ウィルスを受け入れなければ、人間は生きて行けない「4月12日放送サンデーモーニング風をよむを参考に」

日本医師会の横倉会長が引きあいに出したのは、
2009年公開の日本映画『感染列島』

正体不明のウイルスが日本中に蔓延。
医師たちにも院内感染が広がり、
「医療崩壊」が生じるなど、
現在の状況を否応なく思い起こさせる。

これまでも繰り返し、人類を脅かしてきた感染症。
それを題材にした文学作品や映画は、数多く見られる。

1957年、当時「アジアかぜ」と呼ばれた感染症で、
世界でおよそ200万人が死亡。
日本でも感染症の恐怖が広がった。

その後、1964年に小松左京氏が発表したのが､
小説『復活の日』。
今や世界で最も患者数が多いアメリカの現状を彷彿とさせるこの作品は
1980年に映画化もされた。
「歴史を忘れたものだけが､過ちを繰り返す」
未知のウイルスが、日本をはじめ、全世界に広がり、
おびただしい数の人が犠牲になる様子を描いた。

2009年当時のWHO・チャン事務局長
「世界は2009年インフルエンザのパンデミックが始まったばかりです」
2009年､パンデミック宣言が出された「新型インフルエンザ」。
日本でも203人が死亡した。

その翌年に出版されたのが、高嶋哲夫氏の小説『首都感染』。
中国で発生した未知のウイルスがパンデミックを引き起こし、
日本政府は感染拡大を防ぐため、「東京封鎖」を決断。
「ＪＲ、地下鉄、バスなど全ての公共交通は止まっていた。
全ての店のシャッターは閉まっている。
開いているのは､政府の指示で開店を義務づけられている店だけだった。
まるで『死の町』だ」

小説や映画が、繰り返し訴えてきた感染症の恐ろしさ。
　
しかし、現実を見ると、私たちは、目に見えない感染症への警告を、
真剣に受け止めることが、なかなか難しい。

2003年、ベトナム・ハノイで肺炎の治療に当たっていたイタリア人医師は、
急激に重症化するこの肺炎の原因は新型の未知のウイルスだと指摘。

その病気こそがSARSであった。
彼自身はこの病気に感染し、命を落としますが、
その献身的活動によって世界的流行の拡大を防ぐことができた。

ところが今回、
新型コロナウィルスの存在にいち早く気づいた医師の警告に対しては
去年12月、中国・武漢市内に広がる感染症の原因が
未知のウイルスではないかと指摘した医師がいた。

しかし、この「新型ウイルス」の発見は当初デマとみなされ、
当局に拘束。自ら感染症の犠牲となるなど、その警告が活かされることはなかった。

常に姿形を変える未知のウイルスの研究は決して容易ではない。
現在、新型肺炎の患者数を集計するなど感染症研究で
名高いアメリカのジョンズ・ホプキンス大学。

実は2年前、新たなコロナウイルスの出現が、
世界中に大きな被害をもたらすと、警鐘を鳴らしていた。

「コロナウイルス感染症に対する監視体制は未整備だ。
このウイルスは今後パンデミックを引き起こす病原体となる可能性が非常に高い―」
しかし、そうした未知の新型ウイルスに対しての研究は難しく、
有効な対策が立てられることはなかった。

フランスのノーベル賞作家・アルベール・カミュが発表した小説『ペスト』が
発行部数100万部を超えた。
ペストに襲われた地方都市で、
懸命に戦う人々の姿を描いていますが、
小説の最後、鎮圧に成功し、歓喜に沸く町の様子を描きながら、
この病原菌が再び人間を脅かすことを警告。
　
「ペスト菌は決して死ぬことも消滅することもない。
そしておそらくはいつか、人間に『不幸』と『教訓』をもたらす」

度重なる警鐘にも関わらず、
繰り返されてきた感染症との戦い。
姿・形を変え人間を襲う感染症と、
私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。

→「歴史は繰り返す」という言葉を
地球上で生活するすべての人間が心得ない限り、
「歴史は繰り返し続ける」と感じます。

そんなことは不可能かと思いますので、
番組から投げかけられた「姿・形を変え人間を襲う感染症と、
私たちはどう向き合っていけばいいのでしょうか。」
という問いに対しての私の個人的な回答は
「受け入れるしかない」です。

仮に今回のコロナ騒動が終息し、
生き残った人間の意識の中に
「数十年、数年後に新たに強化された感染症がまた来る」
ので、それに備えて「自分の体を健康にしておく」と
心に刻めることができれば強く生きて行くことができるのではないか。

もはや、台風に備えて窓ガラスを強化することや、
大雪に備えて車のタイヤをスタッドレスに取り換える
というように季節によって変化する気候に対応することと
同じ感覚でウィルスの猛威に備えていかないといけない。

仮に数十年後に新たな感染力の強いウィルスが世界中に蔓延した際、
おそらく、今回同様に医療崩壊など大混乱すること予想します。

当たり前なことかもしれませんが、
医療に頼らず、自分の体を健康に保ち、
強い免疫力を保ち続けるという意識こそが
人間が生きていく為に必要な心得だと思います。