本の散歩 52/69@川崎 生田緑地

画像1 『岡本太郎 神秘』撮影・文=岡本太郎、プリント=内藤正敏。 腹の底にズドンとくる。日本人に宿る何ものかをひっ掴まえんとする写真群。時に乱暴である。そのくせジェントルでもある。画家岡本太郎が日本全国を歩いて撮った写真のネガを、写真家内藤正敏がプリントした。陰影が濃く粒子の粗い野性的なプリントが目には見えない気配を感じさせる。が、その質感が過剰に思えるものもある。村人や子どもの写真には、岡本のもっとカラッとした気分を感じたりもした。生田緑地の岡本太郎美術館横のメタセコイア林には原始を彷彿する‘気’があった。

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