公認会計士1年目の教科書-監査の全体像
こんにちは。ゴルファー会計士です。
前回の記事の、会計士1年目の教科書の「大局的視点」で、会計士に必要なスキルを紹介しました。
今回は、その個別論点の「監査の全体像」を解説します。
なぜ、監査の全体像が大切なのか?
スタッフは、上司の指示に従って、仕事をします。
ただ、指示通りに動くだけでは、期待を上回る仕事ができません。
自分の仕事は、監査の全体像のどこの部分なのか?を意識することで、
仕事自体もやりがいを感じられて、かつ、
上司の指示の意図がわかるので、指示以上の仕事ができます。
■決算数値の全体像
簡単に図示化しました。
まずは、監査報告書の対象を明確にしましょう。
監査報告書は、「有価証券報告書」と「計算書類」に対して、発行します。
監査法人は、有価証券報告書と計算書類に対して、監査証明をしています。
では、ブレイクダウンして、
有価証券報告書と計算書類は、何から作られるか?
財務諸表と注記で構成されています。
さらに、財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、キャッシュフロー計算書で構成されています。
では、財務諸表は何から構成されるか?
財務諸表は、試算表から構成されます。
では、試算表は何から構成されるか?
試算表は、各勘定科目(現金、預金、売掛金、、、、)で構成されます。
各勘定科目はどのように、作られるか?
勘定科目は、日々の会社の業務が数字になって表現されます。
これが、決算数値の全体像です。
その、決算数値に対して、会計士が監査をします。
■監査の全体像
監査の対象は、上記絵の青色箇所です。
まず、「日々の業務」については、内部統制のチェックを行います。
ちゃんと、担当者が作った資料を上司がチェックしているかどうか?(ダブルチェック機能)。
売上伝票を経理課長が承認しているか?等が、内部統制です。
次に、各勘定科目ごとに、監査を行います。
基本的に、監査の現場では、勘定科目ごとに、担当者が決まっており、Aさんは、現預金と有価証券担当。Bさんは、売上と仕入担当と割り当てされます。
現預金の場合は、銀行に対して、銀行確認状を発送して、会社が計上している金額と会っているかどうかを確認します。
各勘定科目の集合が、試算表です。
試算表については、前期比較や比率分析、時系列分析を行い、異常な点がないかどうかというマクロ的な視点で監査を行います。
勘定科目がミクロ的な視点。試算表分析がマクロ的な視点。
次に、試算表から、BS、PL、SS、CF(以下、財務諸表)、注記が作られます。
財務諸表はある程度集約されます。現金と普通預金は、一般的に、「現預金」として集約されます。
この集約があっているかどうかを組替の検討と言います。
そして、最後に、財務諸表と注記をもとに、「有価証券報告書」と「計算書類」が作成されます。
この開示資料を監査します。
そして、最後に監査報告書を発行します。
これが、監査の一連の流れです。
■まとめ
シンプルにまとめた、監査の流れは上記のとおりです。
監査の現場では、目の前の作業に追われて、マクロ的な視点を忘れがちです。
そんな時は、一度立ち止まって、今の作業は、監査の全体像のどこの部分なのかを意識してみてください。
マクロ的な視点で物事を見ることは、どんな仕事でも役に立ちます。
是非、トライしてみてください☺
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