あれから10年経ちました

あれから10年経ちました。
10年前の私は、東京都品川区に住んでいました。
職場は天王洲アイルで、自宅の最寄りのバス停からバス通勤をしていました。
そして10年前のあの日・・・。

当時総務の仕事をしていた私は、避難経路を伝達し、所定の避難場所へ従業員を誘導するという大役を仰せつかっておりました。

無事に全従業員を指定の避難所に誘導することができ、ホッとしたのもつかの間、当時中学生だった娘と少し遠方に通勤する妻の安否確認に追われていました。

何とか娘と妻の安否確認が取れ、いつもはバスで帰宅する帰路を徒歩でいつもの3倍の時間を掛けながら帰宅しました。

7階建てマンションの6階にある自宅は、食器棚は倒れテレビは倒壊し、箪笥の中身が飛び出しているといった状態でした。

その一つ一つを丁寧に片付け、少し遠くに勤めに出ている妻の帰りを待ちました。

そんなことから一年が経ち、私は福島や仙台や石巻といった震災の被害地への営業を開始することになりました。
そのころから私の精神状態が次第に悪化してきました。

そのことが原因で、妻や娘は私から離れていきました。

震災から10年。

私たち家族は、翌年に離散という結論を選択することになりました。

10年経った今、その選択が正しかったのか。

今だ結論は出せていません。



#それぞれの10年

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