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神の国、メシア的王国、千年王国、御国

 神の国、メシア的王国、千年王国、御国などの用語は、すべて再臨のメシアによって建てられる地上における文字通りの王国を指します。本来的には御国はユダヤ的希望です。御国とは教会時代のことだと主張する人がいますが、そうではありません。また、千年という言葉が黙示録20章にしか出てこないので、この千年は、象徴的、比喩的に解釈すべきだと考える人もいますが、これも違います。御国を論じる際に重要なことは、聖書の比喩的解釈ではなく、字義通りの解釈を施すことです。
 
●字義通りの解釈の重要性
 旧約聖書には、御国の預言が随所に出てきます。実際のところ、旧約預言のピークは御国です。新約聖書においても、御国の成就を示唆する文脈や表現がたくさん出てきます。これらの箇所は、字義通りに解釈するかどうかで、その意味が違ってきます。
 
 黙示録の中では、「年(years)」という言葉が象徴的に用いられる例はありません。1,260日(11:3、12:6)、42ヶ月(11:2、13:5)、半週(ダニ9:27)などは、すべて字義通りの意味に用いられています。黙示録20章では、「千年」という言葉が6回出てきます。旧約聖書の預言では、御国がどれくらいの期間続くのかは明確ではありませんでした。それが千年間続くことを明らかにしたのが、黙示録20章です。
 
 字義通りの千年王国を信じる根拠は、黙示録20章以外にもあります。神がイスラエルと結んだ契約の中には、未だに成就していない約束があります。それらの約束は、御国において成就します。アブラハム契約と土地の契約は、イスラエルの民に「約束の地」が与えられることを保証しています。ダビデ契約(2サム11b~16、1歴17:10b~14)は、永遠の王朝(家)、永遠の王座、永遠の王国、永遠の王を約束しています。ダビデの子であるイエスは、まだダビデの王座に就いてイスラエルを統治したことがありません。このことは、御国において成就します。新しい契約(エレ31:31~34)は、イスラエルの民族的新生と救いを約束しています。これが成就するのは患難期の最後です。患難期に続いて御国が実現するので、新しい契約もまた、御国の到来を指し示していると言えます。
 
 預言者たちが語った預言の中には、成就していない預言があります。ダビデの王座に就くメシアが到来するという預言が多数あります。メシア的王国に関する預言も、多数あります。まだ成就していない契約や約束は、御国において成就します。

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