【No.9】売り込まなくても売れる!

■読む目的


新規顧客獲得に向けて自分の経験・概念を塗り替えること
有望な顧客のみと関係性を築きたい

■気づき・学び

【前提】

・高確率salesとは
└同意とコミットメントの技術。プロセス全体がクロージング
・高確率salesの狙い
└お互い取引に値する下地があるかどうか?を見極める、そのために、いつ話を降りてもらっても構わないということを冒頭から伝える
・高確率salesのプロセス
└①顧客発掘②セールス③クロージング
・高確率salesに反論の処理という概念は存在しない。あるのは交渉すべき課題のみ
・契約を取ることにのめり込むのではなく、プロセスに専念する
・高確率salesは「コントロール」が基本的な概念
salesのプロセスをコントロールするという意味。質問をしながら話し合わなければならない項目を一つずつ出していく。客の答えを受け入れ、質問にも応じることで、抵抗を回避する。説得や操作の意図がまったくなければ抵抗は生まれない
・高確率salesは、同意とコミットメントを話し合って、見込客の【満足条件】を決めていく
・高確率salesでは、客は自分からコミットメントしなければならない立場に置かれる
・買う、というコミットメントを得られない限り、商品を見せることも説明することも見積もりも提案書を作る事もしない
・初めから終わりまで選択を相手にゆだねる。「イエス」を選択すればコミットメントしていることになり、もし「ノー」であれば除外し、コミットメントに前向きな他の客に資源を節約する

★高確率salesを成り立たせる体系的な質問で判断すべき3つの点
①商品に対するニーズがあり、希望し、資金があるかどうか
②進んで満足条件を提示し、もし条件が満たされれば商品を買う意思があるかどうか
③満足条件に関するコミットメントが細かい点まで特定され、あいまいでないか

・まず、相手が欲しいものの詳細=「満足条件」を双方に合意する
・次に、これらの条件が満たされれば、双方のコミットメント=相手に何を約束するか?を交渉する(コミットメントのある客にだけ資源投下する)
・これらの確認交渉にあたり、言うべきことは全部質問形式にする、話をするのは顧客
・決してオーダーを頼まない。顧客の満足条件を自社の商品で満たせないと分かったら、あっさり認めて礼儀正しく退却する
・満足条件の一部が満たせないと分かったら、その部分について交渉する。話がまとまったら、コミットメントを依頼する

★高確率salesの秘訣
・有望な顧客とのみ話をする
・効果的な質問をする(答えを知るのに手っ取り早いのは質問)
・初顔合わせ重視
└誤魔化しぬきで、本当に答えが知りたいので質問する。相手に関心を持ち、心からの質問をする。相手はそれを感じる
・メモを取る
└一度聞いたことを忘れない。真剣さ伝わる。相手の発言を重視する態度のアピール。
・話をよく聞く(聞いてるときに次の質問を考えない)
・しゃべりすぎない(対話の4分の1以上自分が話していたらNG。反応の鈍い客は望み薄)
・怒りにまともに反応しない。感情をこめず中立的に。
→質問し、メモをとり、客に話させる
→質問に答えて続ける限り可能性はあり。しかし、必要なし・欲しくない・予算ないと明言されたら、望み薄として撤退する。
→+@有望な顧客は熱心さで判断する。さかんに反応し、熱意がある場合が多い

【顧客発掘】≒除外≒識別プロセス

「有望な顧客」と認めた人だけに会う事
有望な顧客=商品のニーズがあり希望し、まかなえる費用がありいますぐ買う意思のある顧客
・有望な顧客かどうかは最初の1分で決める
・条件に合わない人を〈除外する側〉。選んでいるのは客のほう。
・なるべく多くの見込み客にコンタクトを取り、短時間で「有望な客」をふるい分ける意識
・相手が「自分は除外するべき客である」という事を示す機会を与える
└いつものボールを相手に投げ、結果について責任をもってもらう。
・売ると拒絶されることがあるが、識別している時に拒絶されることはない
・ノーと言っても構わないと伝えることで抵抗を減らすと共に、その後も責任をもって交渉を続けてもらえる。ノーが言えると分かると、大概の人は腹を割って正直に話してくれる
商品を希望している、あとは条件が満たせたら必ず買う。という明言=コミットメントの確認が取れるまでは商品デモンストレーションをしない
・提供商品のイメージを一瞬で頭の中に描いてもらう=オファーの言語化
└オファーはなるべく短く、100文字以内。
└何が効果的か試行錯誤する
└淡々と感情をこめずに話す。短く、シンプルに。

★顧客発掘の原則
①オファーの文言は挨拶まで含めて100文字以内にする
②商品を希望するか相手に尋ねる
③イエスであれば、商談を設ける気があるかどうかを尋ねる
④またコンタクトしてほしい、と言われてたら指定の日時にもう一度コンタクトする予定をスケジューリングする
⑤こちらの質問に一度でも否定的な回答があった場合は電話を切り上げる。ある時期が来たら「有望な客」になる可能性を示した場合に限り、再度電話するスケジューリングする。相手のためらいを感じたら、ノーを言うのは構わないということを保証する。
⑥商品を希望しない、またはこちらが売りたくない客は除外する
→「有望な客」は売り手が礼儀正しく自分を除外しようとしている、と気づくと自然に外されまいとする

★アポ取りの必須ヒアリング(例)
└①希望するか?
└②アポに積極的か?
└③今でなければいつ?
└④今でなければ後日連絡欲しい?
└⑤なぜその時に会いたい?
└⑥会って何を達成したい?
→相手から自分は適格であると証明しなくてはならなくなる

【二ッチなターゲットを見極めて確率UP】

・顧客発掘をする前にまず〈自分の会社が何に強いか?〉を認識する
└競争力のあるところで勝負したい。そのために、こちらが売る商品を高く買う顧客と取引しなければならない
・市場競争力〈価格・品質・サービス〉は、3つを同時には提供できない
└例)優れたサービスの為には売価を高く設定しなければならない
→〈価格・品質・サービス〉で自社が売りにできるものは何か?を決めることが第一
「ターゲット・マーケット」のニーズと希望に向けてこちらのオファーを明確に言葉にすることが重要
あるグループの顧客の要望がきっちり限定されるとき、これを二ッチマーケットと呼ぶ
大勢の業者とニーズや希望についてよく話をしていれば、どうすればその要望に応えられるか?が分かる

ビジネス上のよい人間関係は、相手への敬意と信頼に基づく双方向のやり取りを土台にする。顧客はすでに取引のある相手が本当のことだけ言い、やると言ったことは常に実行してさえいれば、仕入先をいきなり変更するようなことはまずしない

■自分が「売り始めている」ことを察知する方法
・顧客発掘をしていてストレスを感じたら、すでに売りの姿勢にシフトしてる
・発掘の電話が3~4分以上になっていたら、おそらく売っている

どう答えていいか分からない時の答え方2通り*淡々と感情抜きで
「ご質問に対してご満足のいくような答えが見つかりません。どういう答えならご理解いただけますか?」
「うちとお取引していただくことは難しそうですね。この商品をご希望なさいますか?それともなさいませんか?」

■資料を送ってほしいと言われた場合の対応
「遠回しのお断りの意味でそうおっしゃる方が多いのですが、もしそうでしたらはっきりおっしゃってください。全然かまいません」
→相手が商品を希望し、パンフレットを必要とし、目を通してた後に取引が成立する確率が高いと思える時を除いて資料送付はしない

・アポイントは、客の方から会いたいと言ってもらう!
「商品がご希望に沿ったものかどうか、伺ってご説明しましょうか?」

【信頼関係構築】

・高確率salesの中で最も重要なプロセス
・商品の話は抜きにして、相手をよく知り、信頼と尊敬に値する人物かどうかを判断する。
・信頼と尊敬に値する相手とのみ取引をする
・コツは、客に心から興味を持つこと(4歳児のように無邪気に質問する)
相手は言葉そのものよりも、そこに滲む人間性に耳を傾ける。誠意を持ち、率直にものを言い。相手に無理強いする意図もないとき、態度にもそれが表れ、相手は君を尊敬する
・salesパーソンの仕事
双方ともに満足するビジネスの下地があるかどうかを見定めること
≠客の気を引く、親しげに振る舞う、売る

★信頼できない相手の例
・協業者に手をかけさせて、それに対するフォローをしない
・何かと情報源に利用してくる相手
・しつも支払いが遅れる
・協調性がない
→理由は何であれ。もし相手が信頼できないと感じたら、さっさと見切りをつける。具体的に理由が分からなくても、この点についてはカンを信じる

・抵抗は不信感から生まれる。信頼関係づくりの過程で客は売り手を信頼するので、抵抗が入り込むスキがない
・客から個人的な話題を引き出せたら信頼されている証。真摯に耳を傾ける。評価し意見を述べるのではなく、ひたすら聞く。
・相手の最後の答えを元にして次の質問をすると会話がはずむ
・オープンクエスチョンがおすすめ
・相手の返事が腹を割った、私的な反応になっていく、その段階で初めてビジネスができる相手かどうかを決める
第一印象がそのまま続く。初対面で見せた顔が、こちらに見せたいと思っている顔

■本題に入りましょうと言われた場合
「お客様を知るということを私たちは最優先させていただいておりまして、お取引の進め方、信頼と尊敬に値するかをまず判断させていただいております。確実なお客様とのみ取引をさせていただく為です」
「お客様にとっても、私たちが的確な取引相手かどうかのご判断のチャンスです。お話を続けますか?それとも撤退しましょうか?」

・信頼関係ができたら、次は買うまでのコミットメントを見極める作業がいる。すなわち、ここからが【発見/除外】
・【発見/除外】に移行するに特に技巧はいらない。自然にシフトする

【発見/除外】

・質問を続け、取引の下地があるかどうかを判断するのが【発見/除外】
・質問に答えてもらえない場合は望み薄客として除外する
・質問は一般論に徹すること、決して自社商品に的を絞ってはいけない
・質問は完結明瞭で誤解の余地をないようにする
・基準をしっかり持ち、率直であることが大事
・質問のどの段階でも〈同意とコミットメント〉を取り付ける

★【発見/除外】の質問の手順
①ニーズの決定
▶どうしてこの商品が必要だと思われるのですか?
相手にこの商品が必要だと思われる理由を話してもらう
②希望を確認する
▶この商品をご希望なさいますか?
もし希望がある場合、
▶理由をお聞かせ願えますか?
③資金面を確認する
▶料金はおよそ○円になります。ご予算の点はいかがですか?お支払いの用意はよろしいですか?
④日程を確認する
▶もしお話を進めるとしたら、日程的にいつごろからのスタートをお考えですか?
▶もし予定通りにいかなかった場合はどういうことになるのでしょうか?
⑤意思決定権者を確認する
▶こういう決断をするとき、ふつうどなたにご相談されますか?
もし他に人がいれば
▶企画提案を準備する前にその方にお目にかかってお話したいのですが、手配していただけますでしょうか?
相手が承諾しなかった場合
▶それでは私たちはビジネスを進められません。お目にかかってその方のご懸念や反論を知ったうえでないと、企画提案に取り掛かれません。前もって処理できたはずのトラブルを放置したために、せっかく提案しても受け入れてもらえないこともあります。いかがなさいますか?
⑥権限を確認する
▶お話を進めるとしたら、他にどなたの承認がいりますか?
買うという意思決定の認否に権限を持つすべての人と話さなければならない。もし渋られたら、⑤同様の説明をはっきり行う
⑦のちのちの影響を確認する
▶もし商品が手に入らなかったら、どういうことが起こるのでしょうか?
⑧ブランドの好みを確認する
▶もし今、私や他の方の意見なしに、今すぐに決めるとしたら、どこのブランドを購入されますか?
⑨サプライヤーの好みを確認する
▶特別に取引したい業者がありますか?
⑩内部手続きを確認する
▶発注する場合の御社の内部手続きについて教えていただけますか?
入念にメモする。内部手続きを軽視したせいで注文が流れることは実に多い
⑪個人的な動機を確認する
▶この商品を入手しなかったとしたら、あなた個人に何か影響ありますか?
何もないかもしれないが、訪ねてみないと分からない
⑫個人的偏見を確認する
▶取引をためらわれる理由は何かありますか?、何かカバーしきれていないことありますか?、他に何かありますか?
何か障害があるなら先に明るみにだしておく
⑬隠れた障害物を確認する
▶取引の妨げになるようなことがどこかにあるということは?
⑭コミットメントの確認
▶仮に御社の【満足条件】をすべて満たしたとしたら、どうなさいますか?
もし、「取引を真剣に検討しよう」と言われたら
「それでは私たちはビジネスを進められません。御社の基準を満たせば弊社と取引をなさるとのコミットメントをいただかないうちは、企画提案の準備をすることは極力避けたいと思っております。いかがでしょうか?」
もし基準を満たせば仕事を回すという名言が得られなければ、相手を望み薄客として除外する

★【発見/除外】の根本的な目的
・取引にかかせない情報を「発見」すること
・効率よく「除外」をすすめること
・「除外」すべきでないことが明らかになるたびに関係が良化する。それによって双方のコミットメントのレベルを昇華する
・あとになって契約潰しのもとになりかねない問題を事前に処理する機会をつくる

■相手にできないことを質問/要望された場合
・まず相手の質問に率直に答える
・それから、相手に意思を曲げさせるのではなく、選択肢を提示し、コミットメントを求む
(例)
「外装段ボールにメタリック・インクで印刷してくれ」
「弊社では外装段ボールにメタリック・インクでの印刷はいたしておりません。メタリック・インクは接触に対する耐久性の点で十分ではないからです。代わりにトップ・クオリティーの四色印刷になさいますか?それとも、どうしてもメタリック・インクをご希望でしょうか?」

【クロージング】

・ここまでの段階で信頼関係が出来上がっているので、客は協力を惜しまない
・【発見/除外】のプロセスで明確になった項目を、きっちり【満足条件】に組み入れる

★クロージングの進め方
▶そろそろ満足条件について交渉させていただいてもよろしいでしょうか?御社の要望をすべて書き出させていただきます。そうすれば希望に添えるか弊社で判断できます。そうされることを望みますか?
▶【発見/除外】で出てきた先方要望を読み返し、正しいか、付け加えることがないか確認する
▶実際にどこまで受け入れ、何を受け入れないかという具体的な問題を細かく詰めていきます
▶できないことははっきり言う。代替案があればそれを提示する。誘導はせず、マイナスポイントも隠さない
▶【満足条件】の達成度を判断する基準を訪ねる
└例「組み立てが簡単」→「何を目安にしますか?例えば作業時間50秒」
└更に詳しく、数字を詰めていく。決してこちらからオーダーはしない

【失敗しないための注意点】

・質問する側から答える側に立場が逆転する=コントロールを失う=オドリ
コミットメントの前に先に見積もりなどを出してしまったなどの場合でも常にプロセスの軌道修正を図る
・相手が望み薄の客だからと言って、いちいち腹を立てない
・自分が操っていると感じたら、相手も同じように感じている

【満足条件】

・あいまいな表現を排除し、後から契約破棄する理由を無くすことが目的
・⑭【満足条件】をすべて満たしたら取引するというコミットメントが得られたら、満足条件の設定をする

★満足条件の決め方
・一つ一つ聞いてすべて書き出す
・必要な条件があればこちらから提示する
・こちらで満たせない点は話し合う
・基本部分〈品質・サービス・価格〉は先決で決める
・どうしても満たせない場合は「除外」する
→こちらが満たしうる【満足条件】がまとまれば取引成立。
*「有望な客」なら、こちらが除外したくなるような態度はそう簡単には見せない。条件のすり合わせ段階で怪しいと思った相手を除外するのは正しい判断

・満足条件がすり合い、取引が成立し、相手からお礼を言われたら、ありがとうございますではなく「どういたしまして」という。

■ネクストアクション

・noteまとめを7回読み返してインプットする
・発掘から自分で高確率salesを挑戦してみる(テレアポスクリプトは自分用作成)
*自分の概念を捨ててトライする、まずは1件成功体験


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?