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ピーンと伸ばして

春がやってきた。
私は気だるい。
春はなんとも言葉にしがたいものある。
そんな話を夫にすると、
そんなふうに思ったことがない、
春は、気持ちが良い!と言う
(多分この話を毎年繰り返している)。
それを私は聞きたいのだと思う。
共感される良さもあるが、
全く共感されない良さってものもある。

久しぶりに散歩に出かけることにした。

あれはなんだ?と思ったらカメだった。
いつもの池にカメがひなたぼっこしていた。
ラッキー。ラッキー。超ラッキー。

撮っている時は気づかなかった。
パソコンにデータを移動して気づいた。
カメって後ろ足をこんなにピーンとして
ひなたぼっこしているんですか!

よーく見ると、
泳いでいるカメたちがいる。
カメ泳ぎ。

カルガモもいた。
前はいなかった。
足のオレンジ色にみとれる。

カメ大集合である。
気の合うものどうし、
いっしょにひなたぼっこするのだろうか。
甲羅に手をのせているものもいる。
あのさ、ちょっと、重いんだけど…
と内心思ったりしているのだろうか。

テントウムシがコートについている
と思ったら、カメムシだった。
いつ飛んでいくかな、
と思いながら家まで歩く。
全然飛んでいかない。
まるでブローチ。
強い風にもびくともせずに。
家に着いてしまった。
カメムシのにおいはきらいだけど、
そのにおいをさせることはなかった。
カメムシの柄はいったい
何通りあるのだろう。
いつも思う。
あの柄はなかなかおもしろい。

***

こんな姿を知り合いに見られたら
いやだなと、なぜかよく思う。
池でカメの写真を撮っているところとか。
あのひとヒマだよね、って。
でも、例えばだれかが、
家でSNSをながめたり、
動画をながめたりしている時間が
あったとして。私はその時間を、
この時間に使っているだけだよな、と思う。
時間をどう使おうが自由、自由。
自由だった、といつも思う。

気だるかったけれど、
すごく気分転換になった!
私もピーンとしよう。