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私的RADWIMPS全曲ランキング 〜はじめに〜

先日、日本を代表するロックバンド、
RADWIMPS(ラッドウィンプス)が結成20周年を迎えた。

ほぼ俺の人生と同じ時間。
2980グラムが62キロにまで膨れ上がる期間、
彼らはずっと音楽を鳴らしてきたことになる。


RADWIMPSは彼らが10代の頃に結成され、
当時から現在まで、絶大な人気と幅広い年齢層の支持を得てきた。ティーンの共感を呼ぶラブソングから実験的で遊び心溢れる曲まで、様々な音楽を鳴らしてきた彼ら。

結成当時のメンバーのうち、現在はVo.野田洋次郎とBa.武田祐介の2人だけで活動をしている。かなり形は変わってしまったが、それでもまだ日本のバンドシーンを牽引するバンドであることには間違いないだろう。

そんなRADWIMPSに中2の頃どハマりもどハマり、RADWIMPSしか聴かない時期を経験してきた俺だが、その愛をもって
『私的 RADWIMPS全曲ランキング』
をまとめてみようと思う。
完全に自己満だが、これからRADを聴き始める人たちにぜひとも参考にしてほしいぜ。

まずは今回、前置きとして彼らのディスコグラフィー(アルバム)を振り返っていこうと思う。
RADWIMPSの歴史についてもゆる〜く触れていくので、是非見てやってくれよなキムヨナ。

(全曲ランキングはページの1番下のリンクから飛んでください。)


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『RADWIMPS』(2003)

まずは彼らの記念すべき1枚目のアルバム、『RADWIMPS』である。ボーカルの野田洋次郎とギターの桑原彰、他は現在と違うメンバーで構成されていた。2003年。この時期、なんと彼らはまだ高校生である。今の洗練されたRADWIMPSとは真逆の、荒々しく青臭さを感じるアルバムだが、『人生 出会い』『「ぼく」と「僕」』のように一辺倒にいかない曲の進行や『コンドーム』のような下ネタ+ラップ調など、この後人気を爆発させる彼らの天才の片鱗は見えている。高校生が出したアルバムがTSUTAYAでレンタルできるレベルに流通してるの、本当にバケモノバンドだよなぁ。


『RADWIMPS 2 〜発展途上〜』(2005)


続いて2枚目、2005年リリースの『RADWIMPS 2 〜発展途上〜』である。前回のアルバムから僅か2年後のリリースながら、既に変態を極めている。
『なんちって』
は今でもファン人気の根強い曲だが、英語+日本語+下ネタ+ラップ+セリフ+(中国語)というなんでもアリな遊び心に溢れた構成で、唯一無二なRADWIMPSの世界観はこの時点で確立してる。それでいて『夢見月に何想ふ』『愛し』のような真面目で沁みる曲までしっかり準備してあり、引き出しの広さはこのアルバムからもう十分披露されている。発展途上とは名ばかりの、おふざけ路線RADWIMPSの金字塔である。

『RADWIMPS 3 〜無人島に持っていき忘れた一枚〜』(2006)

2006年、3枚目のアルバム『RADWIMPS 3 〜無人島に持っていき忘れた一枚』。メジャーデビュー後初となるアルバムであり、オリコン初登場13位を記録するなど、この時点で話題のバンドへと成り上がっていた。現在でもライブのセットリストで定番となっている『トレモロ』『セプテンバーさん』など、ファン人気の高い楽曲も多く収録されている。1st〜2ndまでの荒々しさや青さはほとんど無く、洗練された美メロやフレーズ、アルペジオの目白押しである。個人的にこのアルバム以前と以後で、RADWIMPSのフェーズが変わったと思っている。おふざけやバンドの掛け合いの面白さを強く感じさせた1st〜2ndに対し、『イーディーピー〜飛んで火に入る夏の君〜』というこれまでの名残もあるが、3rdからはメロディや歌詞を強調する曲が多いように感じるからだ。うまく言語化できてないと思うけど、明らかになんか変わった。

『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』(2006)

4枚目のアルバムである『RADWIMPS4〜おかずのごはん〜』がリリースされた2006年頃は、その中の楽曲『いいんですか?』『有心論』が当時のティーンを中心にヒットし、今でも10代のカラオケ定番ソングなるほどの知名度を有している。現在30代後半にとっての『RADWIMPS』は、おそらくこの時期だ。彼らの1度目のブレイクである。RADの代名詞でもあるラブソングが猛威を振るい、邦ロック好きにはドンピシャであろう「THE ギターロック」サウンドも満載。入門編としてはぴったりなアルバムである。これを最高傑作と呼ぶファンも少なくないし、納得である。

『アルトコロニーの定理』(2009)


つづいて2009年、5枚目のアルバムとなる『アルトコロニーの定理』がリリースされると、その中のリード曲『おしゃかしゃま』が話題に。当時のバンドマンは全員この曲をコピーしたし、現在でもベーシストにとってこの曲は必修科目となっているという。(諸説あり) とにかくこの曲は多くの後継バンドたちに衝撃を与えた。そして、俺はここでまたRADWIMPSのフェーズは変わったと感じるまずこれまで定番だったアルバムのナンバリングも急に終わっているし、ラブソングが強く支持されていた前作に比べ、このアルバムは甘い歌詞のラブソングが少ない。(多分、「メルヘンとグレーテル』ぐらい?) また、彼らのインタビューを読む限りやはり、このアルバムがリリースされる2009年頃から、彼らの曲作りはとてもストイックになっていく。それ故に遊び心満点な楽曲や、発想の飛び抜けた楽曲が多く、いろいろな顔ぶれが集まるバラエティ豊富なアルバムである。

『絶体絶命』(2011)

2011年、6枚目のアルバム『絶体絶命』がリリースされた。人にRADWIMPSを薦めるならこのアルバムを薦めるべきだと俺は思う。『DADA』「君と羊と青』といった彼らの代表曲が多く収録されており、「多種多様なジャンル」「キャッチーで爽やか」という売れ線しかないアルバムだ。野田洋次郎の声の調子もこの時期が1番良い。透き通っている。音飾もピアノやシンセサイザーが目立ち、めちゃくちゃ幅広くなっている。彼らのストイックさ(主に作曲者である野田洋次郎)はさらに増していき、このアルバムは特に歌詞の言葉遊びから楽曲のアレンジまで、全部計算され尽くしているかのような繊細さを感じる。コンセプトが一貫しているアルバムでもあるため、纏まりも良い。RADWIMPSの魅力はこれ一枚で語れると思う。

『×と○と罪と』(2013)

続いて2013年、7枚目となるアルバム『×と○と罪と』だ。個人的にめちゃくちゃ大好きなアルバムで、いまでも最高傑作だと思ってる。前作のような繊細さはそのままに、全体的に少し落ち着いた、大人びたような雰囲気の漂う今作。『アイアンバイブル』『リユニオン』のようなラップ調の曲から『会心の一撃』のような爽やかキャッチーロック、歌詞がネットで話題となった『五月の蝿』などまたもやバラエティ豊富なアルバムだが、一貫して歌詞や曲調にどこか悲壮感や終末感を感じるアルバムだ。このアルバムへの愛はハンパなくて、一生語れてしまうので、ここら辺でやめとします。とりあえず全員、聴いてくれ。
特に、RADを中高生向けバンドだとバカにしてる人たち。RADWIMPSのイメージが変わると思う。

『君の名は。』(2016)

そして2016年である。世間にRADWIMPSの名が浸透するきっかけとなった年。そう、『君の名は。』である。彼らが劇伴を務めた、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』が空前絶後の大ヒットを起こし、相乗してRADWIMPSも大ブレイクを果たした。2度目のブレイクである。『前前前世』『スパークル』などの劇中歌は今もなおRADWIMPSの代表曲として語られ、各種サブスクでも飛び抜けて多く再生されている。このアルバムはちょっと番外。サントラなので。

『人間開花』(2016)

そんでもって同じく2016年、8枚目となるオリジナルアルバム『人間開花』がリリースされる。このアルバムがリリースされる前、2015年にはドラムスの山口智史が神経病の悪化により無期限の休養を発表、事実上の脱退となった。なんかのインタビューで読んだが、フロントマン野田洋次郎は山口の脱退後から明らかに作曲に対する意識が変わったようで、その影響をとても感じるアルバムとなっている。つまり、RADWIMPSはこのアルバムからまたフェーズが変わる。これは多くのファンが感じてると思うが、明らかに、RADは変わった。『AADAAKOODAA』『アメノヒニキク』のような、バンドサウンドでは無くエレクトロ・に舵を切った楽曲が見られ始めたのもこのアルバムからだ。一方で、『告白』『記号として』のような「いつものRADWIMPS」を感じさせる楽曲も混在し、またもバラエティ豊富な仕上がりとなっているが、前作・前前作に比べ一貫性やコンセプトをあまり感じないアルバムだと思う。作品集、みたいな。いや、嫌いじゃないんですけど。これ以降のRADWIMPSのアルバムには、そういった印象が強い。

『ANTI ANTI GENERATION』(2018)

つづいて2018年、9枚目のアルバム『ANTI ANTI GENERATION』だ。このアルバムでは彼らのキャリア上初めてコラボ楽曲が登場する。ONE OK ROCKのボーカルTakaをフィーチャリングした『IKIJIBIKI』や、あいみょんと歌う『泣き出しそうだよ』から、ラッパーのMIYACHIをフィーチャリングした『TIE TONGUE』など。もうこのコラボ先からわかるように、今作は特にバラエティ豊富な一枚であるし、「野田洋次郎」の世界だけで構成されていたRADWIMPSは、もっと自由度の高いバンドになったと言える。個人的に「作品集」感を最も強く感じるアルバムだが、普通にその1曲1曲は相変わらず面白い。シンセサイザーをリードとして使った『NEVER EVER ENDER』や野田本人がポエトリーラップを披露する『PAPARATZZI〜※この物語はフィクションです〜』など、明らかに新境地に向かっているし、様々なアーティストと接触したことで、より様々なジャンル・要素を取り入れたアルバムとなっている。

『天気の子』(2019)

つづいて彼らは再び新海誠監督のアニメ映画『天気の子』の劇伴を務め、またも大ヒット。『愛にできることはまだあるかい』は地上波で流れまくるし、野田洋次郎のモノマネ芸人は現れるしで、もうこれは3度目のブレイクだったと言っても過言ではないのではなかろうか。この頃から、オーケストラのようなストリングスを取り込んだ楽曲が目立ってくる。

『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』(2021)

その後、2021年には、2012年より彼らがYouTubeで毎年3月11日に東日本大震災に対する活動としてアップロードしていた楽曲群がアルバム『2+0+2+1+3+1+1= 10 years 10 songs』としてリリースされ、その売上金は被災地の復興に充てられた。RADWIMPSが毎年被災地へ送り続けたメッセージとメロディ、10年という時の流れを感じさせる一枚だ。

『FOREVER DAZE』(2021)

そして現時点での最新アルバム、10th『FOREVER DAZE』である。前作さながら今回もAwich、iriなどのアーティストから菅田将暉まで、幅広い方々をフィーチャリングしている。ついにしっかりEDMに着手した『TWILIGHT』や、ストリングスの壮大な『犬じゃらし』など、また新たな面見せる。ついにバンドサウンドの方が少なくなった。2016年以降から、彼らの音楽は大衆的≒商業的なものにシフトチェンジされ、より「J-POP」へと舵を切られたように感じる。「RADWIMPSは変わった」と言われる所以はここにあるのではなかろうか。歌詞も直接的な物が多くなり、わかりやすくキャッチーな展開が増え、ギターの桑原は二股した。

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こんな感じ。
すごく大雑把に振り返っても軽く1時間半はかかってしまった。それほど膨大なキャリア。

これからのRADWIMPSを愛し続けるかはわからないが、少なくとも俺の青春を彩ってくれたバンドだし、リスペクトは忘れない。

ということで、本題の全曲ランキング、みてくれ。


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