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【書き起こし】新型コロナウィルスの解決策:早期終息を実現する解決策とシナリオ(様々な問題を引き起こしているたった一つのコアのジレンマとは?)

8月7日に行われたコロナウイルス問題の解決法を考えるオンラインワークショップ(会議)の要点を書き起こしました。(↓実際の動画は下記

https://www.youtube.com/watch?v=iaDM7fsxmV8

ファシリテーターは岸良裕司(ゴールドラットジャパンCEO)が務め、各界を代表する企業関係者、行政幹部、大学教授をはじめ、医療関係者、会社員、教師、エンジニア、飲食店オーナー、主婦まで、様々な経歴を持つ100名以上が参加しました。


1)現状分析(根本的ジレンマ)

今回のテーマは、新型ウィルス問題をいかに解消するのか。つまり、コロナウィルスでそのものはなくて、コロナウィルスが引き起こす”問題”を解決しよう、ということです。

さて、感染者ですが、現時点でこんな数字になっています(2020年8月7日)。第一波がおさまった後、今回は波か波じゃないか、どっちなのだろう、という議論をしているのですが、実はこの問いが間違ってるのではないかと思います。

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一つだけ明確に言えることは、かつてないほど我々は、もし市中に行ったら感染リスクが高まってること。

今回のコンフリクト(対立)は何かというと、実はあまりにもシンプルで、みなさん絶対に気づいている。

では「根本的ジレンマは何か」というですが、

「規制を強める」か「規制を弱める」べきなのか。

この対立ですよね。これはもう明らかです。

なぜ「規制を強めたい」のかといえば、命を守らなければいけないという議論がある。一方で「規制を弱める」という主張の背景には、暮らし(経済)を守るという議論(ニーズ)がある。

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実は討論番組でもどちらかの議論が常にされてませんか。実はこの対立の根底には本当は両立すべき目標がある。それは

国民の安心・安全を守る、同時に生活(経済)を守る」ことです。

あらゆる問題はたった一つのコアの対立から生まれている。その対立がなければ、とっくに解決しているはずなのです。そうならないのは、あちらを立てれば、こちらが立たずという対立があるということです。

「規制を強める」とどういうことが起こるかというと、経済活動に大きな損害があるじゃないかという話になり、ディベートが始まる。

国民の生活を妨げることになり、法的な懸念がある、といった話になってしまう。

一方で「規制を弱める」という話になると、感染が拡大するじゃないか、国民の生活が妨げられるじゃないか、経済に対する大きな損害が出るじゃないか、というような議論になる。

でも、実は「命を守る」「暮らしを守る」は両方とも”ライフ”なのです。命もライフで、暮らしもライフですね。両方を守る必要があると。我々は、経済と安全の両立は絶対必要、これは妥協してはいけないということになるわけです。

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2)解決案(試案)

まず皆さんと確認したいことがあります。
「規制を強める」「規制を弱める」というという対立は本当にコアな問題なのか、ということです。

まず「規制を弱める」と、どのような副作用が起きそうですか。また実際に起きてますか。聞いてみましょう。(*参加者による発言)

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どうですか?今言われていることがほとんど起きていませんか?

さて今度は「規制を強める」とどのようなことが起きるか考えてみましょう。

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これらを見ると、みなさんの実感を含め、これがコアの問題であるとということが、もう明らかだと思いませんか?

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では、このままいくと、どんなことが起こるでしょうか。「感染増加が止まらない」「医療関係者のストレスはいつまで続くのか」といったことじゃないでしょうか。

そして「経済麻痺はいつまで続くのか」「医療崩壊で救える人が救えなくなる」という話が出てきていますね。国民生活に大きなダメージがある。国民の安心・安全が危機にさらされ、そしていつまで続くかわからない。

結局

「このいつまで続くの」

というのが、みなさんの疑問じゃないでしょうか。

そこで、こういうことができたらどうかというのを考えてみました。
14日間ですべての新型コロナウィルスを撃滅する方法です。

できるかできないかはあとで考えますが、まずは達成したい理想の状態、ゴールを考えてみます。医療関係者の負担とストレスが早期に解消する。どうでしょうか。経済麻痺を即効でストップし、いち早く景気回復していく。国民生活と経済が早期に回復する。両方です。国民の安心・安全が守れ、シンプルな方法で誰でもできる。夜の街にも気兼ねなく行ける。14日以内に結果が実現できる。

国民の安心と経済の完全復活を14日で実現できたらいかがでしょうか。

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では、これらをどう達成すればいいのか?

すごく拍子抜けの話なのですが、みんなで14日間”バケーション(巣篭もり期間)”をとったらどうでしょうかというアイデアです。Vというのはバケーション。14日間というのは、感染がない、というのが証明できる期間ですね。

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では14日間巣篭もりをやったらどうなるんでしょうか、ということを「論理」で考えていきます。

まず前提条件がありますのでみていきましょう。

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今まで明らかになってきた知見の数々をベースに考えます。

感染者のほとんどは5日以内に発症します。多くは2〜3日で発症します。現時点の潜伏期間は、1日〜12.5日で、多くは5日〜6日ほど潜伏します。14日の潜伏期間を過ぎれば感染していないことがわかります。

感染者の8割は無症状で感染源となります。感染者の2割は発症する、ということです。感染者の5%が重篤化し、呼吸機器が必要となります。感染者が治るのは、平均して5日間です。発症した人も、2日か3日ほどで抗体ができはじめ、5日ほどでほとんどですが、95%は発症していても14日以内に抗体ができるそうです。

こういうことから、前提条件を全部組み合わせると、新型コロナウィルスを14日で集中して撃滅することは論理的に可能ということになります。

14日で新型コロナウィルスを撃退するということで「V14」、バケーション14です。

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順を追って説明します。
潜伏期間は最大14日間です。これはあっていますね。感染者の50%は5日後に発症します。感染者の治療は平均5日です。潜伏期間で発症したら当然ですが病院で治療を受ける。そして、14日間バケーションをとる、というのはどういうことか。誰にもうつさない、うつらない、ということです。14日間は誰にも感染しないということです。

色々な専門家と議論して感じたのですが、V14の巣ごもり期間は言い換えるとウィルスを兵糧攻めにしているということになります。実は積極的な攻撃だと言える。逆に言うと、外出をするということは、ウィルスに自分という餌、乗り物を与えるということで、敵を助ける行為になります。

そして、忘れてはいけないことがあります。新型コロナウィルスは人から人にうつっています。ウィルスが自ら飛び回ってるわけではないのです。人間がうつしています。これが蚊やハエなどだったら大変ですよ。コントロールできませんから

14日間こもっていれば、うつるチャンスがないですね。だから発症ゼロ。これあっていますよね。プラス、バケーション(巣篭もり)をしていて、ということもあるのですが、潜伏期間が14日なので、もしうつってしまったとしても、感染者の50%が5日後に発症して、治療期間が5日なので、ほとんど治療済になります。

すると病院が楽になる、ということになります。病院のストレスも一気に減ります。それどころか14日待てばいいんだと言われただけで、気が楽になりませんか。14日だけみんなで我慢することで、完全に元の生活に戻れるといったら、どうでしょうか?

人から感染しなければ、市中保菌者はいなくなる、ということです。
ああ、人なんだ、ということですね。

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3)懸念(あらかじめリスクに備える)

ただ、V14を実行すると、14日間経済が止まってしまうじゃないか、と思う人がいると思います。さらに言うと、財政負担が増えませんか、休業補償どうするんですか、など。法律上の問題はどうするんですか、など。業界団体が反対する、コンセンサスに時間がかかりますとかね。一部の人が従わず、感染者が一部でたらどうするんですか、などね。

こういった懸念事項がすぐに指摘されて、いいアイディアでも潰されたりするのですが、これらは”まだ起きてない”ことなので、解消できないでしょうか

「V14をするか、しないか」の双方にはそれぞれプラスとマイナスがあるはずです。

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これらを論理的にCause & Effect(原因と結果)で考える。まず「実行すると、これが起こりますよ」と考えます。

4月の緊急事態宣言との最大の違いは、万全な準備をした上で、パッと実行して、パッと終わらせることです。万全な準備のためには、考えうる懸念事項を出し尽くすことが重要です。

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ということで、皆さんの力をお借りして、ここについての議論をさせていただきたいと思っています。さて、ではポストイットをお願いします。

ここで、14日間経済が止まってしまうとか、財政負担が増えるとか、法律上の問題が懸念されるとか、業界団体が反対するとか、コンセンサスに時間がかかるとか、一部従わず感染者が一部出るなど書いてあるのですが、皆さん、他にも懸念はありませんか?

このマイナスを言ってもらうのはめちゃくちゃ重要なので言ってください。何かありますか?

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【参加者】「巣ごもり消費を支える人が感染する」「海外も同時にやらないと意味がない」「14日分の備蓄が必要」「第3波の可能性」「家族内感染の可能性」「周知に時間がかかる」「生鮮食品がダメになる」「守らない人がいると意味がない」

今日は皆さんの力をお借りできる、せっかくのワークショップですので全部解消していきたいと思います。14日間経済が止まってしまう、これを解消するうまい方法はないでしょうか。

【岸良】 14日後の明るい未来を一緒に議論するとか、一緒につくるとか。
【参加者】 14日後の予約をどんどん入れてあげたらいい。
【参加者】 そうだよね。
【岸良】 夜の街。14日後の予約をどんどん入れる。
【参加者】 14日後じゃなくて、14日間を業界がどう過ごすかということは、本当にいろんな業界があるじゃない。その人たちに考えてもらわなきゃいけない。ゴミ収集をする人は、14日間、本当にしなくていいの?警察官は14日間、家に引きこもってていいの?消防署の人はいいの?それはないでしょ。そういう個々の業種の人に、新聞も14日間発行しないんですか?テレビはどうするんですか?というようなことを考えてもらう必要があるよね。

さて、コンセンサスに時間がかかるというのは、どうでしょう。解消するうまい方法ありませんか?

【参加者】 ネットなら早そうなんだよな。
【参加者】 V14のメリットを強調すると。
【参加者】 V14の国民投票をする。

国民投票といっても、まずネットで国民投票を勝手にやってしまうのはありですね。

一部従わず、感染者が一部出る。全部ではないが一部従わない人も出る。従わない人をイメージして、どうやったら解消できるか。こういう人って法律でなんとかなりますか?

【参加者】ならない。
【岸良】ですよね。法律が無力だとわかりませんか?法律で罰則する、というのは。
【参加者】こもってる人がうつらないのであれば(一部従わない人がいても、感染しないので)問題ないのでは。
【参加者】2週間後の都道府県別対応を考える。
【岸良】 1回目終わった後、1回目で感染者が劇的に減った後に、もう1度、2回目をやるのですね。
【参加者】同じことです。どこかの都道府県だけ残ってるのであればそこのだけ2回目をやる。
【岸良】もっとピンポイントでやるということですね。かしこい、さすが!全部やる必要ないですもんね。今度はネックだけですね。

巣ごもりの消費を支える人が感染する、これはどうでしょうか。先ほどの業界ごとにやってもらおうということですね。

【参加者】 業界にV14セットを企画して販売してもらう。
【岸良】 おー!すごい!儲かる!それで思ったんですけど、カウントダウンメーターも作ったらどうでしょう。「あと何日ですか?」とカウントダウンするメーターをつくる。

期間中の家族内感染で14日を超える。これどうしたらいいでしょう。

【参加者】 シンプルに入院してもらえばいいんじゃないですか。
【岸良】 入院してもらえばいい。その頃には恐らくですが、収容施設もものすごく空いてるはずです。だから待ちはないと思います。

はい、じゃあ、生鮮食料品がダメになる。これどうですか。

【参加者】 生鮮でなければならないものだけを生鮮で配達できるようにすればいいんじゃないかな。
【岸良】 業界団体に相談するのが一番かもしれないですね。
【参加者】 巣ごもりキットみたいな。
【岸良】 巣ごもり生鮮キット。
【参加者】 カウントダウンできればいいんだ。
【岸良】 なに?カウントダウン生鮮キット?カウントダウンいいアイディアですね。
【参加者】 わくわくしてきますね。きっとね。

どうでしょうか。日本ならできると思いませんか?

大震災のときも、法律があるから助けあったのですか?法律は並ばないとダメだとは言ってないですよ。にもかかわらず、自らを律し助け合った。凍えるほど寒いのに順番に並ぶ人々がいたという。これは法律があったからできたのでしょうか?違いますね。また、世界の模範となる可能性が高いんじゃないでしょうか。

多くの社会問題のジレンマは、規制を強化することと、規制を弱めることの対立なんです。それは人間がつくった対立なので、解消できる。しかもコロナウィルスをうつしているのは、人間である。ハエや蚊ではないのです。

複雑な社会問題でも、こうしてコアの問題を導き出せればみんなの力で解消できます。解消できないと思った懸念事項でひるんだとしても、みんなの脳みそを使えば、一人でやるよりもよりよい解決策がうまれる。

ネガティブなことを言ってる人は、実はやることを前提にして懸念事項を教えてくれているので、一緒に問題解決、懸念事項を解消すればいい

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今日、参加してくださった方に対して拍手を送りたいと思います。ありがとうございました!

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次の問題解決ライブではさらに、懸念事項について深掘りします。
(今回の書き起こしの実際の動画はこちら)

↓書き起こし(第2回実施)さらに具体的に、実行へのハードールを議論します

↓書き起こし(第3回実施)要点のまとめです


みんなにも読んでほしいですか?

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