田水うらら/詩と朗読 poetry night 第48夜
早朝散歩の途中
どこからか
密やかなおしゃべりが
聞こえたような気がして
立ち止まって耳を澄ませた
🌿「詩と朗読 poetry night」
第48夜は「田水うらら」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
「田水うらら」
クスクス うふふふ
早朝散歩の途中
どこからか
密やかなおしゃべりが
聞こえたような気がして
立ち止まって耳を澄ませた
チルチル リルリリル
用水路を流れる水の波が
ぶつかり合いながら
お互いに
笑っているのだった
田んぼに水が入った
ここはもう代かき
あちらは早くも田植えがすんで
か細い苗が揃いも揃って
風に飛ばされまいと
泥にしがみついている
畔には老人が独り佇み
流れる水を睨んでるかのよう
足元に堰板
頭上高く 雲雀
さっき見たときと同じ形で
今も
腕を組んでじっと
歩きながら
おはようございます
と声をかけたら
表情も変えずに
その人はちょいと手を上げた