(怪談手帖)天狗【禍話リライト】

S山に住む古老から伺った話。
S山は峠越えで有名な山なのだが、一人で峠を越えてはいけない、という決まりがある。
というのも、一人で峠を越えようとすると、あらぬ方向から石や木の実が飛んでくる。
天狗礫、というやつだ。
驚いてその方向を見ると、木々の隙間、ありえないような高さから、無数の子供の顔がのぞいているのだという。
そういう時は、念仏を唱え、道の端になんでもいいので持っている食料をおいていけばよい。

「…そういわれているんだが、ダメなときはダメなんだがね」

古老のJさんはそう言った。
ダメな時とはなんですか?と重ねて聞いたが、Jさんは言葉を濁すだけで教えてくれなかった。

そのことと関係があるのかはわからないが。
S山では昔から神隠しが多く、天狗がいるのではないかと恐れられているのだそうだ。

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この記事は、「猟奇ユニットFEAR飯による禍々しい話を語るツイキャス」、「真・禍話 第五夜」の怪談をリライトしたものです。原作は以下のリンク先をご参照ください。

真・禍話 第五夜
https://twitcasting.tv/magabanasi/movie/369984575
(57:00頃〜)

※本記事に関して、本リライトの著者は一切の二次創作著作者としての著作権を放棄します。従いましていかなる形態での三次利用の際も、当リライトの著者への連絡や記事へのリンクなどは必要ありません。この記事中の怪談の著作権の一切はツイキャス「禍話」ならびに語り手の「かぁなっき」様に帰属しておりますので、使用にあたっては必ず「禍話簡易まとめwiki」等でルールをご確認ください。

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