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サッカーの意義

こんにちは。今回はタイトルにある通り「サッカーの意義」について、現時点での自分の考えを記したいと思います。このサッカーの部分にはなんでも当てはめることができると思うので、是非皆さん自分がやってきたスポーツや長い間続けてきたことに置き換えて考えてみて下さい。

話は僕がサッカーの指導者を始めたときまで遡ります。高校卒業まで部活としてサッカーを続け、大学生になったときに中学時代お世話になったチームから「指導者をやってみないか」と声をかけて頂きました。元々子どもが好きでしたし、サッカーサークルでの活動も自分には合わなかったので指導者をやってみることにしました。始める際にチームの代表から言われたことは「自分が教わったことを教えてくれれば大丈夫だから」でした。確かに練習では「ああ、おれもこれやったな」と思うメニューや「このプレーしたらこういう風に言われたな」など色々思い出すことがありました。そうなると意外と難しいことはなく、慣れてしまえば2時間の練習も自分一人で25人ほどの選手を見ることができます。しかしある時の試合で僕の考えを変える出来事が起こります。

選手たちが普段の練習で取り組んでいることを試合で全く体現できていないのです。もちろん原因は1つではないですが指導者として目を向けるべきは練習内容と、選手がそれに対してどのように取り組んでいるかでした。今思えばその時の自分はそもそもサッカーがどんな競技なのか分かっていませんでした。僕はサッカーを「瞬間」と「連続」のスポーツだと思っています。一瞬で今何をするべきかを考え、実行し、そこで得たものは次の考えの元になります。そしてその行程を試合中ずっと繰り返します。しかしそれまで僕が選手たちに教えていたことは、それら全ての過程を取り除いた「結果」だけでした。サッカーに絶対的な正解なんて存在しません。あるのは「相手より1点でも多く取ったチームが勝ち」という事実だけであって「相手がこう来たらこうしろ」などどいう自分の経験に基づいたことしか言えないのは指導ではありませんでした。だからこそピッチの中で選手が自分で考えて行動できるように、指導者は練習のうちから選手が主体的に行動するのを促さなければなりません。もっと言うと普段の生活で主体的に行動できないのにサッカーの中でできるわけもありません。

だから僕は常に「自分の意志で行動する」ことが何においても1番大事なのではないかと思います。そしてそれはドイツに来て、日本人に圧倒的に足りていないなと感じています。日本では子どもが育つ過程で「あれはやってはだめ」や「それは人の迷惑になるからだめ」というように、子どもが自分の意志でチャレンジしたいことをその意志に関係なく奪ってしまうことが多いように感じます。そのように育った子どもは恐らく周りの人に合わせることを選ぶようになるでしょう。また、学校での制服や体育の授業での整列など、周りに合わせることを私たちは当然のように自分の意志に関係なく行ってきました。今の自分があるのはそういう教育が元になっている部分もあると思うので全てを否定するわけではありませんが、他の人と同じでいいとなってしまえば、そこから主体性や個性が生まれるとは思えませんし、何より人間味がないように思えてしまいます。

そして指導者をやっていたとき常に考えていたことがあります。それは「自分が指導者をやる意味」です。特に上手な選手だったわけでも、特別な結果を残したわけでもない自分がこの子たちに何を教えてあげれるだろうか。自分の知っていることだけ伝えても選手は自分程度のレベルにしかなれません。もちろん指導者としての勉強も続けた上で、僕だからこそ選手に伝えられることとは何か。やはり1番大事なのは選手自身が自ら考え自分の意志でアクションを起こせるようになることです。子どもは素直なのでコーチの言ったことを全てだと思いそれに従い過ぎてしまいます。でもそれではだめです。自分の意志はどこにあるのか示せるようにならなければなりません。

指し示し、導く者と書いて「指導者」

自分で考え実行できる人間になるよう、選手を導ける人を指導者と呼ぶのだと思います。これが当時僕のたどり着いた答えの1つです。

今回のテーマに戻りましょう。サッカーの意義とは、サッカーを通してそういう選手、そういう一人の人間を育むことにあるのかなと思います。もちろんこれは正解ではなく僕の個人的な意見の1つですし、意義なんていくらでもあると思います。ただ仮にプロになることや、頂点に輝くことだけのためにサッカーがあるのなら、僕に教えられることは何1つとしてありませんし、少なくとも僕にとってのサッカーはそういうものではなかったよってだけの話です。

今回の話はこれで以上になりますが、これからも自分の意見を書いたりインタビュー内容を載せたりするつもりです。その際に、僕の根底にはこういう考えがあると理解した上で読んで頂けると、より一層記事に対する理解が深まるかと思ったので、長々と書かせて頂きました。

そして幸いなことに何名かの方にインタビューできることが既に決まっているので、楽しみに待って頂ければと思います!今回も読んで下さった方ありがとうございました!

Tschüs👋

少しでもより良いものを作っていきたいので、「スキ」や「コメント」もお待ちしています。