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秋の夕焼けが綺麗だった話

なんとなく、家の中にいるとあることないこと考えてしまって

気分転換にと、近くの公園に散歩に行きました。

公園に入り、更に奥まで抜けていくと、公園の背をなでるように用水路が流れています。その近くの、日中の熱をまだホカホカと残している地面に体育座りして、空を見上げると切ないくらい鮮やかな夕焼けが広がっていたのです。

赤や青のような直接的な色ではなく、すべての色と光が複雑に淡く交わりあいながら、ピンクのような紫のような、優しい色が空一面に溶けていました。その優しい色が遠くに見える山の稜線や、近くの電柱の輪郭をはっきりと浮かび上がらせる。

すこし横の空を見てみると、綿を優しく伸ばしたような雲が夕日のまろやかなオレンジを映しながら、ゆるりと流れていきました。

そんな空を、消えるまで、消えるまで。ただただ見上げていたのです。

後ろを振り返ると、十五夜を過ぎた月の光がだんだん強くなっている。

秋の夕日がこんなにも美しく、しかし寂しさを孕んでいるのは

夜が来て今日という一日が終わってしまう寂しさと、冬が来て一年という区切りが終わってしまう寂しさの、両方を備えているからではないでしょうか。

この切ない色彩をできる限り心の中に残して、いつか自分のパレットに入れてみたい。

今まで自分の頭と、目の前のノートにしか存在しなかった思考が、広く高く解放されていく。心掛けて散歩をしようと思った9月22日でした。