19*ルプアの木
バルアトルケものがたりⅢ*19
「ルプア?どんな木だろう?」
セオナルドが聞くと、スカイは微笑んで答えました。
「ああ、すみません。あなたたち、エルフィはりんごと呼んでいますね。りんごにはいろいろ種類がありますが、ルプアは最古の種でいっさいの手入れを必要とせず、大木に育つのです。あなたたちが知っているりんごの木は細やかな手入れを必要としますが。」
「りんごの木が元気ないの?それもルプアは手入れを必要としないのに?」
「そうなのです。本来手入れを必要としないのに、元気がない。だから打つ手がなくて困っているのです。」
「このあたりを調査して何かわかったの?」
アリィが聞くとスカイは首を振りました。
「いいえ。このあたりはみな若い木のようです。具合が悪くなってしまったので、まだちゃんと探せてはいないのですが。」
「りんごかぁ。ぼくりんごが大好きだ。そういえば、ぼくが住んでいる森の奥に大きな古いりんごの木があるよ。」
ピリルの言葉にスカイは反応しました。
「えっ?古くて大きいりんごの木があるのですか?」
「うん。ぼくのおとうさんとおかあさんが、そのりんごはとても昔から生えているって言ってた。」
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