続・本の散歩 37/69@三鷹市 三鷹跨線橋

画像1 『友がみな我よりえらく見える日は』上原隆。仏の哲学者サルトルは、人生で辛かったことを聞かれ、顔と答えたという。劣等感に落ち込んだ時どのように自分を取り戻すかは人生の一大事である。アパートから墜落して盲目となった市役所職員、ホームレス同然の芥川賞作家、芽が出ぬ女優などメディアが光を当てない人々のルポルタージュ。挫折や逆境も人となり。ダメな時もありのままが愛おしい。タイトルの石川啄木の歌は「花を買ひ来て 妻としたしむ」と続く。撮影したのは太宰治が好んだ陸橋。この景色を眺めたメランコリックな作家に思いを馳せて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?