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【ゲームレビュー/Virgo Versus The Zodiac】黄金時代の復活を目指すQTEベースRPG

レビューを簡潔にまとめ!
 本作は黄金時代の復活を目指すヴァーゴの物語。攻撃はゲージの合わせ具合によってダメージが変動するシステムで集中力が大切。そしてとにかくテキストが豊富でブラックジョークも満載、キャラ同士の掛け合いも魅力的です。物語も選択肢によって大きく変わります。あなたのヴァーゴはどんな結末を迎えるのでしょう?

基本情報
シングルプレイ
言語:公式日本語対応
配信プラットフォーム:PC
価格:2,000円(2021/12/24時点、steam価格)

どんなゲーム?

Virgo Versus The Zodiacは12個のゾディアックの冠を集めて、崩壊してしまった黄金時代の復活を目指すRPGです。かつて「絶対者たち」と呼ばれる厳格なシステムが宇宙を支配していた時代を黄金時代と呼ばれていました。

しかし、黄金時代の崩壊によってゾディアックたちがそれぞれの星界を好き放題支配できるようになり、その結果、混沌とした時代が訪れました。

そこで星々の民を混沌から解放すべく黄金時代の復活を目指したのがマーキュリー家の「ヴァーゴ」です。彼女は自身を除く11人のゾディアックの冠を集める計画を実行するためにクッキーでできたパートナー「ジンジャー」を引き連れて様々な星を渡り歩いていきます。

しかし、かつての黄金時代の崩壊は11人のゾディアックにとっては自由を手に入れたことを意味します。したがって黄金時代の復活はゾディアックたちにとっては嫌悪の対象でしかなく、皆が易々と冠を渡すわけがありません。これはヴァーゴの正義を問うストーリーでもあるのです。

エンディングはマルチエンディングで分岐によってかなり内容が変わってくるようです。私の場合はトレイラーに映ってたキャラとのバトルがありませんでした、2人も。「生かすか、息の根を止めるか」といった重要な選択肢やクエストの進捗状況で結末が変わるのかもしれません。

どんな人におすすめ?

インディーズゲームでは比較的数が少ない、そして完成度が高いRPGなのでRPG好きにはぜひおススメです。その一方で、QTEはどちらかといえばアクション要素なので実はアクションが得意な人のほうが攻略が速いかもしれませんね。

「野心」「器用」「忍耐」という独特なネーミングの属性が、しっかりと三すくみになっているので弱点を責める戦略も必要です。そしてもちろん様々なステータス異常を利用することで有利にバトルを進められるので、その点はRPGらしさをしっかりと抑えたバトルシステムになっています。

バトルシステムはペーパーマリオのようなQTEベースで、あらゆる行動にQTEが発生します。QTEの結果次第でダメージが大きく変わるので戦闘に集中してないと簡単にやられてしまうかもしれません。勝利のコツは、レベルよりもQTEです。実際にプレイした感覚では早めに押したほうがパーフェクトになりやすいですね。

プレイ時間は19時間でした。インディーズゲームのRPGとしてはややボリューミーかもしれませんが、ストーリーもキャラクターも凝った設定が多いので飽きることはありません。

本作はテキストが豊富で会話の掛け合いも楽しめます。そしてなぜか箱に対する造詣が深いです。見た目が同じオブジェクトでも同じテキストはほとんどありません。攻略には関係ありませんが調べられそうなところは調べていきましょう。

進め方のヒント!

レベルについて

攻略レベルに関しては同じところウロウロするようなレベル上げ作業は必要ありません。ひとつの星をクリアしたあとに立ち寄る中立地帯「アカーシャ」で雪だるまに話しかけるとブラックホールという名の訓練所があります。そこの敵をひと通り倒してついでに特別報酬をもらえばレベルは十分上がるでしょう。

装備について

装備に関しては必ず長所と短所があるので最強装備というものはありません。各属性をまんべんなく装備することでバランスの取れたステータスになるのでおすすめです。例外的にヴァーゴが装備できるシールド「オクターブディピュロン」だけはすべての属性防御が上昇するうえ得られる純潔が大きいのでシールドでは最強かもしれません。

装備強化について

装備の種類が豊富なのでどれを強化すればいいか悩むと思いますが、基本的に装備中のものを強化すればいいと思います。むやみに装備品を買わなければお金は結構余るので強化素材はそんなに枯渇しません。

仲間が増えたときのQTEについて

QTEのボタンはキャラクターごとに割り当てられているため戦闘中に隊列が変わると非常にややこしくなります。そこでおすすめなのがワンボタンモードです。ワンボタンモードにすると誰が行動しても、誰がターゲットになってもZキーだけで対応できます。設定の「操作」から変更が可能です。

スケート場の突破ルート

需要があれば掲載します。

ゲームを終えて、考えたこと

最初は1つの星(エリア)を歩き回って冠を手に入れるのに4時間かかったので、もしかして11個手に入れるには11個の星を渡り歩いて11人のボスを倒すんじゃないかと構えてしまいましたが、後半は予想外の展開で思ったより進行が速かったです。

というのも実は、冠はバトル以外でも手に入るし11個の星々も渡らずに済みます。目的はあくまでもゾディアックの冠なので手に入りさえすれば必ずしも戦わなければならないということはありません。

交渉によって手に入ることもあるし、そもそも冠に興味がないゾディアックはあっさりと渡したりもします。本作は各キャラクターの考え方や過去の関係性をしっかりと説明しているのでそういったシーンにも納得性が担保されいるところに作り込みを感じますね。

あと、個人的に一番好きなシーンはアルゴルの復讐劇ですね。詳しくはプレイしてもらうとして、血沸き肉躍るセリフには本当に復讐の時を待っていたのが伝わってきました。

あとギョッとするようなオヤジギャグが多かったです。でもそれもテーマのひとつなのかもしれません。


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