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20*かなしいきもち

バルアトルケものがたりⅣ*20

ピリルの朝の時間は瞑想ではじまります。ユニコーンのちからをのばすために必要な時間なのだ、とおとうさんユニコーンは言います。まだピリルの本当のちからが何なのかはっきりとしていませんが、毎日欠かさず瞑想を続けています。その瞑想のおかげで、ドラゴンのスカイ、ルシス親子と出会い、たすけることができたのです。

今朝も朝起きてピリルは静かに時間を過ごしていました。


白い世界にいます。まわりはぼうっと白く煙って視界はさえぎられています。光は淡く、ふわふらと頼りなく、かなしいような気がしてきます。


なんだろう?とても悲しい気もちになる。


瞑想から覚めてもしばらくのあいだ引きずっていました。ピリルは自分自身に戸惑っていました。瞑想した時の気もちを引きずることは、いままではあまりなかったのです。

お父さんユニコーンに話すと「その時の気持ち、場面を覚えておくとあとから答えがわかるときがくる」と教えられました。

ピリルが見ていた世界はぼうっとひかっていましたが、動きがなく冷たい感じがしたのです。

自分の気持ちをもてあまし、ピリルは思いました。


セオナルドのところに行こう。ちょっと朝早いけど。



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