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本の修繕屋さん

ある韓国のドラマを観ていると、主人公の女性が本の修繕屋さんという仕事をしていた。修繕していたり、お客さんに直した本の引き渡し説明をしたり、雨の夜には工房の除湿機が作動しているか確認に来たりしている。ふと思いたって「本の修繕」で検索してみた。検索結果から「本の修理なら本のお医者さん『ブックスドクター』へ」というホームページを見つけて開いた。年代物の大切な本を修理すると書いてあった。
わたしには常々愛用している古書がある。「公教会祈禱文」という本。昭和33年発行と書いてある。昔のカトリック教会の祈祷文がたくさん載っている。カバンに入れて持ち歩き、時間があるときなどに目を通している。文語体の調子のいい文章になんともいえない美しさを感じ、読んでいて落ち着く。古書で手に入れて、その時点でボロボロだったが、10年ほど愛用して、さらにボロボロになって、表紙が外れてしまったので、木工ボンドでていねいに自分で直して使っていた。この本を修繕に出してみようかと思った。
ホームページの下の見積り依頼フォームに入力する。氏名、住所、電話番号、メールアドレス、本の状態。現状の写真を添付するようになっていたので写して添付し、依頼を送信した。

何日かしてブックスドクターからメールが届いた。本の写真を見た限りでのコメントと、見積り金額は5千円程度。 本を修繕に出してみることを決めて、ゆうパックで送った。
また何日かして届いたメールには、本が無事に到着していること、「表紙を外して本文の背加工をクリーニングし、見返しを交換して再度背加工をします。表紙は背の部分を新たに作り、表と裏の表紙をつなぎ合わせてもとの背表紙を貼り付けて活かします」と修理の方法の説明があり、入院費用5千円、入院期間3週間くらいとあった。
3週間ちょっとで修繕された本が返送されてきた。元の表と裏の表紙、そして背表紙もつないで活かしてあった。すばらしい状態に回復した。また長い間使い続けられそうだ。

「本のお医者さん ブックスドクター」は住所が山形県酒田市となっている。わたしの場合、ホームページからの申込みと郵送ですべて事足りた。
大切な思い出のある古いばらばらになった本などがあれば、こういった修繕に出してみるのをおすすめする。電子書籍が普及してきた今でも、紙の本の需要は無くならないとわたしは考えている。本はわたしの人生の大切な友だちだ。

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