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産地ごとの特色を楽しむのに最適のセット(でした)

気温がぐっと下がって一気に秋らしくなってきました。
政府が実施する「Go To キャンペーン」もあり、これからの過ごしやすい季節に、多少でも気持ちが晴れれば良いなと思います。

お酒のご紹介です。

出羽の富士(でわのふじ)

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秋田県由利本荘市にあります株式会社佐藤酒造店。
創業は1907年、代表銘柄「出羽の富士」は、秋田を代表する日本百景のひとつ「鳥海山」の異名。
現杜氏は小番(こつがい)力氏で、昭和51年より入蔵、杜氏は平成6年度から務めてらっしゃいます。

飲んでみましょう。

上立ち香はリンゴ系の甘い香り。
口に含むと、舌の中心をすうっと伸びてくる甘み、次いでサイドから酸。
少しビターチョコが顔を出す中間。濃厚な甘みが口内を席巻しますが苺のような爽やかな含み香で非常に軽やか。
後口は甘酸で締めます。ふんわりとナッツのような苦みが残りますが、余韻は短め。

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ラベル情報を記載しておきます。

秋田旬吟醸2020 #14
純米吟醸
アルコール分:16度
原材料名:米(秋田県産米)、米麹(秋田県産米)
精米歩合:60%
原料米名:秋田県産 美山錦 100%使用
製造年月:2020年09月

今回のお酒は、秋田県の酒蔵 30 蔵がタッグを組んで企画した秋田旬吟醸2020のなかの1本。
720ml が 6本のセットで、価格は 10,800円(税込、送料無料)でした。

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地酒の概念とも結びつくものですが、日本酒の味わいには地域差が明確に存在します。

京都を境に東と西でまず違うし、九州は九州でまた違う。
四国は県ごとに特色がある。
海沿いの県、内陸の県、米どころの県、果物の産地として有名な県、それぞれで日本酒の味の方向性は異なる。

日本酒は何かを食べながら飲むことの多いお酒なので、地域ごとの食文化にとても影響を受けているのです。
よく使われる地物食材、好まれる味付け、食事をするときの気候なんかに合わせた、それぞれの地域にとって相性の良い日本酒が造られているわけです。

このことから、自分の好きな日本酒を見つけたら同じ都道府県で別のお酒を試してみるというのは、実はとても楽しい飲み方だったりします。
数種類試していくうちに、その産地の日本酒の特長のようなものがぼんやりと見えてきたりします。

ただ、これはその県が擁する技術支援の先生の影響も大きかったりします

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秋田旬吟醸2020

今回6種類のみですが、ガチャガチャ形式で秋田のお酒を楽しむことができました。
その結果、ふんわりと秋田の地酒の傾向のようなものがまとまったように思います。
異論反論あるとは思いますが、一応こんな感じ。

・甘みはあるけどどっしりはしていない、軽やかなタイプのものが多い
・果実味のある香りのあるものが多い
・甘酸のバランスで蔵の特長をあらわしている(気がする)
・長期保存に向いている(熟成してもバランスが崩れにくい)

前述したように同じ県内のお酒はどこか似ているもので、それがとてもよくわかるセットでした。
これはぜひ来年も出していただきたいし、他の都道府県も参考に、取り入れてみてほしいです(愛知県など、駆け込みセーフ的に開催したところもありました)。
新潟県とか長野県がやったら80種類とか90種類のセットになりそうですけど…、それはそれで盛り上がる気がします。

これは来年にも期待ですね。

ちなみに、6種類届いた秋田県のお酒のうち、今エントリでは出羽の富士を紹介しましたが、他の5種類もとても美味しかったです。

今回のセットは、
・まんさくの花
・出羽の富士
・天寿
・秀よし
・ゆきの美人
・美酒爛漫

でした。

ただ、出羽の富士は初めて飲んだ銘柄でしたし、個人的にとてもタイプなお酒でもありましたので選ばせていただきました。

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