続・本の散歩 54/69@福生 横田基地近く

画像1 『限りなく透明に近いブルー』村上龍。『13歳のハローワーク』の著者であり『カンブリア宮殿』で経営者の話を聞く司会者が本書の作者と同一人物とは今なお信じ難い。既成の小説を塗り変えた鮮烈なデビュー作にして代表作。主人公はリュウ。実体験を下敷きにしたかと思わせるほど(それこそ狙い!)リアルに描写されるドラッグとSEXの倒錯した世界。吐き出される言葉の鼓動がソウルフルなグルーヴを生む。多分人一倍ナイーブな村上はこのデビュー作でヤバい作家という鎧を武装した。小説の舞台でもある福生の横田基地近く、韮菜饅頭の旨い店で。

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