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「取り替えのきく自分」

はじめて読んだ村山由佳の小説。
かなり軽いノリではあるけれど、
自分としては、かなりぐっとくる場面が多く。 

人妻マリコさんと不倫真っ最中の大学生、涯(がい)。
オトナの女性の気の利いた扱い方なんか、わかるはずもなく、翻弄される毎日。

キャンパスでの生活。バンドでの悩み。
幼なじみのボーカリスト、うさぎとの微妙な関係。
「お前のベースなんか、いくらでも替えがきく」と言われ、落ち込む日々。

…ああ、なんだろう、このステレオタイプな青春。
でも、なんでこんなに「あるある」気分になってしまうんだろう。

自分に自信が持てなくて、
「取り替えのきく自分」に何の意味があるんだろう、なんて煮詰まって。
今ある恋も、いつなくなってしまうか、いつも不安で。
大切にしたいのに、やり方がわからなくて。
それなのに、やっぱり別れがやってきて。
ボロボロになって。
でも、救ってくれる人もいて。。。

「そうやって人はオトナになる」っていう類の小説なんだろうけど、
いろんな辛さや折々のハッピーやちょっとした幸せな気分なんかを、
たくさん思い出すことができました。

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