タイ国での法人税の還付請求
タイ国内に於いて法人税の還付は非常に難しいとされています。
そんな還付請求ですが、弊社では法人税還付は普通に行えており、
そのノウハウを活かした情報を、ほぼ個人事業主の中小企業の皆様へ
できるだけ分かりやすく説明したいと思います。
税金還付にはその年に行えなくても翌5年間は繰越が可能です。
これは非常に重要なので覚えておいて下さい。
大きく大別すると下記の5項目が重要
1.暗黙のルールを把握する
2.還付請求を行える企業とそうでない企業
3.還付請求は30万バーツ以上
4.還付請求を行える税理士事務所
5.還付請求は計画的(ストーリーの説明ができる)に行う
暗黙のルールを把握する
税務署の暗黙のルールとして、『在庫』を扱う企業は調査の対象になる。
理由は、ストックカードを正しく書けていない企業や、移動平均法を利用して原価計算をしている場合などが追徴課税が課されている企業です。
タイ国税法では原価計算を実績の積上方式で計算しているからです。
その他調査対象の傾向として、高額資産(1Mバーツ以上の)の減価償却
を複数行っている企業は対象になりやすい。(傾向がある)
還付対象額が30万バーツ以下は、還付額以上に税務コストが高くなる。
これらを踏まえて、自身の会社がどの状況にあるかを把握してください。
CDPやCPAと言われるが社内にいる場合、毎月のVATや源泉税の計算方法
をしっかりと確認してみてください。
当月のみで計算している方が非常に多いと思いますが、これは間違いです。
還付請求を行える企業とそうでない企業
自身の会社が2重帳簿などをしていない企業であることを確認してください。これは粉飾決算など脱法性の高い行為です。違法行為と認められれば刑事裁判になるので注意して下さい。
ここで説明しているのは脱法性がないのでご安心下さい。
通常の会計処理(会計の原則を守った記帳)を行っている企業は基本家族経営であろうが、個人事業主であろうが還付請求は正当にできます。
還付請求は30万バーツ以上
各国、税務調査が入った時点で何かしらの追徴課税は免れないと思って下さい。税務署も人を動かすのにお金が掛かるので、30万バーツ程度の還付請求を行う場合はそれら全てを持って行かれる可能性があります。
冒頭にも述べたように、3年間は繰越が行えますので、銀行に貯金をした気持ちで計画をしましょう。
(弊社の場合は60万バーツになった年を還付請求のタイミングとしてます)
実績として請求額の全額が還付されました。(なので記事にしました笑)
還付請求を行える税理士事務所
さて、肝心の部分ですが、還付請求を行える税理士事務所とはどこか?
弊社ではローカルの税理士事務所と法律事務所が一緒になっている税理士事務所に還付請求のみの仕事を依頼をしています。税務署とのやりとりは不正が横行してますのでこの辺を理解している法律事務所を一緒に持つ会計事務所が必要です。
探すのは難しくはありませんが、コミュニケーションはタイ語ですので、しっかりと会計記録を説明できる必要があります。
ただ、やはりローカルは還付請求を成功させて来ますので強いです。
日系の会計事務所ではこの辺を嫌い、やりたがりません。そして高額です。
還付請求は計画的(ストーリーの説明ができる)に行う
通常の企業はタイの会計システムを利用しているところが多いと思います。
しかし、会計資料は数字だけではなく「証拠」が必要ですし説明できないと
いけません。
どういうことかと言うと、会議費として利用した金銭は結果ですが、なぜ会議費で計上したのか?目的のために必要だった会議費なのか?
を説明させられます。目的(経済活動)が伴わない会議費はあり得ません。
「売上を上げるために会議を行った結果、広告を打つことになった」のであれば、会議費として飲食代を計上した上で、広告費を支払ったという因果関係が分かります。これらストーリーを記録していることが重要ですので、タイの会計システムでは無理があります。
会計記録を残せるための会計システムも導入することを検討して下さい。
弊社、本業は会計システムの導入を行う会社ですが、こういうサービスも実は行っています。割と柔軟に対応しているので、ご興味のある方はお声がけ下さい。
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