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【試し読み】文学フリマ東京38_新刊「自分で歌舞伎座の演目が選べるようになるガイドブック」

5月19日(日)、文学フリマ東京38で販売する新刊「自分で歌舞伎座の演目が選べるようになるガイドブック」の第1章と第2章を公開します。

はじめまして、ごごいちです!
歌舞伎というジャンルが好きで、これまでの二十数年の歌舞伎観劇を続けてきました。
その中で編み出した、歌舞伎座の演目や公演の選び方を、文章にしたい!と思い、はじめて同人誌を作りました。

タイトルは、「自分で歌舞伎座の演目が選べるようになるガイドブック」
5月19日(日)に開催される文学フリマ東京38にて、700円で販売します。ご興味ある方は、お手に取っていただけると嬉しいです!

このガイドブックの試し読みとして、第1章と第2章を公開します。第2章に掲載の演目の選び方フローチャートは特に気合を入れて作ったので、ぜひご覧ください。

では、ここからは試し読み本編です。



第1章 はじめに


1.1 本書について

本書は、自分で歌舞伎座の演目が選べるようになるガイドブックです。

マンガやゲームを原作とした新作歌舞伎を観たり、あるいは誘われたりして2~3回 ほど観たことはあるけれど、いざ自分で観に行こうと思ったときに、どうやって演目を選んだらいいか分からないと手が止まってしまった人を対象としています。

目標は、歌舞伎の演目をどう選んだらいいか分からないという状態から、インターネットと本があれば自分で演目を選べるようになることです。イメージとしてはこ のガイドブックを利用して、観劇2~3年目の状態まで一気にレベルアップすること を目指します。
                                   このガイドブック以外に必要なものは、インターネットと演目を調べるための本が 2冊です。第1章の1.2下準備の項目をご確認ください。

まず、第2章でフローチャートを使い、演目の選び方を分類していきます。

第3章では、歌舞伎の情報を得るのに最適なメディアである、チラシの見方につい てレク チャーします。 観劇前の情報収集で、一番最初に確認するのがチラシであ り、見方が分かれば歌舞伎座の観劇に必要な情報を十分に得ることができます。

第4章で、フローチャートの分類ごとの具体的な手順を説明します。

第5章では、付録として、演目を調べるための本が入手できなかった場合のため、 演目ごとの掲載ページ分量と上演頻度を記載した一覧表を付録としてつけていま す。演目ごとのページ分量の確認用の早見表としてもご利用いただけます。

なお、このガイドブックでは劇場を歌舞伎座に限定して説明しています。歌舞伎座 に絞っているのは、1年中歌舞伎公演をやっていること。歌舞伎の殿堂としての歴史 があり、どの客席からも舞台がしっかり見えるという観劇時の基本的なストレスが 少ないというという理由からです。チラシなど歌舞伎座の形式のものを説明してい ますが、演目の選ぶ手順については、他の劇場でも応用できると考えています。他の劇場での演目選びの際には適宜読み替えてご利用いただければ幸いです。

このガイドブックの情報を足掛かりとして、歌舞伎という文化の楽しさを一緒に味 わうことができたらとても嬉しく思います。

1.2 下準備

これからフローチャートをたどって、演目の選び方を具体的な方法をみていきま す。

お芝居の演目の選び方と踊りの演目の選び方、写真から演目を選ぶ方法の中で、以 下の本が必要となるため、下準備として事前にAmazonなどで古本を購入、もしくは図書館で探していただくと、このガイドブックをすぐにお使いいただくことがで きます。

どちらの事典も、観劇前に概要を知るために調べたり、観劇後にあそこはどうった かとまた調べたりと、著者の歌舞伎観劇時に欠かせない本になっています。

出版元の演劇出版社が2022年に解散してしまったこともあり、現在は古本でしか手 に入らないのが難点ですが、国立国会図書館のほか、地域の各公共図書館で閲覧で きるようになっています。

第2章 フローチャートで調べ方を決める

2.1 歌舞伎の面白さとは?

歌舞伎の面白さは主に以下の5つから成り立っています。

① お目当ての役者が出ているかどうか
② 演目が面白い・好みに合っているか
③ 配役が見たい組み合わせか
④ 芸など凄いものを見たという、観劇後の満足度
⑤ 後年あれ見たんだよと、ちょっと自慢できるかどうか

①のお目当ての役者、今どきの言葉で言うと「推し」の役者が出ているかどうかは 特に重要な要素です。歌舞伎は特に役者に注目する芸能でもあるため、事前にお目当ての役者がいると言える場合は、これを優先して演目や公演を選んで欲しいと思 います。具体的な選び方は、「2.2 フローチャートの使い方」で説明します。

その他の要素について、④の観劇後の満足感については事前には分からないため、 観劇前に観客側でパラメーター調整できるのは②③⑤です。 

③の配役は豪華だとか誰と誰の組み合わせは珍しいということがわかるには、ある 程度観劇の回数をこなすことが必要となってきます。

⑤の後年あれを見たんだよと、ちょっと自慢できるかどうかについては、その公演 が名前を継ぐ襲名であるとか、誰々の追善公演であるとかどのような公演であるかの文脈の把握が必要であるため、こちらもある程度の観劇歴が必要です。

「② 演目が面白い・好みに合っているかについて」については観劇歴を必要とせ ず、チラシと本によって調べることができるため、観劇前に観客側で調整がきくパ ラメーターとなっています。

そのため、観劇歴の浅いうちは「① お目当ての役者が出ているかどうか」と「②  演目が面白い・好みに合っているか」をポイントとしておさえておくと、満足度の高い歌舞伎観劇をすることができます。

この①と②を含めどうやって選んでいくかが次のポイントとなります。

2.2 フローチャートの使い方


 フローチャート_演目の選び方

上の図は、歌舞伎の演目の選び方について、概略をまとめたフローチャートです。

まず、お目当ての役者が出ているかどうかで絞ります。その上で、ストーリーがきちんとあるものが観たいか、踊りが好きかどうかで分類しています。

お目当ての役者がいない場合については、同様にストーリーものか踊りかで分岐 し、どちらにも当てはまらない場合は、歌舞伎をみようと思ったきっかけとして考 えられる、隈取りなど歌舞伎らしいものをみたいか、それとも人気があるものをみ たいかどうかで分岐します。

AからDまでは演目を選んだ上で、その内容によって実際に行く公演(部)を選ぶ方法 となり、Eは直接観劇する公演(部)を選ぶ方法となります。

さらにこれら全てに当てはまらない場合は、「F.教養として歌舞伎を観たい」とい う項目をご確認ください。

第3章のチラシの見方を読んだ後は、第4章A~Fの項目を順番通り読むもよし、自分が当てはまったA~Fの項目だけを読むもよし。順番通り全部の項目を読むと、演目 や公演の選び方に関する経験値が上がるというメリットが、また当てはまったA~F の項目を読む場合はすぐに自分に合った演目選びの方法を実践できるというメリッ トがあります。

ぜひこのフローチャートを使って自分に合った演目を選び、実際に歌舞伎座で観劇していただければ幸いです。


以上、お読みいただきありがとうございます。
続きが読みたい!と思われた方は、ぜひ5月19日(日)に開催の文学フリマ東京38@東京流通センター 第一展示場の【N-26】に遊びに来てくださいね!

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