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着物はお金がかかるか否か・情報は大事

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本日のお題:着物はお金がかかるか否か・情報は大事

呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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えらいこっちゃですわ…。3年ほど前から神経に軟骨が当たって長く歩くと左足の感覚が鈍くなってくるようになってたんですが、ついに手術を勧められました。自転車に乗ってるとどこまでも行けるし全く生活に支障がないんですけど、医師には手術するなら早いほうがいいよ、と言われて迷ってますです。

手術すると2週間も入院しなくちゃならないようで、もう少し様子を見ようか、病院から発送の手配ができるか、いやいや、もう完全休業してしまおうか、などいろいろ考えてます。たぶんスタッフの大西さん(仮名)がある程度やってくれると思うんですけどね。

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■着物はお金がかかるか否か・情報は大事

今週のお題は「着物はお金がかかるか否か」です。当店は今でこそ「もっと気軽に着物の世界に足を踏み入れて欲しい」という思いからリサイクル着物を数多く取り扱っておりますが、10年ほど前には新品着物ばかりを扱って展示会主体で販売しておりまして、価格帯の異なる着物を両方販売してきた経験からお話しさせていただきます。

SNSなどで「着物が欲しいけど高いんだろうな…」という話に対して着物を日常的に着ているユーザーから「そんなことないよ、思ってるよりお金かからないよ」というコメントが多く見られます。これ、本当でしょうか。

私の考えを先に申しあげますと、「お金がかかるかもしれないし、かからないかもしれない。やり方次第でかからないようにもできるし、お金をかけようと思えば天井知らず」です。

思えば今から20‐30年ほど前、リサイクル着物なんてものがまだあまり世に出ていなかった頃はお金がかかりました。なんとなく着物が欲しくて呉服店に行くと、いきなり30万の反物を体に巻き巻きされて「わー、よくお似合いです」とセールス口調で言われたと思ったら次は20万の帯も出てきてお仕立て代にガード加工、全てコミコミで総額65万円なり。

「えー、店長、もう少しなんとかならないんですかぁ?」
「もう、仕方ないなぁ、じゃあ半額以下の30万でどうですか」
「わー、すごい、めちゃくちゃお得じゃないですか」

なんて寸劇小芝居を見せられ、30万円が払えないと渋ると15回まで金利手数料無料キャンペーンで毎月2万円ですよ、とくる。いつの間にやら周りに集まってきた店員がなぜか拍手をして断れない雰囲気になってなんだか腑に落ちないまま家に帰りつき、「ああ、呉服屋って恐ろしいところだ」と震えた、なんて話をよく聞きました。今このメルマガを読んでいる方々の呉服屋のイメージってこんな風ではないでしょうか。

こんなわざとらしい寸劇小芝居があったかどうかはさておき、昭和の呉服屋のイメージでは、足を踏み入れたら身ぐるみ剥がされる「IT長者か石油王以外は決して行ってはならない場所」のように思えてしまいますね。

時代は流れインターネットという便利なものが広まり、着物を着てみたい方が着物情報を簡単に手に入れられるようになりました。リサイクル着物を扱う店も増えてきて、なんなら “1万円で帯と着物と長じゅばんを揃えたい!” なんてことも叶うようになりました。一昔前までは何の情報もないまま呉服屋というある種異空間(笑)に突撃して、店の言うがままになって購入していたと言えます。例えるなら、ドラゴンクエストでこんぼうとぬののふくしか装備がないのに城塞都市メルキドの守護神ゴーレムに向かっていくようなもの(意味わかんない方はスルーしてください)。

ここまで昭和の呉服屋を悪者のように書いてきましたが、一昔前までは呉服屋といえば着物は別仕立てするものであり、いいものを着てなくちゃならない、というのが当たり前だったんです。インターネットもない、情報もない。着物を着るのであればシワ一つなく着こなして伝統を守って云々…という時代でした。

和洋折衷でセーターやベルトなどを着物に合わせる人もいませんでしたから、呉服屋で帯〆、帯揚げまでコーディネートしてもらったフルセットを30万、40万で販売するのが当たり前でした。店にお客様が来られたら、良い着物をセットで購入したいのだと信じて疑わずに一張羅を勧めていたのです。そしてお客様の方も、完全アウェイの店内で何人もの店員に囲まれるうえに情報も知識もありませんから、言われるがまま勧められるがまま購入してしまう…といえば呉服屋が悪者のように聞こえてしまいますが、今から30年ほど前は着物は伝統だの何だの云々…という時代でしたから、むしろ安いものから勧めたら「お金がないと思われた!舐めてるのか?」とばかりにお客様からお叱りを受けたこともあったのです。

注意していただきたいのは、呉服屋側も決して「知識のない人からぼったくってやろう」と考えているのではなく「着物というのはそういうものだ」という旧態依然の考え方から脱却できず、そのままお客様にもお勧めしており、お客様側も和洋折衷なコーディネートやもっと気軽な楽しみ方があるという情報を持っていなかったといえます。

ちょっと話は外れますが情報は大事という例を一つ。

私は今までイオンモバイルで3GBのドコモ回線を使っておりました。無料通話等はついておりませんでしたので毎月3500円程度支払っておりました。楽天モバイルが新しく携帯事業に参入したので乗り換えを検討したのですが、正直楽天モバイルはまだ不安なので完全に移行するのは躊躇しました。しかし私の持っているスマホがデュアルSIMに対応しておりましてSIMを2つ入れることができるのです。何のこっちゃと思われる方は1つのスマホで同時に2社と契約できると思ってください。

楽天モバイルは1GBまでは完全無料なのでモバイル通信はイオンモバイルで、通話のみの発信専用で楽天モバイルを使用すると無料通話携帯が出来上がります。LINE電話もあるので友人同士はLINEの無料通話で十分なんですが取引先の会社など電話しかないところも多いのでやはり電話も必要なのです。結果、最近はもうスマホ代で1000円ほどしか払わなくなってしまいました。

全く情報がないといつまでも大手キャリアと契約して毎月数千円払い続けなくちゃなりませんが、情報を得ていれば選択肢が増えて自分により合う使い方を選択することができます。

着物も同じだと思います。

新品で自分の体にぴったり合ったものでないと嫌だ、というのであればフルオーダーしなくてはいけないでしょう。しかし自分の寸法をある程度把握したうえで、寸法が多少違っていてもどうとでもなると知っている方なら、既製品を購入すれば十分快適に着られるでしょう。絹よりも管理しやすいポリエステルの既製品もありますし、肌が弱くてポリエステルが苦手であれば木綿の着物もあります。先ほど書いたようにリサイクル着物の店でなら1万円程度で帯と着物を揃えることだってできます。そういうのを知っていると、旧態依然の呉服店に入ってしまっても「呉服屋ってこういうところなんだ」と思うのではなく「この店は私の思っているものを置いていない店」と判断して買わずに店を出ることができます。

話を最初に戻して「着物はお金がかかるか否か」というのは結局、持っている情報の量によるのだと思うんですよね。「着物はそれほどお金かからないよ」と答える着物ユーザーは、今まで着物に親しんで様々な情報を集めた結果、こういう方法もある、ああいう方法もあるという多くの選択肢の中から自分に一番合ったものを選ぶことができる方だと思うんです。帯じゃなくてユニクロのベルトでもいい、帯留めに箸置きを使ってもいい、そんな風に安価に、自由に着物を楽しむことができます。

確かに着物はお金がかかる場合もあります。しかしやりようによってはかからないようにすることは可能です。かからないようにするにはまずは情報を集めてみましょう。当店のこのメルマガも情報の一つですし、SNSの着物ファンをフォローして眺めているだけでも新たな発見はあるでしょう。

親切な呉服店ならお客様の要望をきちんと聞き、どんなものが欲しいのか、想定している価格帯はどのあたりなのかをしっかり確認して提案してくれると思います。一方で来店されたお客様にとにかく売ってしまわなくてはという本社から課せられたノルマに追いまくられた店もゴニョゴニョ…。店で勧められた着物が自分に合っているのか、販売方法に違和感がないのかを判断するためにも、情報をしっかりとつかんで自分に合った価格帯のお気に入りの着物を探してくださいね。当店でよければそのお手伝いはさせていただきます。

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発行:新品とリサイクル着物 呉服のきくや
住所:大阪市大正区泉尾3-15-4
電話:06-6551-8022
https://www.kikuya.shop/

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