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研修時のフィードバックってどこに向けて行う?

今日は1,800字程度あり、長いです。
 
綺麗に整理できておりませんが、モヤモヤを書いてみます。

対人援助系の研修などに行くと、ロールプレイやデモンストレーションなどを行うことがあります。

その際によく行われるのが「フィードバック」です。

相手の行動に対して改善点や評価を伝え、軌道修正を促すこと

https://mpg.rightmanagement.jp/hrcafe/leader/20201208-04.html
より

他者からの言葉を受けて、気づくことはもちろんあるのですが、私には苦手というか、これ自体モヤモヤするフィードバックというものがあります。

①意図やねらい、事前説明が不十分のままいきなりワークが始まる

昨日受けたカウンセリング系のオンライン研修でのロールプレイがそうだったのですが、パッと説明して手本もなく「さぁやってみよう」と言ってブレイクアウトルームに分かれました。
いきなり1:1でやってみて、気づいたことを言葉にするという単純なフィードバックですね。参加者の組み合わせによっては、ただの感想で終わってしまいます。

②「愛のあるダメ出しを」の前にさぁ・・・目標とすべきものが何か伝えようよ

これは意識高い系のセミナーでよくあることなんですが、ロールプレイやデモをやってみて、
「クライエント役の方は愛のあるダメ出しをしてください。そうしないと、成長できませんので」
との謳い文句で、あえて改善点を言わせる進行があります。

「クライエント役の立場で」というのが曲者で、目指すは支援者としての関わりであって、「クライエント役はこう感じた」というクライエント視点での気づきは、複雑性が増すし、どこをポイントとするのでしょうか。
「ワーカー(を目指す人が演じる)のクライエント」の限界は意識したほうが良いかと思いますし、私は素直にフィードバックを受け取れないことが多い。
援助技術の話をしたいのに、何か勿体ない気がします。
「いや、ワーカーとしてはこういう意図を込めたんですよ」と議論したい。

半人前同士が目指す方向も曖昧なままフィードバックしても、どこにいくかわからないです。それは専門性が高まるのか。
・・・ダメだ。毒舌回ではないのに、不満が湧いてしまう。

文句ばかりでは仕方ないので、私が授業でどうしているかも書いてみます(答えはないです)。
あくまでも一例です。 

①講師がやってみせる

まず個人ワークで「人に話してもいいレベルの悩み」を書いてもらいます。学生に家族役とか演じてもらうよりも、等身大のほうが質問した時に自然に返してくれます(高齢者の家族とかだと、その立場にないと環境を描写できませんし)。
その後、「私とセッションしても良いって方は?」と希望者を募ります。
で、講師としてやってみせます。

インテーク、アセスメント、その他。状況ごとに大切にしたい部分を意識して、取り組みます。その後、講師として支援者の意図を込めたふりかえりを語ります。会話の分岐点があれば、迷ったところも含めて、「なぜそっちの会話内容を拾ったのか」も説明します。
一応、クライエントしてもらった方に純粋な感想は聞きます。
そこはクライエント役という観点からではなく、ロールプレイ自体全体の感想ですね。

②講師が見てる中でやってもらう

授業だと人数が多いので、難しいですが講師が見えるところで、やってもらい、講師として良かったところをフィードバックします。
直したほうが良いかなと思うところは、「こうしたら更に良くなるね」と付け足す感じで伝えます。初めての場合は苦手意識を持たせないように、基本は肯定的な内容にしています。

③オブザーバーには大き目の付箋を渡しておく

ロールプレイをしている時は、クライエント役、ワーカー役に加えて、他の方はオブザーバーとして見学してもらいます。
最初に書いたように意図が掴めてない人のネガティブなフィードバックは受講生同士の関係悪化にも繋がりますので、大き目の付箋には「ワーカー役の良かったところ」を書いてプレゼントするようにしています。紙に書くことで、見返すこともできますので、自信を深めてもらうこと、受講生同士の関係性を築くことへの配慮です。
改善点は「ワーカーの視点として」講師から伝えます。

以上です。
これだと学生の生活範囲以上にテーマが広がらないので、特定の福祉的な課題については事例検討という手法を用いています。

フィードバックで目指すべき方向については、今後も考えていきたいと思います。

最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。

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