本の散歩 56/69@三浦市 三崎

画像1 『どこから行っても遠い町』川上弘美。 川上にはドキッとする。こんな言葉の使い方があったかとハッとする。なぜか慌てさせられる気分になる時もある。言葉を発見するように紡ぐ人だ。文芸賞を取ったキレッキレの小説群にあって、本書は深い余韻を残す連作短篇集。静かな掌篇が連なって生と死のあわいをじんわり浮かび上がらせる。郷愁、官能、優しさ、怖さ。せかいを描くにはどれもがなくてはならない。おぼろでストレンジな場所に我々はいる。三崎の町には作為的でない昭和があちこちに残ってる。楽しいったらない様で小学女子が駆けていった。

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