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帯と長襦袢の衣替え

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本日のお題:帯と長襦袢の衣替え
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まだ4月というのにすごく暑くないですか?このメルマガでもよく衣替えルールにあまりこだわらずに気候に合った装いをしましょう、と書いておりますがこの暑くて湿気の多い時に袷なんか着たら倒れちゃいます。帯の下の部分も蒸れて着物が痛みますし、気候に合わせて着物を楽しみましょうね。

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■帯と長襦袢の衣替え

本日のお題は「帯と長襦袢の衣替え」です。今回は長着(いわゆる着物)について書いていないのがミソなんです。このメルマガをお読みの方でしたらほぼ全員、長着についてはご存じだと思いますのであえて外しています。

え?知らないって?じゃあサラッと書いておきますと

1月-5月 袷仕立て(裏地のついた着物)
6月 単衣仕立て(裏地のついていない着物)
7月-8月 夏物(絽、紗など透けた生地の着物)
9月 単衣仕立て(裏地のついていない着物)
10月-12月 袷仕立て(裏地のついた着物)

この長着の衣替えルールについては、異論のある方はほとんどいらっしゃらないと思います。ただ、近年よく言われている通り、このルール通りに衣替えしようとすると、特に単衣の時期などは暑すぎて着物なんて着ていられないでしょう。旧暦が使われなくなったことや気候変動、生活スタイルの変化など様々な理由で長着の衣替えルールは現代にそぐわなくなっているようですが、そのあたりは今回のお題とは外れてしまうのでまた次の機会に。

というわけで今回のメルマガは、帯と長襦袢に絞ってお話ししたいと思います。実はこのお題、ずっと避け続けてきたんですよ。なぜかと申しますと、私も分からないから(おい)。いや本当に、帯や長襦袢のルールについては長着と違っていろんな人がいろんなことを言うので、インターネットや教則本でも情報が錯綜していると感じます。

あくまでも私がこの業界に入った時に「まことしやかに」教えられた帯の衣替えルールですが

1月-5月 普通の袋帯、八寸、九寸名古屋帯
6月-8月 夏物の帯
9月-12月 普通の袋帯、八寸、九寸名古屋帯

基本的にはこんな分類なのですが、八寸名古屋帯については6月の夏の八寸帯はお太鼓部分の耳を縫わずに開けたまま「夏かがり」で仕立て、9月は耳の部分を縫う普通の仕立てにするのだとも教えられました。

さて、ここまで読んで「え?私の知っているのと違う」と言う方はめちゃくちゃたくさんいらっしゃると思います。そう、こんなメルマガを書いて偉そうに着物の講釈を垂れている私自身も、この帯の衣替えルールが合っているのか間違っているのか分かりません…というか、おそらく帯の衣替えは長着ほど厳密に決まっていないのではないか、と思っています。

1月から5月、10月から12月辺りの長着の袷の季節は全く異論はないでしょう。7月、8月も夏帯で決まりですね。6月と9月が少し曲者でして、私は帯と長襦袢は1ヶ月先取りと教えられてきました。つまり6月は夏物の帯、9月は袷用の帯と教えられたのですが、正直なところネットやいろんな教則本を見ていると果たしてそれがあっているのかわかりません。いや、私の周りでは合っているんでしょうけれど、別の地方や別のコミュニティ、点在する着付教室などでは少しずつルールが違っているのではと推測します。

余談ではありますが、きもの文化検定の目的はもちろん着物の普及だったのですが、もう一つの目的はこの衣替えをはじめとしていろんな意見が錯綜しており非常にわかりにくくハードルが高くなっている着物のルールを全国で統一化しようというものもありました。

長襦袢はどうでしょうか。

これもいろんな説がありまして、

1月-5月 袷長襦袢
6月-8月 夏物長襦袢
9月-12月 袷長襦袢

こんな風に教えられました。あれ?単衣の長襦袢は…?と思うんですがどこ行っちゃったんでしょう(汗)。

長襦袢の衣替えは、私の感覚だと帯よりさらにいい加減(?)です。最近は胴抜袖無双仕立(胴の部分は単衣、袖の部分だけ袷仕立て)で仕立てることが多くなり、胴も袖も袷の長襦袢はあまり見かけなくなった気がします。一月の一番寒いときに着る振袖用の長襦袢でさえ胴抜袖無双で仕立てることが多く、もうこれが単衣仕立ての役目も兼ねているのではないかと思います。

長着については最近ようやく、「もう4月から単衣でもいいじゃない」という風潮もございますが、長襦袢は直接目に触れる部分ではないためか、気温が高い日、暖房が効いた場所で過ごすなら冬でも袷ではなく胴抜袖無双仕立ての長襦袢を着るのが一般的だという風に、ルールに縛られることなく柔軟に変わってきたのではと思います。

これは長着の衣替えでも常々言っていることですが、古くからある衣替えのルールは現代の気候に合っていないように感じますし、そもそも縦に長い日本で北海道と沖縄のルールが同じというのも土台無理な話です。ちなみに今検索してみましたところ、北海道の4月の気温は8度前後、沖縄の4月の気温は24度でした。16度も差があるのに同じ衣替えのルールを適用すること自体、ナンセンスなことだと思います。

さらに言いますと、6月の半襟は絽の半衿、夏物の帯締め帯揚げ(帯締めは夏物を使わなくてもいいんですよ、というような指摘はいりませんよ笑)、9月は絽縮緬の半襟、袷用の帯締め帯揚げなんてことも言われますがもうこんなの面倒臭いので覚えなくていいです。だってほんとにみなさんいうことバラバラなんですから。あくまでも大阪の場末の呉服店のおっちゃんはその昔こう教えられた、という以上でも以下でもない一つの説と考えてください。

そんなわけで、今回のメルマガは帯や長襦袢の衣替えはこうです!なんて主張するつもりはありません。いろんな説がありますので、気温に合わせて適切な装いをいたしましょう、もう適当でいいやん…という結論なんですがそれでよろしいでしょうか(少し弱気)。あまり難しく考えず、快適で楽しい着物ライフをお過ごしくださいね。
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