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掌編小説

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#猫がいる生活

(掌編小説)彼女vs猫

(掌編小説)彼女vs猫

夏の暑い朝。彼女に頭を叩かれて目が覚めた。
「何すんの?」
僕はカーテン越しの朝の光をバックに、逆光で黒い影にしか見えない彼女に訴えた。彼女の名前はユミ。僕はいつも名前の頭に「魔」をつけて、心の中で「魔ユミ」と呼んでいた。魔ユミの髪は背中まで長く、明るめのブラウン。僕も彼女も大学三年生の21歳だ。彼女が住みつくようになって1か月、今は夏休みの真っ最中。色々問題もあるが、一番の問題は僕の飼い猫との仲

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