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売れるPOPの書き方・作り方 4:「コミュニケーションPOP」「持ち帰りPOP」「擬人化POP」で売る!

本当に便利な質問集だから多く人に使って欲しい
商品の生い立ちが見つかる15の質問集

2010.2販売促進の教科書「売れるPOPの書き方・作り方」-02

前回の「1」の記事で紹介した、商品の生い立ちが見つかる15の質問集を使って作ったPOP実例を紹介していきます。作成時のポイントを完全解剖します。


眼鏡レンズを「コミュニケーションPOP」で売る!

 眼鏡のPOPといえばフレームを主にしたものが多い。なぜならばレンズ
は説明しにくいものだからです。目の前にレンズという現物があってさえ、どんな商品かよく分からないという特性があるからです。だからフレームは値段競争になりやすいのです。荒利益率を高めるためにレンズを売ろうと始めたPOPを紹介します。
 多くのお客様へ質問調査して、答えが集中したことをPOPに書きました。POPのどこにも値段が出ていないのに、定価で売れていく現象が起きました。

2010.2販売促進の教科書「売れるPOPの書き方・作り方」-06

使った質問とその答え

◆メーカーへの質問5番:ライバル商品と比べて、どうすごいのですか。
答え:ハチの巣構造の特殊コーティングで、同じ度数でも輪郭がハッキリ見える。偏光レンズ効果もあるので色をつけなくても少々のまぶしさは防ぐ。

◆お客への質問1番:なぜこの商品を買われたのですか。
答え:メガネをかけなくても見えないことはないけどスッキリ見えない。外へ出るとまぶしくて困る。スタッフさんが一生懸命目を調べてくれて選んでくれたレンズだから。

◆お客への質問2番:なぜ「今」買われたのですか。去年でも来年でもなく。
答え:運転免許の更新があるから。

◆お客への質問4番:実際に使ってみて何を感じましたか。
答え:6と8の違いがハッキリ見える

質問と答えを元に、POPに書く内容を次のように決めた

1、6と8の違いがハッキリ見えるレンズ
2、このレンズを買うと効果が高い人に向けて書く。運転免許の更新ができるか心配な人。同じ度数でもう少しハッキリ見たい人。一日2時間以上目を
酷使する人。外へ出るとまぶしい人。
3、見え方の違いが分かりやすいように写真を使う。
4、「一生懸命聞きます」というスタンスの検眼をアピール。

POPの材料や見せ方

 白いコピー用紙に黒マジック。バックに理性とさわやかさを表す水色を使う。パソコンで打ち出したカラー写真を張る。情報量が多くなるところはパソコン打ちした物を張る。それをPOPスタンドパネルに張りました。
 メガネレンズなど商品の違いが比べにくい商品には、POPを最初のコミ
ュニケーションツールにするといいですよ。POPを読みながら説明することで、お客様に直接ではなく間接的にセールスすることになり、お客様は売り込まれた感が減ります。その結果、目の検査希望が増えて高機能高価格のレンズが売れていくようになりました。
 なお、このPOPは荒利益率をアップするのに非常に効果的だったので、誕生日ハガキでも活用してみました。それでは「全品2割引き」という特典を付けていたが、反応がよくなかったのでそれを廃止し、その代わりに値段も書かないこのPOPを掲載しました。今まで無反応だった人がはがきを握り締めて何人も来店することになりました。割引がなくても、欲しいと思った商品は購入してもらえるのだと、現場スタッフは驚いています。

高額枕を「持ち帰りPOP」で売る

 1万4000円の枕を値引きなしで売りたい。しかしながら、衝動買いしてもらうには少々お高い…。ではどうするかと考えて、商品説明の用紙を持ち帰ってもらおうと考えた実例です。「欲しい」という動機は、脳内に占める情報量の多さによって芽生えます。

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使った質問とその答え

◆メーカーへの質問1番:そもそも、どうしてこの商品を作ろうと思われたのですか。
答え:首の手術をした患者さんが術後に使うのに適した枕がなかったため。

◆メーカーへの質問5番:ライバル商品と比べて、どうすごいのですか。
答え:頭を支えるのではなぐ首を支える。寝返りを打つ時にも首を支える構造になっている。四季がある日本の気候に対応できる。流行の低反発はホテルなどの空調が整った環境じゃないと使いにくいが、この枕は湿度や温度が変わっても一定の力で首を支える

◆メーカーへの質問9番:認定や特許や表彰されたことはありますか。
答え:スウェーデン社会丁に医療用具として登録。デザイン登録。ほこり型崩れに対して2年間のメーカー保証あり。

◆販売現場への質問1番:なぜこの商品を扱い始めたのですか。
答え:店長が朝起きても肩が凝っていて枕を買い替える「枕ジプシー」になっていたが、使ってみたら朝までぐっすりと寝ることができた。夜になるのが楽しみなくらい気に入ったから。

◆お客への質問4番:実際に使ってみて何を感じましたか。
答え:まるでアニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングでハイジが飛び乗る雲に寝ているみたいだ。僕はハイジの枕と呼んでいます。


これらを元にPOPに書く内容を決定。具体的には次の4点だ。

1、ふんわり雲の寝心地。ハイジのまくら。夜になるのが楽しみ。
2、ついに巡り合いました。首を支える枕です。
3、枕ジプシーの店長、やっと朝までぐっすり寝られました。
4、日本の気候と合っている。ほこりと形崩れに対して2年間のメーカー保
証付き。枕開発の話。

POPの材料や見せ方

 白い紙に筆と黒色水性ボールペンで書いただけです。「触ってみて」とアピールを強調しました。店内POPは枕の所に。その横に「さわってみて気に入ったら詳しい説明書を持って帰ってね」と「持ち帰りPOP」でアピールしました。
 持ち帰りPOPには、自宅に持ち帰って家族みんなで読んでもらおうと商品開発などの物語も載せました。結果、思わぬ効果として家族分を購入していただけるケースも増えました。店頭での接客時間は「その枕いいですよ~」と遠くから声を掛けるだけで済み、説得することなく売れるようになりました。

見たこともない財布を「擬人化POP」で売る!

 委託商品の財布を大量に在庫として持つことができました。しかし、事前に見ることもメーカーに質問することもできなません。そこで、どんな商品にも使えて独自性のあるPOPを考えました。

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POPの材料や見せ方

 お金をイメージさせる絵を後に入れて白い紙に黒一色で書いています。白色に黒は店内POPの基本です。どんな年齢の人でも認知しやすぐく読みやすい上に、大切なことが書いてあるとイメージしてもらいやすいからです。白い紙でのPOPは日焼けすると効果が落ちますから、常に書き直すことが大切です。
 質問集を使えない状態でPOPを考えるときは、売りたい商品すべてに共通することを考えるとよい。財布であれば「財布にはお金を入れる」ことが共通することです。お金を入れる物を、お金を出して買ってもらうためにはどうするかと考えました。そう考えてお金にお金の人生を語ってもらうことにしました。
 つまり、「擬人化POP」です。
 具体的には、お金が人間のように自分の人生を語ります。財布を売るには、財布に語らせるのがコツです。このPOPはお客の喜怒哀楽に触れるため比較的高額な財布が売れました。人は感情を動かされると購入率があがり高額標品の人気があがります。これは人気のあるPOPで、現在は財布お買い上げのお客への五円玉とともに、POPのコピーをプレゼントして喜ばれている。


 以上、4回にわたり具体的なPOPの実例を元に、売れるPOPづくりのポイントを解説してきました。大切なことは「15の質問集」に沿ってPOPづくりを進めることです。ぜひ、あなたの店でも実践し独自のPOPを作り上げてくださいね。


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