アシンメトリーな日記:24日目

すねる


中学3年生に僕は人生をあきらめた。

詳しく覚えてないけど、

張り詰めた糸が切れたのが分かった。

もういいんだなと。

サッカーをはじめたころ、Jリーグ発足の人気と重なって、

サッカー選手になることを信じて疑わなかった。

しかしそれは事故に遭う前まで。


人生をあきらめてからはなんか楽になった。

ぜんぶなんでも良かった。

ぜんぶどうでも良かった。

自暴自棄という言葉があてはまるのだろうか。

「自暴自棄」という言葉は、一時的な間という印象があるけど、

僕の場合目の前が真っ暗てしまって、無制限のようだった。

ただ起きて食事をして寝るという、ただただ息をしているような感覚だった。

こだわりも、好きも嫌いも何もない。

どうでもいい。

はじめは楽だったかな。

もう頑張る必要もないから。

どうでもいいんだから。

周りのみんなは高校受験に向けて頑張ってる。

そんな彼らを傍目に、居ても立っても居られなかった。

僕の中のどこかで

「このままで大丈夫か?」

焦りのような感覚は芽生えていたが気が付かないようにしていた。

気が付いていたけど気が付かないフリをしていた。

聞こえないフリをしていた。

自分に嘘を付いていた。

10月は毎年恒例の体育祭があって

夏休み前には応援団のメンバーを決めておくという。

2年までは応援団も人気があってなかなか決まらなかったが

受験生というのもあり、最後の一人が決まらなかった。

僕はやってみたかった。

分からないけど何かが変わるかもと。

興味があってなんか面白そう!

そういった心の声には嘘を付いてやりすごして、知らないフリをした。

そして別の誰かに決ってしまった。

最後まで手を上げれなかった。

悔しかった。

ちょうど同じころ、ひとつの転機が訪れようとしていた。

眼帯が外れたのだ。

いつの間にか左の眼は動くようになっていて、焦点が合うようになっていた。

眼帯生活とはサヨナラ。

嬉しかった。


今回はここまで、

それではまた、あす!