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生きていく悲しみ

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生きるのって、悲しみを孕んでいるように思うんですね。 そりゃ嬉しいことの方が、僕は多いのだけれど、あまりに苦しい生き方をしている人が、なんと多いことか。 映画は、そんな世界を切り…
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#映画

マチネの終わりに

マチネの終わりに

一昨年前に、入院した時、2日で1冊くらいのペースで本を読みました。

平野啓一郎くんは、高橋源一郎さんなどと共に大好きでしたので、旧作は大概読んでいました。

しかし、本作は、これまでと違い、一皮剥けた気がしました。

クラッシックギタリストと女性ジャーナリスト。横恋慕で、両者の再会を阻止するギタリストの女性マネージャー。下手をすると、ベタな流れに陥ってしまうところ、平野くんはギリギリのところで、

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ロベールブレッソンのスリ(PickPocket)について

ロベールブレッソンのスリ(PickPocket)について

ロベールブレッソンのスリ(PickPocket)をDVDで視聴。

題名から察するに、手の映画、本職のスリの監修を受けた超絶技巧。

しかし、同時に、本作は視線とモノの映画であった。

現代の罪と罰。よくこんな映画が撮れたものだ。

ヌーヴェルバーグ運動に少し先んじた。