厚底シューズと故障の関係性①
先日、私が練習メニュー等参考にさせていただいてる"Sushiman"さんがこのようなツイートをされていました。
私自身、一応治療家として仕事をしていますが、全くもって同じ意見です。
NIKE社のヴェイパーフライが出てきてから、シンスプリントやアキレス腱炎等の故障は減った傾向に見えますが、
逆に腰痛、梨状筋症候群、腓骨筋腱炎、足底腱膜炎というような故障は増えたのではないか?と考えます。
実際、私も上記の梨状筋症候群、足底腱膜炎を過去2年間の間に患ってしまいました。
ではなぜそれらの故障が増えたのか?
私なりに推移してみましたので、ご参考になればと思います。
①股関節周囲の故障について
厚底シューズの反発力は、その人が持っている以上の股関節周囲(特に股関節伸展筋)の筋肉の作用を生み出します。
薄底シューズ時代では考えられなかったような反発力が生まれ、大臀筋やハムストリングスなどに過度な負担をかけて股関節を無理矢理伸展させて、ストライドを伸ばします。
無理矢理股関節が伸展された場合、まだ完全な筋力が備わっていない大臀筋等で股関節伸展が行えないのを、
今度は腰椎が代償し、いわゆる反り腰のような形になると考えます。
結果的に股関節から腰部にかけて過度なストレスが加わり、故障が増えたのではないかというのが1つ。
そしてもう一つ股関節周囲、特に梨状筋症候群や大転子症候群(梨状筋症候群に類似しているもの)になりうる原因があると考えています。
これは、ヴェイパーフライnext%に限った場合が多いですが、
足部からの運動連鎖により梨状筋や大転子といった部位に過度なストレスが加わり故障するパターンがあるのではないかと私は考えています。
先日こちらの記事で詳しく書きましたので、ご参照して頂ければと思います。
②足底、足首の故障について
次に今までに比べて故障が増えた箇所として、足首周り、足底といった場所になります。
その中でも特に、腓骨筋腱炎と足底腱膜炎が多いのではないかと思います。
これらの故障が多くなったの理由としては、
厚底シューズにより足部の内在筋、外在筋への刺激が少なくなり、機能低下を起こしていると考えます。
特に足部の内在筋は足の指の動きでしか働かないため、厚底シューズを使いすぎる結果、足指感覚がどんどん薄れていくと考えます。
足部内在筋、外在筋はいくつもありますが、その中でも注目しなければならない筋肉があります。
小趾外転筋という筋肉です。
右斜上から見た場合
足の裏から見た場合
聞いたことあるかもしれません、足部にはアーチ構造というものがあります。
一般的にアーチと呼ばれるのは、内側縦アーチと呼ばれ、土踏まずが地面から多少浮くことを意味して、これが浮かないと扁平足という判断になることが多いです。
内側縦アーチ(親趾側横から)
しかし今回着目するの外側縦アーチという、いわゆる外側のアーチのことを指します。
外側縦アーチ(小趾側横から)
この外側縦アーチというものが、個人的に足底腱膜炎や腓骨筋腱炎により関与が大きいものではないかと考えます。
専門的に話すと長くなるので今回の記事では喝采させて頂きますが、この外側縦アーチが低下すると、足部全体のアーチに関与してしまうため、
結果的に足部の内在筋がうまく使えなくなってしまい、結果的に足底腱膜炎や腓骨筋腱炎へと繋がってしまうと考えます。
最後に...
今後は、厚底シューズへの移行により、ランナーに増えてきてるとされる、
足底腱膜炎等の足部周辺の故障に対しての、セルフストレッチや足部の内在筋のトレーニングなども一緒に伝えていければと思います。
お読み頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?