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小さな楽しみ

家から一番近いスーパー。
何年か前に業態が変わって、
倉庫みたいなスーパーから、
輝きのあるスーパーに変わった。
「身だしなみ」
ってやっぱり本当に大切だ
(気をつけなくちゃ)。

倉庫みたいな時代は
買い物しててもさみしいから、
どうしても、って時だけ行く程度。
それがきれいになってから
よく行くスーパーに変わった。
でも、きれいなだけでは
よく行くスーパーにはならなかった。
よく行くようになった一番の理由。
それは出入り口にある花コーナー。
スーパーにも、私の心にも
潤いを与えてくれる。
花コーナーを見たくて、
スーパーに行っている。

ミニバラ、ゼラニウム、アロマティカス、
ラベンダー、琉球朝顔、ローズマリー、
トルコキキョウ、レモンの木も買った。
ダメにしてしまったのもあるけど、
今も元気でいてくれる植物たちもいる。

出入り口の小さなスペースで、
まるで飼い主を待ちわびているかのように
きらきらした植物たちが並んでいる。
それを見るとワクワクして、
連れて帰りたくなる。

切り花も売っていて
最近こじゃれた花束も売り出した。
498円するけれど、町中の花屋と
比べたら断然安いと母が教えてくれて、
躊躇せずに買うようになった。
昨日買った花束には
ガーベラ、バラ、ミモザ、
うーん分からないのがあと2つ。

台所のカウンターに
花束を飾って眺めている。
このところ気持ちがいそがしい。
それが反映されるかのように
部屋もあれている。が、
花を見ると「ああ、きれいだなあ」
と味わえるからとてもいい。
味わうって、〈今、ここ〉に
いられる瞬間なんだな。

ちょうど新しい花をクルマから出して
並べ始めたおじさんとおばさんがいた。
私は498円の花束を手に取って
「きれいですね」って言った。
おじさんが嬉しそうに
「ありがとうございます」
って返してくれた。
そのおじさんの笑顔が、
またとても良くて。
あのスーパーの花コーナーが
ますます好きになっている。