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10/20 フェニックスリーグの感想 vs福岡ソフトバンクホークス

こんにちは。中藤練です。

10/20、西都原運動公園野球場で行われた東京ヤクルトスワローズvs福岡ソフトバンクホークスの試合を観戦してきました。

試合の詳細については私のXのアカウントの以下のポストツリーを参照してください。

※ 数字は球速、Sはストライク、Bはボール、Fはファール、Kは空振りです。

このnoteではざっくり各選手の感想を書き連ねていきます。


投手

翔聖

2回 被安打1 失点1 自責点0 奪三振1 与四球1

ほぼストレートの投球。ストレートの最速は146。速球のアベレージは約143キロ。中央値も143キロ。
球種は140前半のストレートと120キロ中盤のスライダーのほぼ2球種のように見えたが、138~140の球速帯の球があり、これはもしかしてムービング系?

1イニング目はグイグイ速球で押し込む投球。
イヒネからはこの日最速となる146キロのストレートで三振を奪い、仲田は145キロのストレートでショートファールフライ、吉田も145キロのストレートでセンターフライで8球で終わらせた。

2イニング目になって制球に苦しんだか。スライダーは4球投げて1球もストライクコールがなく、ストレートもボール球が増えていった。

ただ、失点は髙野がファールフライを落としたり、伊藤がセカンドへの送球をバウンドさせたりと野手のエラー絡みで自責点は0。
ウエスタンリーグを制覇した打線に対して、ほぼストレートで2回を自責点0に抑えたのは素晴らしい。

翔聖のボールをソフトバンクホークスの打者の面々がよく打ち上げていたので、翔聖のストレートはホップ成分が高い球質なのかもしれない。
強みは出た登板だったので、今後はストレートの球威という強みを伸ばしつつ、頼れる変化球をいくつか身に着けたい。


石原

1回 被安打0 失点0 自責点0 奪三振1 与四球1

今日は変化球主体の投球。ストレートの最速は144キロ。アベレージは約143キロ。中央値も143キロ。翔聖と同じだがコピペミスではない。
今日はストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを混ぜた投球だったと思うが、スライダーとチェンジアップは両方とも120キロ後半の球速帯で私では見分けがつかず…。

変化球の制球は比較的よかったように見えた。一方、得意のクロスファイアーのストレートをなかなかストライクにとってもらえずカウントを悪くする場面もあった。対戦相手のホークスの先発の大関がビシビシとコースにボールを決めてきていて、左投手のストライクゾーンが大関の投げるゾーンに合ってしまっていた感はある。ストライクを取ってもらえず、キャッチャーの橋本がなんどか項垂れていた。

それでも無失点。結果球は全て変化球。イースタンリーグ中はむしろ変化球に課題があったように見えたので、変化球で打ち取れるようになったのは好材料。今日はなかなかストライクを取ってもらえなかったが、本来ストレートのクロスファイアーの精度は素晴らしいものがある投手なので、ストレートの球威をもっと上げていけば1軍でも勝負できるようになるはず。


山野

2回 被安打1 失点0 自責点0 奪三振2 与四球2

色々な球種を試せた登板になったのではないか。ストレートの最速は148。ストレートの平均球速は約145キロ、中央値も145キロ。サンプル数が少ないから平均と中央値であまり差が出ないことに今更ながら気づく。文系だからね。仕方ないね。

今日投げた両チームの左腕の中で一番球威のある球を投げていた。2イニング目には1死3塁1塁というピンチがあったが、サードゴロゲッツーに打ち取った場面は、今シーズンの経験がちゃんと力になっているところを証明してくれたように感じた。

相手選手の大関もそうだったのだが、山野も110キロにも満たない程度のカーブが投げ終わった手の後ろから出てくるような感覚がある。あれはバッターはなかなか手が出ないんじゃなかろうか。決め球に使うのはちょっと怖いが、ちゃんとストライクゾーンに決まるようになればカウント球として面白い。

課題が見えた場面としては、2イニング目に先頭打者の佐藤直樹を四球で塁に出して、次の打者の時に完璧にモーションを盗まれて盗塁されていたところ。あれはキャッチャーの橋本はノーチャンスだった。クイックに課題がある?

できれば相手先発の大関並みに圧巻の投球を披露してもらいたいなと思った。山野ならそれくらいできる投手になれるはず。


奥川

4回 被安打2 失点1 自責点1 奪三振1 与四球0

こちらも色々な球種を試しながらの登板だったかな。ストレートの最速は148キロ。ストレートの平均球速は約145.85キロ、中央値は146キロ。
奥川は9月になってからツーシームを投げるようになっており、ツーシームの球速帯がストレートとあまり変わらない性質なので、どれがストレートでどれがツーシームだったのかまではわからない。

今日の奥川の収穫はフォーク。観戦メモでの最速は139キロとしているが、もしかしたら140キロ出ていたものもあったかもしれない。ストライク率は約67%(15-10)で、空振り率は約47%(15-7)あった。
奪三振は1だが、フォークでこれだけ空振りが取れていたとなると、組み立て次第ではもっと三振が取れたのかなと思わないこともない。
また、奥川が三振を奪った吉田賢吾は今シーズンのウエスタンリーグで252打席立って三振率が10%を切っている選手なので、そういう選手からファウルチップとはいえストレートで空振り三振を奪えたことはポジティブに感じられる。

とはいえ、打者14人と対戦して、そのうち打球が外野まで飛んで行ったのは5回あり、ホームラン以外にもいいあたりを飛ばされていたことも踏まえると、まだ「多くのスワローズファンが期待している奥川の姿」に戻ったとはいえない。奥川なら、もっとゲームを支配する投球ができるはず。

リチャードにホームランを打たれた場面については、外角を狙ったストレートがシュート回転して真ん中に吸い込まれていったように見えた。このあたりのコントロールはまだまだ向上できる余地を残している。

また、やはり平均球速が146キロ程度、最速が150もいかないというのは寂しい。甲子園のある試合では平均球速149.9キロを記録したほどの剛腕。

今オフは「肉体強化に励む」ということで、本人も以前と比べてまだ球威が戻ってきていないことを気にしているのかな?

来年には完全復活した奥川が見れると信じている。


野手

丸山和郁

5打席 4打数 1安打 2出塁 

相手が大関だったということもあるが、ストレートを仕留めきれなくなっている感。8月終盤から9月中旬にかけての勢いがなくなってきた。
疲れですかね?

ヒットはホークスの左投手の松本晴の120キロの変化球をうまく逆方向に流したもの。打撃の上手さは今シーズン何度も垣間見えているのでそろそろ安定させたい。

守備は相変わらずいい。守備範囲広いし、肩も強い。
フェニックスリーグでは8試合出場中ライトでの出場が5試合もあるのは、来年1軍でライトのポジションのレギュラーについてくれという期待の表れのはず。


並木

5打席 5打数 3安打 打点1 盗塁1 

公式が選ぶ本日の試合のスワローズのMVP。納得のMVPでした。

4回の先頭でレフト前ヒットで出ると、大関に4回も連続で牽制されながらも2球目で見事に盗塁成功させ、6回は完璧なセーフティバント、7回には逆転となるタイムリーヒットとやりたい放題。
フェニックスリーグでの打率を.435まで上げている。

レフトとして出場した守備でも8回裏に仲田の左中間を破るあたりを好捕。レフトが並木でライトが丸山だったらセンターは誰でもいいんじゃないか説を提唱したい。

今日の試合は並木がタイムリーを1本打って、好捕で1点防いでいるので、並木がいなかったら1-3で負けていたかもしれない。もはや並木はフェニックスリーグのレベルだと試合の勝敗を変えられることのできる選手にまで成長してきている。

今日の試合に限った話でなくなってしまうけど、並木はフェニックスリーグでヒットで10回(全て単打)、四球で2回、代走で1回の計13回出塁していて、それで得点数が8もある。すごく単純に考えると、並木が出塁すればおおよそ6割の確率(13-8)で点が入っていることになる。ノーアウトで並木が出ればほぼ確実に点が入っているんじゃないかレベル。

現時点では高津監督は並木を終盤の切り札として見ているようではあるが、1軍でも3割程度出塁できるようになれば代走ではなくスタメンで使った方が良いとなるはず。打て、打つんだ並木。


橋本

3打席 3打数 1安打

久しぶりのスタメンだったけど1打席目もヒット性の打球を飛ばしていたので打撃の調子は悪くなさそう。3打席目のヒットは変わったばかりの松本晴の変化球を打ってセンター前。初見のはずだがよく食らいついた。これでフェニックスリーグでの打率は.500。打球に角度がついて長打が増えてくればなお良い。

守備についてはまだまだ発展途上の感がある。
5回に山野の落ち球を止めた後ボールを見失って2塁走者の佐藤を3塁まで進めてしまった場面があった。あれがなければ5回の山野はもう少し楽な投球ができたのではと思ってしまう。

内山壮真が腰の手術をしたことでしばらく橋本星哉は捕手起用が中心になりそうで、古田敦也以来スワローズの捕手陣には守備での貢献がかなり求められていることを考えると、1軍で試合に出るためにはもう少し守備面を安定させたい。


北村恵吾

4打席 3打数 無安打 打点1

ファールだといい当たりが何本かあったし、犠牲フライになった打球も悪くはない当たりだったのだが、ヒットが出ない。ちょっと運に見放されている感。

今日の試合では無死満塁で回ってきた6回にきっちりレフトへ犠牲フライ。いい角度のついた打球は打てているので、ちゃんと芯を食えばオーバーフェンスになりそう。まぁそれが一番難しいのだろうけど。

守備は無難。可もなく不可もなし。少なくともショートが守れそうな感じではなかった。


武岡

4打席 3打数 無安打

1打席目は大関にいいように捻られ、2打席目は大関に死球をぶつけられ、3打席目は止めたバットにボールがあたって送りバントっぽくなるなど、あまり今日は打撃でいいところがなかった。

2回裏の1死2塁1塁での守備について、伊藤の送球が変なところでショートバウンドしたのでかなり難しくはあったのだが、あれを捕れていれば言うことはなかった。それ以外は無難。

今年のフェニックスリーグは8試合出場していて、そのうち6試合はセカンドとしての出場。チームとしては山田の後釜としての活躍を期待されているんだと思う。ナガタケコンビでの二遊間を楽しみにしております。


赤羽

2打席 2打数 無安打

お久しぶりのスタメンで対戦相手が大関が運が悪かったとしか言いようがない。とはいえ2打席目の打球は惜しかった。センターに抜けるかもという打球だったが、大関の反応がよかった。対戦相手が悪かった。

守備は無難にこなす。特に印象なし。

長期離脱から復帰したばかりと考えればこんなものでしょう。


岩田

2打席 2打数 無安打

2打席目のフライは良い角度で上がっていったがもうひと伸びがなかった。今年のフェニックスリーグの打率は.160と低調な出来。
丸山さん同様、お疲れですかね?

DHでの出場だったので守備機会はなし。


伊藤

3打席 3打数 無安打 3三振

左投手の対戦が続いたとはいえ3三振は寂しい。春先はもう少し粘れていたと思うが、最近は淡泊な打席が目立つ。打撃については今オフでもう一度見つめなおしたいところ。

2回裏、1死2塁1塁の場面での守備について、詰まった打球だったのでかなりチャージせねばならず、捕ってから体を半分後ろに捻って2塁送球と難しいプレーであるのはわかるのだが、伊藤ならばアウトにできそうな感じでもあり、だから余計にもったいなく感じているのかもしれない。

1回裏には三塁側のファールゾーンへと落ちそうなフライを体を目一杯伸ばして好捕、6回裏には三遊間の奥に飛んだあたりを難なくキャッチし、余裕を持ってスローしてアウトにとるなど、守備能力の高さは随所にみられている。もったいないプレーを減らしていきたい。


髙野

4打席 4打数 2安打

大関、松本晴といったホークスの左投手からヒットを打てたことを自信にして欲しい。特に3打席目のセンター前ヒットのあたりは痛烈だった。あと、本日髙野は三振をしなかった。これもえらい。ちゃんとプロの投げるボールに対してバットを当てられるようになってきている。毎日進歩している。自分もこうありたい。

守備ではファーストファールフライを「バンザイ」っぽくなって落球するエラーがあった。フライなのでサードもファーストも関係ない。このあたりはまだまだ勉強が必要。


鈴木

1打席 1出塁

7回表の打席から橋本に代わって出場。制球が安定していない松本晴の球を冷静に見極めて四球で出塁。

守備では安定したブロッキングを見せて奥川をしっかりと支える。今日の奥川が安心してフォークを投げられたのも鈴木叶の守備があったから。まずは得意の守備で投手陣の信頼を掴んでいきたい。


増田

2打席 2打数 無安打

6回表の打席から赤羽に代わって出場。打撃ではいいところがなかったが、9回裏に守備で好捕を見せて古巣のファンからも拍手をもらっていた。

フェニックスリーグではファーストで2試合、セカンドで1試合、センターで2試合出場。個人的にはもうちょっと内野の守備を見てみたい。内野手登録ですし。


濱田

2打席 2打数 1安打

7回表の打席から岩田に代わって出場。2打席目に松本晴の145キロを弾き返して右中間真っ二つのツーベースを放つ。フェニックスリーグでは自慢の長打力を見せつけている。来季の逆襲に期待。

DHでの出場だったので守備機会はなし。


小森

1打席 1打数 無安打 三振1

8回表の打席から伊藤に代わって出場。2死2塁のチャンスだったが、松本晴に捻られて三振で終わる。

守備機会はなし。


雑感

相手の先発投手が大関で、野手のスタメンには今季ウエスタンを制覇したチームの主力選手が並んでいて、しかもこちらの先発は高卒ルーキーで…と考えるとよく引き分けることができたなと思う。
今日の試合のMVPは間違いなく並木だが、試合が壊れなかったのは翔聖の踏ん張りがあったからこそで、翔聖という投手がこれからどこまで伸びていくのか楽しみになる試合だった。

今日登板した他の投手もそれなりに順調そうだった。山野、奥川あたりは、もうなかなかこのレベルでは打たれない投手になってきているし、石原だって徐々に課題が改善されているように見える。
山野、奥川、石原は来年1軍での活躍を期待したい。

一方野手について、スワローズのヒットは8本出たが、そのうち長打は濱田のツーベースの1本だけというのはやはり寂しい。巧打者タイプの選手のレパートリーは多いのだが、中距離・長距離打者と呼ばれる人材があまりおらず、打線としての迫力不足が否めない。
2021年からチームの打線の主軸を担っていた村上、山田、オスナ、サンタナといった選手が、これからの数年で退団したり加齢によって成績を落としていったりする可能性があるので、やっぱり今年のドラフトでは将来主軸をはれる打者を指名して欲しい。

あと、10/20時点で東京ヤクルトスワローズがフェニックスリーグの首位になったということだが、実は昨年のフェニックスリーグ優勝チームは勝率.867を記録した埼玉西武ライオンズだったりする。

フェニックスリーグで勝つことは不吉だと言いたい訳ではなくて、フェニックスリーグは別に来年の1軍成績を担保するものではないのでそこまでチームの勝ち負けに拘らなくてよくて、各選手がいいプレーをしたら褒め称えるという、知り合いの草野球を見に行くスタンス(これもまた失礼な表現か?)くらいで見た方が良さそうだなとぼんやり思った。

フェニックスリーグを優勝しても嬉しくないのかと聞かれたら、そりゃ嬉しいに決まってるけどね。

終わり


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