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よく見る悪夢と親のこと

たまに、夢の中で泣きながら、そのまま目が覚めて、実際にも泣いていることがある。
少なくとも月に1度はある気がする。
夢の内容は、いろいろあるが、一番多いのは親が出てくるもの。
父親に嫌なことを言われ、わたしがそれをやめてと言っても続く、母はそれを気にするでもなく見てる。

または母に対して私が何かを訴えかけている、けれど母には響かない。聞いているが理解はしないと言うスタンス。
わたしが泣くまで叫んだりしながら訴えて、でも親には届かず、苦しい中で目が覚める。

ああ、書いていても苦しくなってきた。
でも文字にしてみて気づいたことがある。
子どもの頃すごく嫌だった親の部分と重なる、ということ。

父は少しモラハラ気質で、おかしい、変、なんで〜〜するのか、〜〜なやつらは〜〜だ、というようなことを発作的に言うことがあった。いや、今もあるが。
深く考え発した言葉というよりは、何かに触れてカッとなり発した言葉のように感じた。
母は、それをなんとなく傍観していた。
自分も、怖くて何も言えなかった。

そして父は、運転すると気が短くなる。漫画で見るような表現だが、実際にあるのだと思った。
隣や前後の車を罵倒することはあまり無いが、その代わりに助手席にいる母に高圧的になった。
ナビが付いているのにあまり使おうとせず、母に道を調べさせて(この時、調べてとは直接言わない。この先ってどうなってるのかな、ねぇ、どうなってるの?というような言い方をする)、母の説明に自分が理解できないと怒り、母に文句を言う。
もしくは看板や道路案内が少しでもわかりづらいと、嫌味な口調で、なぜこんな案内の仕方をするのか、わかりづらい、などと次々に文句を言う。
母は、困惑していたが言い返すことはなかった。

母は、なぜこんな人と一緒にいるのだろうと度々感じた。
嫌になったりしないのか、うるさいと思ったりしないのか。不思議で、理解できず、すこし怒りに似た感情もあった。
母は自分が理不尽に責められた時、なぜ言い返さないのか。だから一生このままなんだよ、と思うこともあった。

母にとっては結婚を決めるくらいの人だったのだろうし、私にとっても父は大体においては優しい人だ。
でもこれまでの嫌なことがずっと頭に残っていて、それを思い出すと苦しくなる。

母は話を聞いていないようなことが結構頻繁にある人だった。いや、今も、かもしれないが。
携帯を見ていたりして、こちらが話しかけてもなんとなくの相槌のみ。聞いてよ、というと少しの間は聞いてくれるが、結局元通りになる。
今思えば、母は仕事で疲れ、1人の時間もあまりないまま、1日を終えようとするタイミングで家族から常に話しかけられる、そんな状態への拒否反応だったのかもしれない。
そう理解していながらも、話しかけてもそのまま通り過ぎてしまう感覚が怖くて、話しかけるのを躊躇することが今もたまにある。

完璧な家族なんていない。物事が起きるのにはきっと事情があって、その人やその行動が完全な悪だと決めつけることはできない。
でもやっぱり自分の苦しみは確かにあって、今も私の心の一部を暗くしている。
乗り越えたい。なかったことにはできないが、乗り越えて、新しい関係を親と築いていきたい。
この思い出に蝕まれることなく、健やかに生きていきたい。

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