本の散歩 11/69@町田市 三ノ輪

画像1 『明恵 夢を生きる』河合隼雄。 ユング心理学の第一人者、河合隼雄。臨床心理士として多くの人間をみてきた経験と深い洞察力で書かれた本はどれも面白い。先生と呼びたい。中でも本書は先生が本気で挑んだ意欲作。取り上げたのは鎌倉時代の僧侶、明恵上人。この人、十九歳から六十歳で亡くなるまで夢を記し続けたという人類史上、類をみない稀有な人。その「夢記」を紐解きながら、明恵にとっての母なるものや女性観をスリリングに分析していく。まさか明恵も死後800年近く経って赤裸々にされるとは夢にも思わなかったろう。いや、本望か。

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