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母親が抗てんかん薬を使用すると、子供の自閉症リスクを高める?

 通常、科学的研究は減量に対する緑茶の有効性を調べる場合でも、妊娠中に服用した薬が子供の自閉症になる可能性についての潜在的なリスクを調べる場合でも、真実を明らかにすることを目的とした公平な試験であると認識されています。

 しかし、現実的には科学的データ操作の事例が明るみに出ることが増えています。 数値は改ざんされ、参加者の詳細には矛盾が見られ、時には研究が特定の方向に結果を誘導しているように見えることもあります。実際、このような懸念は、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院の研究者が最近行った、トピラマートという薬と自閉症の関連における調査において生じているのです。

●出生前のトピラマート曝露と自閉症リスクに関する調査
 この研究では、妊娠中にてんかんを発症し、抗てんかん薬トピラマートを服用した妊婦の健康記録を分析しました。そして、妊娠中の服薬がその女性から生まれた子供の自閉症リスクの上昇につながるかどうかを調べるために、子供を評価することによって結果を測定しました。

 研究では次の4つのグループに分けられました:

- トピラマートを服用した妊婦

- ラモトリギンを服用した妊婦

- バルプロ酸ナトリウムを服用した妊婦

- 抗てんかん薬を服用していない妊婦

  その結果、子宮内でトピラマートに曝露された子供は、8歳までに自閉症になる確率が6.2%でした。これは妊娠中に抗てんかん薬を服用しなかった女性グループよりも2%高かったと報告されています。

トピラマートの何が問題なのか?
 
トピラマート(商品名Topomax)は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社であるヤンセン・ファーマシューティカルズが販売している抗てんかん薬ですが 体重管理、双極性障害、片頭痛にも処方されます。

 この薬は非常にポピュラーな薬で、広く処方されており一般的に安全だと考えられてきました。しかし、今回の研究は、その結論に疑問を呈する内容と言えます。

●研究者はデータを操作した?
 
この分析において、研究者たちは「交絡変数」に対応するために統計モデルを「調整」することによってデータを操作したのです。これらの変数は、研究結果に影響を及ぼす可能性のある追加的な要因となります。

 研究者らは、乳児の自閉症診断の発生と妊娠中の母親の発作治療薬の使用の両方に関連すると考えられる交絡変数を特定した可能性があります。このような調整を行うと、出生前のトピラマート使用に関連するリスクと子供の自閉症の可能性の高さは、徐々に減少し、事実上無効となります。

何かおかしい
 
Children's Health Defenseの最高科学責任者であるブライアン・フッカー(Brian Hooker Ph.D)博士は、この研究結果に疑問を呈しています。同氏は、トピラマートの結果に影響を与え、トピラマートの危険性を低く見せるために、研究者によってデータが操作されたのではないかという懸念を抱いています。 研究者たちは、自分たちの研究で以前に確認された関連性を事実上排除し、薬を実際よりも安全に見せるために、その関連性を低減させた可能性があります。

 フッカー氏は、自閉症とトピラマートとの関係の可能性を明確に評価するために、症例対照研究を行うことができたはずだと述べています。しかし、 研究者たちはそれをせず、データを改ざんし、研究結果を無効にした可能性があるのです。

 研究者は初心に戻り、意図や偏見から解放された正当な研究を行う必要があります。 それまでは、製薬業界の利益しか考えていないような科学が出す結果を、本当に信用することはできないでしょう。

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