影響がでてしまう、だからげんきになってほしいんだっておかあさんが言ってた。」

「水だけが原因ではないんだね。はやくよくなるといいね。」

思ったよりも、事態は深刻なんだ、セオナルド、ピリル、アリィはすこし沈んだ気持ちになりました。


「おい!やけに静かだな!どうした?


大きな声にびっくりして、4人は飛び上がりました。アースです。

「ルミナ島の話を聞いて、みんな心配しているんです。」

ルシスが説明すると、アースがいいました。


「とにかく、気持ちが沈んじまったら、歌でも歌え!元気になるから。歌をうたうげんきがなかったら、まず聴いてみ?いまごろ俺のともだちがパイプの練習をしてるころだぞ。」

「パイプ?」

「見りゃわかる。音も聞いたことあると思うぞ。間近で聴くと迫力あるぞ!」

そのとき、小さく、楽器の音が聞こえてきました。


「ほらな。そばに行って聴いてこい。元気になって来い!」


「じゃあ、行ってくる!アースさん、、またね!」






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