続・本の散歩 16/69@島根県 海士町

画像1 『日本ぶらりぶらり』山下 清。いつ頁を開いても何のストレスも感じずに読めるからつい持ち歩きたくなる。見たこと感じたことを素直に書いただけの自己表現や承認欲求とは無縁の素朴な文章。今こうした文章に出会うのは稀だ。今こうした人に出会うことはむつかしくなった。人によっては山下は愚鈍な者に映るかもしれない。しかし思いの赴くままに歩き、心に映ったものを絵に描き続けた山下清は人間の進化系ではないか。いつだったか生で絵を見て迫り来る力に圧倒された。何か根源を感じた。出張先の島で仕事を終え、小さな港の夕暮れで一息ついた。

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