釘崎野薔薇の生存戦略②〜これが新しい釘崎野薔薇なんだよ!!!


○おさらい 

前回では、野薔薇推しの私が、血涙を流しながら彼女の負け戦を振り返ってみました。

それを受けて、じゃあどうすれば強くなれるの?というところを考えていきたいと思います。
おさらいですが、野薔薇の問題は何かというと

「術式と戦闘スタイルが噛み合っていない」

ということでしたね。具体的には、

① キマれば強力な「共鳴り」を主力に戦おうにも、術の媒介となる相手のパーツがなかなか手に入らない

② ならば「簪」はどうかというと、「トンカチと釘を構える→釘を打つ→相手に当てる」という一連のモーションが長く、近接では使いにくい

③ そもそも基礎(肉弾戦の能力、呪力の量・コントロール)が不足している

以上の3点です。ではこれを克服するためにはどうすればいいか?
結論から書きます。3つほどプランをご用意してますので、お好きなものを選んでください。

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A.ゴリラ力を鍛える 

やっぱりゴリラ
シンプル・イズ・ベストな回答ですね。基本的に、原作の展開に出てきそうなガチの考察はしない(できない)のですが、今回の3つのプランで可能性が高いとしたらこれでしょう。
『ゴリラ廻戦』との呼び声も高い本作において(勘違いして欲しくないのですが、私はこの呼び方にリスペクトを込めています。「強いやつほど基礎ができてる」という実力の描き方は、とても私好みです)、強者を目指すならゴリラ力は必須科目と言えます。
野薔薇もパンダや真希さんに鍛えられているようですが、まだまだ力不足だと言わざるを得ません。

すが、今から更にゴリラ力を鍛えて鍛えたその先には、第2の冥冥と呼ばれる日もあり得るのではないでしょうか。近接では下手な呪霊や呪詛師に遅れをとることはなくなるでしょう。

どうやって相手のパーツを手に入れるか?
しかし、これでは彼女の弱点、特に①の「共鳴りを活かすためのパーツが手に入らない」は達成できないように見えます。結局やることは殴る蹴るですから。
しかし、殴る蹴るでも相手のパーツを手に入れることは可能なのです。

そう、「黒閃」ならね。

黒閃をキメた際、相手が呪力による防御をしていても、大ダメージを入れることができます。野薔薇も血塗にキメた際は、倒すには至らないものの体表をふっ飛ばす傷を与えていましたね。
さらには、虎杖は壊相に対して、黒閃による打撃で、右腕をちぎり飛ばすダメージを与えています。打撃が強すぎてか、呪力の爆ぜた結果か、相手の一部を欠損させることができるんですね。
こうすれば、打撃のみで相手のパーツを手に入れ、共鳴りへと繋げることができます。そうなると、黒閃で大ダメージを負った相手は、ほぼなす術がありません。

でも…
しかし、現状黒閃を狙って出せる術師は存在しませんし、「黒い火花に愛されている」と称される虎杖ですら安定して決められている訳ではありません。術式発動のための手段として黒閃を信用するのは、かなり分の悪い賭けだと言わざるを得ないでしょう。
ゴリラ力の高まった野薔薇は見てみたいですが…

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B. サポートに回る 

芻霊呪法のポテンシャル
芻霊呪法は、サポートとして非常に優秀な術式です。

・呪術の世界では長い方の射程(今までの最大は逃げる壊相か分身真人に対する共鳴り:数十メートルくらい?)
・距離に関係なく、相手のパーツさえあれば的確なダメージを与えられる
・基本的に防御が効かない 

壊相に対する用法(味方が与えた手傷を元に、逃げる敵に確実にとどめを刺す)は、共鳴りの活用法としてかなり理想的だと言えるでしょう。共鳴りが「呪詛返しのカウンター術式」だと意図せずミスリード出来ていたのもいいですね。
このミスリードも、芻霊呪法のような複雑な術式においては長所の一つだと言えます。使用するパーツによってダメージが決まるため、術式開示をする必要性も薄く(開示による威力の底上げをしなくてもいい場面が多い)、何より手の内を晒さない方が優位に立ち回れる
したがって、「どうしたって相手にバレてしまう」術式にはない、手の内を晒さない戦い方が求められます
その点においても、近接で手数を重ねることは良い影響は与えません。九相図戦では連発していましたが、あれは釘を自分に刺す(痛い)というイレギュラーな使い方が活きた結果で、あくまで例外的です。


サポートとしての立ち回り
つまり、
・そもそも術式の特性がサポート向き
・手の内を晒さない立ち回りが求められる

このような都合上、宿儺の指収集プランの一つとして虎杖に五条が提案したような、
「味方が持ち帰った敵のパーツに共鳴りを使用する」
という戦い方(もちろん術式の有効射程は?という問題はありますが)や、
「簪で相手の姿勢や周囲の地形を崩し、隙を作る」
といったサポートでいい仕事をするのではないでしょうか。


それは「釘崎野薔薇」なのか
ただ、術式はサポート向きでも、術師である野薔薇自身がそうかと言われると、私はノーと答えます
「自分が自分らしくある」ことを重んじる彼女にとって、サポートに回り続ける姿勢は受け入れられるものでしょうか。
あくまで私は、そうではないと思います。サポートを馬鹿にしているわけではありません。ですが五条が言うように、術師はあくまで個人競技、死ぬときは一人です
彼女がいつか真に負けたとき、命を落とすとき、そんな自分の姿に胸を張って死ねるのでしょうか。誰よりも前に出て、たとえ一人でも最後まで戦う。そんな今の野薔薇の姿は、たとえ負け続けていたとしても、気高く眩しい。
「あなたの術式の適正はこれだから」という決め方で、そんな彼女の姿を、彼女の戦闘スタイルを根本的に変える事はしたくないのです。
では、どうすればいいのでしょうか。

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C. シン・陰流を体得する  

簡易領域って何なのさ
はい。急にイロモノが来ましたが、私の本命はこれです。
まだ詳細が説明されていないのですが、「シン・陰流」とは、自身の周囲に「簡易領域」と呼ばれる結界を展開する戦闘法を扱う流派です。劇中では三輪霞や憂憂が該当しますね(ただし、三輪はともかく憂憂は正式な門弟か怪しいところです、メカ丸や東堂はなおさら)。
「簡易領域」とは、その名の通り領域展開を会得していなくても使える簡易的な領域のようで、自身の周囲に展開して戦闘を優位に進めることができます。生得術式を付与し、術式を必殺必中へと昇華させる領域からすると戦闘力がかなり落ちますが、メリットもあります。今のところ、効果はこの通り。描写が少ないので、私の想像も含めました(強引)。

・「領域はあらゆる術式を中和する」原則に基づき、簡易領域内では他者の術式・領域を中和する
→相手の領域から身を守ったり、攻撃を無効化するような相手の術式を中和して攻撃を当てたり

・その他、領域の下位互換のような特性を持つと予想しています。
例1:領域が「術式必中」に対し、簡易領域では「命中サポート」に留まる(予想)
→三輪の技「抜刀」がこの効果?領域内の相手をフルオートで迎撃しています。
例2:領域ほどではないレベルの「バフ」がかかるのでは?(予想)(かかってほしい))

なぜ簡易領域はマイナーなのか?
基本的に入ったら詰むことが多い領域展開の中でも有効に働く場面があるなど、簡易領域の価値はかなり高いです。
では領域展開に至らなかった術師がみんなこれをやっているかというと、そうではありません。なぜでしょう。
それは、こんな欠点があるからではないでしょうか。

『簡易領域を展開している間は、生得術式が使えない』

これです。
一応、そう考えた根拠もあります。

・「領域展延」で五条に対抗しようとした漏瑚と花御は、それと生得術式を同時に使えなかった
・簡易領域を展開した三輪が、術式を使おうとする素振りがない
(これは根拠薄い)
・冥冥は、敵の領域内での戦闘で「簡易領域で術式を中和する」憂憂と「高火力な自身の術式で敵を倒す」役割を分担している

1つ目については、漏瑚と花御は領域展開を会得していますから、「領域展延」は簡易ではない領域の応用と見るのが妥当でしょう。術式を付与しない領域を周囲にまとい、相手の術式を中和する戦術というわけです。
本物の領域の応用ですら、術式と同時に使えない。いわんや簡易領域をや。

2つ目については、根拠としては弱いです。なぜなら、「簡易領域内だから術式が使えない」のではなく「生得術式を持っていないから簡易領域に頼る」という構図の方が説得力があるからです。しかも三輪は術師の家系ではなくスカウトでシン陰に入りましたから、相伝の術式を持っていないのも自然です。
しかし、「術式を付与していない領域の中では生得術式を使えない」というのはありえると思っています。
むしろ、「領域を使いたい…でも生得術式でなきゃ敵を倒せない…」といったニーズに合わせて「せや!領域そのものに生得術式を付与したろ!」という発想で領域展開が生まれたのかもしれませんね(妄想)。しかしそんなことができるのは一部の天才だけだから、相変わらず弱者の領域として簡易領域が残ってきたのかもしれない…(妄想)。

3つ目の根拠は、そこそこ説得力があります。冥冥ほどの実力があれば、自身で簡易領域を会得していてもいいはず
簡易領域で敵の領域を中和しつつ、死角からバードストライクをかませば済んだのでは?
しかしわざわざ憂憂と担当を分担し、実際に疱瘡神との戦闘でもそうした戦術を取ったのは(疱瘡神への陽動のためもあるでしょうが)自身の黒鳥操術と簡易領域は同時には使えないからではないでしょうか
そう考えると、近接のエキスパートである七海のような術師が簡易領域を使わないのにも納得がいきます。せっかく簡易領域で敵を迎撃しようにも、十劃呪法が使えないのでは火力が足りず、強みを活かした戦闘ができません。相性が悪いんですね。

剣客・野薔薇
毎度長くなりますが、要するに簡易領域にはメリット・デメリットがあると。

・簡易領域内では、相手の術式を中和し(確実に攻撃を当て)、特に近接戦闘において、自身に有意な戦闘を行うことができる
・しかし、簡易領域内では生得術式が使えない


これらを踏まえた上で、私が野薔薇向きだと思ったのはなぜか?
それは、

●野薔薇の不得手な近接をカバーできる

●シン・陰流の主要な攻撃手段である剣術(抜刀術?)を活用して、「共鳴り」発動のためのパーツ集めが捗る

●芻霊呪法は(共鳴り、簪ともに)攻撃した「結果」を利用してさらに追撃する形のため、簡易領域と同時に発動する必要がない

●領域を警戒して距離を取る相手には、近接で活きづらかった釘飛ばし、「簪」が効く

いかがでしょう。
見事に簡易領域と野薔薇(芻霊呪法)が互いをカバーし合っていると思いませんか?
野薔薇の不得手な近接を簡易領域でカバーし、簡易領域で手が出せない中距離〜の相手には釘を飛ばして布石を作れる。
領域内では彼女の攻撃に当たらないよう気を付けないといけないし、かといって距離を離せば釘が飛んでくる。
下手に釘に当たれば「簪」の餌食になるし、そればかり意識してると自分以外の要素(地形とか周りの遮蔽物とか)への「簪」が決まって不利になる。
これ、やられる側としてはかなりイヤなはずです。

何より見たいのは
何より簡易領域を展開する野薔薇の姿、想像したらカッコよすぎます(私情です)。
「簡易領域 展開」からの抜刀ポーズとかされた日には、野薔薇の敗北シーンを振り返るときに流した血の涙が、感動の滂沱の涙に変わります。やってくれ…(私情です 何とかしてください)
もちろんデメリットはあり、それはやはり会得に時間がかかると予想されることでしょう。野薔薇はずっとトンカチ一本というこれ以上ないヒロインスタイルでやってきましたから、慣れない得物には苦労するでしょう。シン・陰流は剣術メインぽいですから。
でもそれでも、やっぱ刀はかっこよくないですか?(私情です)
日本刀でなくても、トンカチと間合いが近い短刀(ドス。粟坂が使ってたみたいなやつ)もよく似合うと思います。粟坂のあのドスを一閃するコマ、あれを野薔薇でやってくれませんか…(私情です 何とかしてください)


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○まとめ 

というわけで、決して野薔薇の抜刀ポーズが見たいだけなわけではなく(強調)、彼女に不足しているものを考えた上で、彼女の戦闘スタイルを貫くため、私が推す野薔薇の新しい戦術は「シン・陰流と芻霊呪法の合わせ技」です。
すなわち、「シン・芻霊呪法」ですね(台無し)。

しっかりとした考察ではなく、こうなったらどうかな?くらいの気持ちなので、原作で登場する可能性は限りなくゼロに近いと思ってます。ゴリラ力を鍛えるか、冥さんみたいに術式の幅を広げるのが現実的ですかね。
それでも、想像してしまうのです。簡易領域で敵を斬り倒し、逃げる敵にはあるいは共鳴りでとどめを刺し、あるいは簪で不意を突く彼女の姿
胸を張って「私は釘崎野薔薇なんだよ」と言いながら釘を打ち、そして勝ち続ける、そんな彼女の姿を想像してしまうのです。

私の想像した形でなくても構いません。
どうか釘崎野薔薇に、栄光ある戦いの日々が続きますように。
そしてずっと、彼女が彼女でいられますように。

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