海外滞在制作(アーティスト・イン・レジデンス)の応募に役立ったサイト1つとポートフォリオのポイント3つ
こちらの記事は、アーティスト(現代美術・小物作り等)の海外レジデンシー(滞在制作)の応募に際するポートフォリオ作りについてをまとめた記事です。自分の作品を海外に行くことによって少しアップデートしたり、変化させたり、違う切り口で作りたい方が、実際にポートフォリオを作って申請する為に役立ちます。
◇もくじ
・アーティスト・イン・レジデンスってご存知ですか?
・PDF編集作品はレジデンシーに向いているか?で考える
・レジデンス探しのおすすめサイト
・グーグルドライブと連携してPDFの書き込みに使える拡張機能、DocHub
・ポートフォリオ、メール添付は縦の流れ・印刷ファイルは見開きで横の流れを意識
・ポートフォリオの作成は、年ごとやプロジェクトごと。ページの完成度を高めて「まとめ」のポートフォリオを作る
・ポートフォリオの型作りの基本3つ
・メール添付は5MBまで
・サイズや素材の書き方のヒントは「所蔵作品総合目録検索システム」をチェック
・プロジェクト進行中も、Googleドキュメントやワードなどで、1枚完結型のポートフォリオを作ろう
・玄人向け:作品のサムネイル化に注意
・結局中身
おまけ
・当時足掻いていたこと
・大学生のときにやっていたポートフォリオについてのこと
アーティスト・イン・レジデンスってご存知ですか?
アーティスト・イン・レジデンスってご存知ですか?
アーティストが滞在制作を行うことで、国内・国外問わず広く行われています。
2015年、アメリカのレジデンシーに応募しました。
私の場合は、当時HAPS(🔗→http://haps-kyoto.com)や文化庁派遣制度の過去の滞在者の滞在施設を中心に情報を集めていて、自分で英語で申し込みをしました。施設名は The league in VYT. というところで、ニューヨーク州のオレンジバーグというところにあり、マンハッタンからバスで2時間かからないくらいのところにありました。
作品はレジデンシーに向いているか?で考える
まず、自分がレジデンシーに向いているかどうか?ですが、現在の作品から考えて、今後どのように変化したいかを考えた時に、海外が視野に入ってくる方は向いていると思います。(生活の話ではありません)
レジデンス探しのおすすめサイト
レジデンス探しのおすすめサイト(英語)を紹介します。
ホームからだと情報が膨大で困るとおもいますが、List of Residenciesのところを見ると結構わかりやすいです。
🔗→リスト
グーグルドライブと連携してPDFの書き込みに使える拡張機能、DocHub
いいなと思うレジデンス先が決まったら、申請書類を作りますよね。
独自の書類形式がある場合が多いです。
形式の中で多いのは、PDFに書き込むものです。
今まで、イラレやプレビューで頑張って編集していましたが、グーグルドライブと連携して使える拡張機能を見つけました。
グーグルドライブに入れたPDFに、こちらを連携させると、Web上で書類を書き込むことができます。
1.ドキュメントにPDFをダウンロードし、上部の「Open with」をクリック
2.「Connect more apps」にて、DocHubを検索、連携します
3.使用画面はこんな感じです。
私はこれでだいぶ楽になりました😍
ポートフォリオ、メール添付は縦の流れ・印刷ファイルは見開きで横の流れを意識
メール添付の場合は縦型がおすすめです。横型の場合、1枚で完結させることが難しいからです。縦にスクロールしながらみれるように、形式を揃え、1枚1作品で完成したページにしましょう。
・メール添付の場合のポートフォリオ例🔗→ https://drive.google.com/file/d/0BzK9LdR0Ft8KcE1naGJENl8wVFk/view?usp=sharing
・印刷ファイル…見開きの場合のポートフォリオ例🔗→
見開きの場合は、横に長く設計すると良いと思います。
ポートフォリオの作成は、年ごとやプロジェクトごと。ページの完成度を高めて「まとめ」のポートフォリオを作る
ポートフォリオは、私はイラレ(Adobe Illustrator)で作っています。
しかし、5年分などをまとめると、重くてしょうがないので、
半年分や各プロジェクトごとにイラレのファイルを作ります。
ページの完成度を高めた後、「まとめ」のポートフォリオをつくり、抜粋を貼り付けます。
ポートフォリオの型作りの基本3つ
以下、基本3つです。
1. テンプレートをつくる(デザインをばらばらにしない)
2. 題名、年、サイズ、素材、場所、英訳
3. 少し軽くした画像を貼る(別ファイルで元画像も持っておく)
メール添付は5MBまで
メール添付の場合のPDFは5MB程度にしましょう。重いと先方が開きづらいですし、読むときも2017年時点ではだるいと思うと思います。
🔗→PDF圧縮サイト
サイズや素材の書き方のヒントは「所蔵作品総合目録検索システム」をチェック
サイズや素材の書き方のヒントは、近代美術館の収蔵品のキャプションが役立ちます。
プロジェクト進行中も、Googleドキュメントやワードなどで、1枚完結型のポートフォリオを作ろう
ちなみに、そんなに頻繁にポートフォリオを更新できないなあ…って人は、Googleドキュメントで更新するのがおすすめです。
玄人向け:作品のサムネイル化に注意
ポートフォリオを作っている際、高度な注意点があります。ポートフォリオばかりを意識してしまうと、「作品のサムネイル化」が進んでしまう危険もあるのです。ポートフォリオはあくまで挨拶ツール。本当に大切なのは作品です。見た目に引きずられないよう。良かったら私の修論の最初の方チラ見してみてください。
修士論文🔗→ http://kintominami.com/wp-content/uploads/2014/04/パフォーマンスの未分類.pdf
Googleドキュメント日本語🔗→https://docs.google.com/document/d/1Vixq3Vl4-BURI8uoH6hb1XPHvN8rgMl3imzwq83h-VA/edit
Googleドキュメント英語🔗→https://docs.google.com/document/d/1a-Tin4DP15Kfofhsu5EUdHacsZ6-Rrq5J3G6AlRLhsM/edit
結局中身
いかがでしたでしょうか?
私は、2013~2014年に最もアプリケーションを書いており、たくさん落ちてきました。
今、書類やプロポーザルを書いていて思うのは、「やはり、中身(作品)に力があると、書類は書きやすい」ということです。2013年の私より、やっぱり、内実共に、作品が力を持ってくれて、本当に感謝しています。
当時足掻いていたこと
最後に、当時書類を書くときにやっていた「あがき」をお伝えして終わります。
・大好きなアーティストキムスージャのCVやステートメントを写経し、真似し、自分なりに自分の作品のステートメントに書き換えて作ってみる(もちろん未公表で)
・アーティストのウェブサイトで完成度が高いもののステートメントをかたっぱしから集める
・語尾を収集する(○○をアートとして提出します、とか、○○を身体から発掘します、とか)
・文化庁が海外に派遣した人たちの派遣先のウェブサイトを徹底的に調べる
・たぶんどこかのお役所が、PDFにまとめていた、レジデンス施設がずらずら書いて有る60Pくらいの書類(すみません、見つかりませんでしたが)を読みまくる
・Googleドキュメントで何パターンもポートフォリオをつくる
上記のようなことをしては、1日がつぶれ、もやもやしておりました。
今は、コアタイムには絶対に「制作」か「力を入れたいこと」しかやりませんので、それ以外の時間でコツコツ書類を書くこともあります(書かない期間もあります)
私は、ほかにもいいな〜〜〜!!と思ったカフェに足しげく通って、ご縁でお仕事をいただいたり、ブログのご縁でお仕事をいただいたり、自撮りのご縁でお仕事をいただいたりしておりまして、ポートフォリオだけを作ってできたご縁ではないですが、やっぱりポートフォリオ大事。
そして、楽しいものです。
大学生のときにやっていたポートフォリオについてのこと
女子美でFile?展というのがありまして、ポートフォリオについてとても考える機会をいただきました。
就職支援室のようなところで、ポートフォリオを見ていただけました。確か、デザイナーの方に、「文字組なんかできないんだから、文字は最小限に!写真でかく!あなたの世界観これでいいの???!!」のようなことを言われてから、ポートフォリオが変わりまして、本当に感謝しています。
いろんな人に見せて、アドバイスをもらう
う〜ん、人に歴史ありですね。
何か質問などありましたら教えてください!
金藤みなみ
連絡先→http://kintominami.com/contact-form/
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