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ザクロが認知症予防のカギを握る?

●ザクロのようなシンプルで自然なものが、認知症予防に効果があるのでしょうか?
  長い間、栄養価の高さと抗酸化作用で珍重されてきたこの小さな赤い果実に含まれる成分が、認知症のリスクを軽減する可能性があることが科学的に示されました。
  ザクロには、食物繊維、ビタミン、ミネラル、有用植物化合物が豊富に含まれています。さらに、ザクロには強力な抗酸化物質、特に果汁と皮に含まれるプニカラギンという物質が含まれていることも知られています。現在、研究者たちは、これらの天然に存在する抗酸化物質が、認知症や関連疾患につながる炎症を抑制すると考えているのです。

●ザクロが認知症やパーキンソン病の予防に使われる可能性 
 慢性炎症は、アルツハイマー病だけでなく、がん、2型糖尿病、心臓病、肥満など、多くの致命的な病気の主な原因であることがわかっています。しかし、ザクロに含まれるプニカラギンには現在、強力な抗炎症作用があることが知られています。
 実験では、ザクロのこの成分が消化管全体の炎症を抑え、乳がんや大腸がん細胞の炎症を抑えることが示されています。

 イギリスのハダースフィールド大学とドイツのフライブルク大学の研究者たちは、ザクロに含まれるプニカラギンが有害な神経炎症を抑制することを発見しました。この研究結果は『Molecular Nutrition & Food Research』誌に掲載されています。
 
 アルツハイマー病に関連する中枢神経系の免疫細胞である脳のミクログリアは、一般的にこの種の炎症を引き起こします。ミクログリアとアルツハイマー病との関連性が発見されれば、他の病気の原因となる炎症の治療にもつながり、パーキンソン病などのリスクも減らすことができるでしょう。
  数回におよぶ実験の結果、プニカラギンは炎症誘発剤にさらされた動物の炎症性化合物の産生に有意な影響を与えることがわかりました。研究者たちは、プニカラギンが炎症に関与するタンパク質を複数の方法で阻害することを発見しています。

●炎症関連疾患の栄養学的予防
 この結果によって、研究者たちは、プニカラギンが神経変性疾患を予防し、神経炎症を抑制すると考えており、プニカラギン誘導体を開発し、神経炎症を防ぐ経口化合物として使用することを計画しています。

 ザクロの定期的な摂取には多くの健康効果があることは以前から知られています。 今、認知症に関連する神経炎症の予防が、新たな利点として加えられました。
 
●認知症は社会に壊滅的な打撃を与え、犠牲を強いている
  アルツハイマー病を患うアメリカ人の数が500万人を突破したことは、包括的な研究、効果的な治療法、そして社会的認知の向上が急務であることを改めて認識させるものです。

 悲劇的なことに、2060年までにこの壊滅的な神経変性疾患が1400万人を苦しめるという予測が出ています。

 この統計の裏には、アルツハイマー病が患者と介護者の双方に精神的、経済的、肉体的な打撃を与え続け、その深刻な影響と闘っている数え切れないほどの家族や個人の姿があります。この継続的な危機に直面し、アルツハイマー病に対する理解を深め、早期発見を促進し、革新的な治療法を開発するための協調的な努力は極めて重要です。
 

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