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タイの病院で胃カメラを受けた話

バンコクに住んで2年半。ありがたいことに仕事をさせていただいているのだが、どうもタイ人ダイレクターと馬が合わず、ストレスフルな毎日を送っていたら案の定、胃が痛くなった。子供の頃に自家中毒になっただけのことはある。大人になってもメンタルは強くならない。

今月初めに一度病院に行って薬を処方されたのだが、飲み終わるとまた痛み、再度病院に行った。前回の診察時にもしこれで治らなかったら胃カメラだと言われていたので覚悟を決め、食事と水分を摂らずに向かった。
さわやかな若いドクターに「胃カメラをおすすめします」と言われ、30分後にスタートします。と。タイでは眠って受ける胃カメラが主流だそうで、「どどどどど、どのくらい眠りますか!意識はある?ない?」と食い気味に質問し「大丈夫ですよ、眠っていますから」となんだかよくわからない答えに悶々としながら準備を始めた。

ここからはバンコクにあるサミティベート病院での麻酔を使った胃カメラのレポートです。受ける前に検索したけれど詳細があまりわからなかったと思ったので細かく書き記します。誰かの役に立つことを願って。(あとは私の記録として)

まず、消化器科の診察室を出たところで薬のアレルギーの有無、差し歯の有無を聞かれる。(取り外せる差し歯は多分取ることになるのだろう、私は前歯が差し歯なのだが取れないのでそのまま)ここまでは通訳の人がいて下さる。手首に名前の書いたリストバンド装着。
内視鏡のフロアには通訳者はいませんでした。タイ語と英語でなんとかコミュニケーション。(こわさ)

ロッカーのある部屋に連れて行かれ、下着も全部取って検査着に着替えるように言われる。すうすうする。準備室のようなところに案内され手の甲に、点滴を入れる時のような針を刺して(私は点滴の針が刺さりにくいタイプなのだが、他のスタッフと世間話しながら一発で入れてくれて感動)、血を取ったのち針はそのままにしてまた別の部屋へ。ベッドに寝ているとスタッフが来て寝たまま検査室に連れて行かれる。(こわい)日本だったらこういう時には優しめの看護師さんが「大丈夫ですよー」とか言ってくれる場面だがそういったことは全くない。こわい。さわやか若ドクター到着ののち、助手によって喉スプレー。「飲み込んでくださーい」って何語で言われたのかすらわからないほどがちがち。すでに涙目の私に「もういっかーい」と。当たり前だがこれも何語で言われたのかわからない。もはやテレパシー的な何かだったのか。(そんなことは絶対にない)「アローイアローイナー!」とにっこり言われても到底無理。(ここはタイ語だった、おいしいねーみたいな意味)飲み込む度に喉がおかしくなってきて、ここで話せなくなったら...そしてこのまま管を入れられたら...という恐怖から「ままままま!ますい!ま!す!い!」と日本語で訴えたがにっこり笑うさわやかドクター。おい!わかってんのかよ!と心の中で毒づきつつもマウスピースをくわえさせられ頭の後ろにそのゴムを回され「やだやだきつい!ゴムきつい!」という言葉はもう口からは出せず、首の下に紙を敷かれ「ここに私は何かをたらすのだろうか...こわい...こわすぎる...」と恐怖心マックスになったところで落ちたらしい。せめて「今から眠りますよー」とか言って欲しかった。ちょっと抗いたかったのに...もしかして言われてたのかな...

目が覚めると検査の終わった患者がたくさん寝ている部屋だった。いびきをかいている人もいる。眠りから覚めるよりもはっきり、もはや瞬きくらいの感覚。喉にいくらかの違和感があるが、それ以外は何も変わらない。本当に終わったのかな、という感じ。時計もないからどのくらい時間が経ったのかもわからない。しばらく放っておかれたあとに看護師さんがおしぼり、クラッカー、ココア、お水をトレイに乗せて持ってきてくれた。ぼそぼそ、こくこくと、どれもひとくちずつ堪能し、「じゃあ着替えてねー」みたいに言われたので起き上がって着替えた。ふらつきも一切ない。ここまでで1時間半くらいかかっていた。血を取ってから。

再び診察室に戻り説明を受けて終了。海外旅行保険が使えたので(麻酔の胃カメラは対象外かと思っていた)自己負担なし。こんなに楽なら日本に帰ってもこの方法でやって欲しい。

結果はいくらかの炎症はあるものの大きな問題はなし。もらった薬を見たら寝る前に抗うつ剤が出ていて、こういうのはちゃんと説明して欲しかったし、結局ストレスが原因かよと思った次第。いまだに怖くて飲めないでいる。

胃はまだ痛い。

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