PS「ディアブロ」
もともとはPCで大ヒットしたゲームだが、わたしがよく遊んでいたのはプレイステーション版だった。
ワゴンセールで安く売っているのを見つけ、友達と2人で遊んでいた。
モンスターを倒しながらレベルを上げて、さらに強い武器や防具を集めるハック&スラッシュというジャンルのゲームだ。
画面を共有しているので、キャラ同士がそんなに離れることはできない。うっかり遠くまで行ってしまうと片方が画面と壁に挟まって動けなくなってしまうこともあった。
わたしが近距離攻撃、友達が遠距離攻撃のキャラクターを担当してずっと遊んでいた。
基本的には敵の近くまで行ってボタンを押して攻撃するだけなので難しいことはない。気をつけなければならないのは回復のタイミングだ。
敵によってはこちらのライフを一気に削ってくるため、一瞬の油断が死につながる。かといって、すぐにアイテムを使って回復しているとキリがないので、タイミングを見計らって回復する必要がある。
もし2人とも死んでしまうと、前回セーブしたところからやり直しだ。
そのため、こまめにセーブした方が良いのだが、1度のセーブにだいぶ時間がかかるので面倒くさがってあまりセーブしなかった。そして、そういうときに限って全滅してしまうのだ。
後半になると敵もかなり強くなる上、数も半端ない。こちら2人対して、数十体が襲ってくるのでリンチのような光景になる。画面上に敵の魔法が飛び交ってシューティングゲームのような見た目になる。
攻撃回復攻撃回復攻撃退避をできるだけ早くこなし、アイテムが切れたらすぐに街に戻る。これを何度も繰り返して、少しずつダンジョンを進んでいった。
こんな感じで夜通しプレイするのだが、まさかのタイミングで全滅することもよくあった。思わず変な声が出て、うちひしがれた。それまでの時間が無駄になってしまったため、しばらく2人で呆然とする。
とりあえず窓を開けて換気したり、休憩を入れたりして、ゲームを再開する。
幾多の困難を乗り越えて、とうとうラスボスまでたどり着いた。
もちろんしっかりとセーブして、呼吸を整える。
お互いに目を見合わせて覚悟を確認した。
そこにもう言葉は必要なかった。
これまでの苦労が頭の中で再生される。
全然進まずに険悪な雰囲気になったこともあった。
もう止めようかと思ったときもあった。
でも、おれたちとうとうここまで来たんだな。
そうしてボスに向かうと、あっさり瞬殺してしまった。
そこにこだましたのは喜びの声ではなく、「え~??」という拍子抜けした声であった。
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