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知的な変わり者たちとの「場づくり」の楽しさ Goldilocks インタビュー 田 美智子

Goldilocksのメンバーの考えや人となりを第3者目線でじっくり聞いていく『DEEP INTERVIEW』。Goldilocksの取締役 PRの田(でん) 美智子さんにお話を聞きました。

聞き手:永野広志(Paul.)

ーこのたびは、取締役就任おめでとうございます。

でん:ありがとうございます。って、やめてよ(笑)かしこまらないで、いつも通りでいいよ。

ーそうします(笑)じゃあ、せっかくだからでんさんの幼少期から聞いていこうかな。どんな子どもだった?

でん:自立心の強い子どもだったなぁ。あんまり人に頼らないで、なんでも自分でやっちゃうような。そもそも両親も好き嫌いがハッキリしている人たちで好きなことにまっしぐらなタイプ。父は理系で電子顕微鏡の技師兼営業をやっていた人で株オタクな上に家庭菜園やビールづくりなど多趣味で、母も銀行員や眼科の助手とかいろんな仕事をしたり、写真が好きでよく北海道中の景色を撮影しに遠征していました。

ーどちらも行動派ですね。小さい頃にハマっていたのは?

でん:大好きだったのは「雪山すべり」と「回旋塔」。小学生の時は札幌に住んでいたんだけど、小学校の校庭に積まれた雪山の上から、チューブを敷いて滑り降りるのが楽しくて。「いいチューブ」を確保するために授業が終わったらダッシュで校庭に行ってました。回旋塔は、今では危険な遊具として撤去されている公園が多いんだけど、当時はつかまってぐるぐる回るのが好きで、よく遊んでいました。遊びを生み出したり、それをもっとよくしていくのが好きな子どもだったと思います。

ー先生からはどんな評価だった?

でん:どんな・・・というか、先生は全般的に嫌いでした。ルールを課してくるのが嫌で。自分で決めて動くのが好きだったので、勝手に好きなことに夢中になってたらいつしか遊具で遊ぶ時に、周りの子たちが一緒に遊んでいいかと私に承諾を取ってきたりして・・・。なんでやねん!って思ってた。

ーリーダータイプだったんですね

でん:それはリーダーっていうのかな・・・。でも、割と器用だからか、先生にはリーダー役を頼まれてやってました。親からも行けと言われた習い事にはいくつか通っていたのだけど、水泳教室ではテストの日だけやたらといいタイムが出るもんだからクラスが上がってしまって、上級生といっしょに泳ぐのとか、めっちゃ嫌でしたね。うまくできることよりも、下手でもいいから友だちと楽しくやりたかった。

とはいえ、それは自分が割とストイックな性格だったから、バカするとか手を抜くとか断るのができなかったからなんだよね。今は真逆だけど(笑)

+NARU日本橋オープニングの時に顔ハメあるといいな!
と言ったらとてもステキな顔ハメができました

ーやはり、「自分で決める」ことが重要だった?

でん:そうかも。本当はドラムがやりたかったのに、やりたくないのに通わされたピアノ教室も結局全然つまらなくて、泣いて叫んで部屋に閉じこもってボイコットしたこともありました(笑)

ー楽しかった青春時代は?

でん:小中学生の時は、自立心の割にまだまだ自由が少なくて嫌だったけど、高校から一気に楽しくなりました。ずっと行きたかった私服の自由な雰囲気の高校に入れたし、廃部寸前の写真部を部長として立て直して、部員を集めて、予算を確保して、写真展を企画して。大学でも写真部に入って全く同じことをしましたね。

ー精力的ですね。もうすでに盛り上がっているところにいくより、立ち上げるのが好き?

でん:そう。ゼロイチが好き。なんでも自分が言い出しっぺになることが多いです。私は何もないところから作り上げていくのが好きだからいいけど、そうではない周りの人はいちいち手のかかるところに巻き込まれて大変だったかもしれない。私はあんまり覚えてないけど(笑)この間大学の後輩に会ったら「自分のやりたいことを企画して、周りを引っ張っていくスタイルなのは、当時からぜんぜん変わってないし、悩んでいるポイントも変わらないね」って言われました。あれ?もしかして私、成長してないかも?(笑)

ー他にハマったことは?

でん:大学ではたくさんアルバイトをしました。その中でも特に印象的だったのは、沖縄・宮古島でのゲストハウスの住み込みのバイト。1ヶ月の間、給料はなかったけど、タダで寝る場所とご飯をくれるっていう。自分と同じような学生が働いて、たくさんの大人が遊びに来ていて、地元の人たちとも頻繁に泡盛飲んで仲良くなって。社会や人とのつながりというのを意識しました。そして、大切なのはお金じゃないんだなということも。

天草にもGoldilocksのPJで人のつながりがたくさんできました

ー今でもたまに沖縄に行ってるよね

でん:そう、渋谷在住なんだけど、2週間もいると地方に行きたくなる。で、地方にいると1週間で渋谷のクラブが恋しくなる(笑)

ー両方とも欲しいっていうのが田さんっぽい

でん:私、強欲だから(笑)

ー就職はどこを狙っていた?

でん:百貨店とディベロッパーです。大学では建築専攻だったけど、建築そのものというより、プロデュースしたり、テナントを考えたり、VMD(ディスプレイデザイン)が好きで。

ーどちらも「場づくり」をやるところですね

でん:そう言われるとそうかも。自分がいいと思ったものをセレクトしたり、トレンドを読んで新しい提案をするのが好きで。それで百貨店の三越に入社して、いろんな企画を提案して、自由に働いていました。今考えると入社1〜2年目の新人にたくさん任せてくれて、超老舗企業だったのに、とても居心地がよかったな〜。

ー印象的な仕事は?

でん:自分で希望を出して、法人外商部という部署に異動しました。その時に、某大手新聞社の担当になって、個人的なお買い物などの外商をさせていただいた経営者の方がいました。すごくかわいがっていただいたので「それはもう前に買ってますよ。もうこれ以上買わなくてもいいですよ!」とか言っちゃうくらい、親身になっちゃって。外商なのにお客さんにものを売らないっていう(笑)いつしか仕事の関係を超えて、人と人のつながりになって、家族のような親密さが生まれました。あの体験は大きかったと思います。

ーそして、いくつかの転職がありました

でん:三越のことは大好きだったけど、外商であらゆるものを売ったので、もう家と車と仏壇以外は全部売った感覚になっていて、あとアナログな職場よりデジタルを使った環境で働きたくて、好きだった食とITの会社へ転職を決めました。オイシックスでwebマーケをしてその後は、予約アプリのトレタでPR、クラフトビールのヤッホーブルーイングでファンマーケ、VCでPR、そしてフリーランス、と興味の赴くままにいろいろな職を体験しました。

ー働き方として、自分で思う特長は?

でん:私の仕事に共通してあるのは、上質で新しいものを提供することでよりその人の生活や働き方をよくしたいという思いがあります。古いものとか、これまで通りのスタイルを継続することにはあまり興味がなくて、より良い状態にしていくことを目指す人を応援したいと思っていて。

長野県木曽平沢に滞在して街のグランドデザインを提案

あと、コミュニケーションスタイルはビジネス的に常識を重んじる硬いコミュニケーションより、共通する目的のために互いを尊重しながらも腹を割って言いたいことを言い合えるような、楽なスタイルが好き。相手の年齢とか性別とか学歴とか(私には)関係なくて、それよりどういう資質やスキルを持っていて、どんな経験をしてきたのか、今すぐにどういう行動を取れる人なのか、というところを見るタイプです。仕事のために生きるんじゃなくて、自分のために生きれる人といいつながりを作り続けていきたいと思ってます。

ーたしかに、いつも人とのつながりをとても意識した動きをしてるよね

でん:人と人としてのつながりを作るというのは、意識的にそうしてるってこともあるんだけど、あまりやりすぎると会社の利益と相反することもあって、正直いうと、そこには過去にジレンマもありました。どうしても個人的に深く仲良くなったからこそ出せた成果もあって、超属人的な仕事も数多くしてきました。誰か他の人に私の人とのつながりを引き継ぐというのは難しいなと。私の上司だった方々は評価もむずかしかったと思います。

だから自分らしい働き方、生き方を貫くなら独立するのがいいなと思って3年前にフリーランスを選びました。

ーなぜまた、フリーランスを辞めて会社という組織に入ることにしたのでしょう

でん:一番の理由はGoldilocksの事業が自分がやりたいと思っていたことだったから。いつか人とのつながりを持った家を自分で作りたいと思っていたんですよね。その構想を今すぐ実現しようとしている人がある日急に目の前に現れた!って感じです。(笑) んなことあるんだ!と思ってびっくりしました。でも、仕事では一緒に働く人との相性を最重要視してるので、それがどうかな?というのをこの1年ほどゆるくGoldilocksに関わる中で見てきたけど、Goldilocks代表の川路さんはじめ、メンバーともとてもウマが合うなと感じました。

あと、離れてみてわかった会社のよさというのもあったのかも。相談できる仲間がいて、大きなことに取り組めて、社会的に大きな影響を与えられるものを作れるのは会社の大きな魅力。でも、もう誰かに雇われるのは嫌だなって思っていたから、Goldilocksの仕事はどんどん面白くなってきていたけど、社員になろうとかは一ミリも考えてませんでした。

ー取締役は川路さんから誘われたの?自分でやりたいと言ったの?

今後の契約をどうするか?の1on1をしていたときに誘われました。びっくりはしましたが、考えてみたらこの組織に強く共感してどハマりしてるし、自分が裁量を持って優秀な仲間を集めて事業を進められるということにワクワクしました。将来的に自分でも会社経営はしたいと思っていたので条件が揃っていてとてもタイミングがよかったと思います。

ずっと大学時代から興味があった建築や空間の分野に携われるもうれしかったし、川路さんが三井不動産出身で経験や実績、人脈が豊富にあってそこに私のつながりやスキルも加えたらさらに強いチームが作れそうと思えました。あと今までやってきたPR(Public Relations)ってまさに人と人や人と組織のつながりを作る仕事。それがミッションになった会社で事業を起こせるなんて、最高におもしろいと思ってます。PR冥利に尽きますね。

プロボノでPJに参加してもらったメンバーと焚き火とワインを楽しみました

ーでんさんはこれから何をやっていくの?

まだスタートアップの小さな組織なので、自分はありとあらゆる細かいことをやることになると思ってます。領域としてはPRはもちろんですが、新規事業のプロマネやディレクターもやるつもりだし、人事や組織作りなどHRの分野もやってほしいと言われているので新領域でのチャレンジを頑張ります。ずっとコーチングや人とのコミュニケーションについても個人的に勉強してきたり、コミュニティを複数運営してきたこともあって、その学びをビジネスで活かせたらいいなと思います。肩書きはしばらくはPRで、そのうちしっくりくるものが決まったら変えようと思ってます。経営というものに関しても勉強が必要ですね。

すでに複数のプロジェクトが同時進行しているので、やるべきことが滞った時に、私が川路さんのお尻を叩く場面も最近では少しずつ増えているんだけど、スタックしていてもイライラしないというか。むしろ、自分ごとにして巻き取ってやっちゃお〜!みたいなノリが楽しい。川路さんも、メンバーがどんどん自主的に進めちゃってるのを見てる時、すごく嬉しそうにしているし。あと川路さん、ふざけていても怒らないし、(むしろとてもうれしそうにノッてくるし笑)、小山さんはじめみんな最新のデバイスやツールが大好きでそれをすぐに取り入れるところも好きです。

ーとにかくGoldilocksの人とウマがあった

でん:そうだね。川路さんはもちろん、集まってくる人がみんな知的な変わり者ばかりで。これは実はヤッホーブルーイングのよなよなエールのブランドコンセプトなんだけど大好きな言い回しで、私は自分も知的な変わり者ありたいと思っているし、関わる人も知的な変わり者だととっても刺激を受けてテンションが上がっていい成果が出せると思ってる。

川路さんは特に知的な変わり者感が強いんだけど、最近わかったのが、ストレングスファインダーの一位の資質が川路さんも私も活発性なの。ヤバくない?油断すると二人ともすぐに動き出しちゃう。どっちもじっとしていられないの。(笑)

たくさんの知的な変わり者たちがGoldilocksには集まってきます

ー今後は、どのように働いていきたいですか?

でん:「仲間」というのが、最近の私が大事にしていきたいキーワードなので、川路さんとGoldilocksにどんどん集まってくる優秀で愉快なつよつよな仲間たちと、半径100mの人と人をつなげる施策をたくさん仕掛けていきたいですね。今いる組織や環境を変えて、知的な変わり者たちと仲間になりたいと言う方にはぜひGoldilocksに来てほしいなと思っています!お待ちしています!

東京はもちろん大事な場所だけど、そこに限らず、地方の案件も色々やりたいので、いろんなところに足を運んで現地の人の声をたくさん聞いて表面的に見えている社会課題が実際にどういう状況なのかを把握したいです。現場に行かないとわからないことってたくさんあると思ってます。
フットワーク軽い方なので、ぜひこちらもお声がけいただけるよう、まずは今やっていることの発信を頑張らなきゃ、ですな!

ーでんさんありがとうございました!

田 美智子 プロフィール
宮城大学事業構想学部デザイン情報学科空間デザインコース卒業後、2004年三越入社。法人外商部でのセールスプロモーションの企画提案営業に従事した後、2010年オイシックス入社。Webマーケティング、SNS運営に携わったのち、トレタにてPRを担当。2018年ヤッホーブルーイングにてファンコミュニティを運営。2020年1月よりフェムトパートナーズ Public Relations Principal。フリーランスのPR戦略コンサルタントを経て2023年9月より株式会社Goldilocks 取締役に就任。
著書: 一生仕事に困らない[最強の自分]の作り方
SNS: https://linktr.ee/denmichiko

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