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白い長くつ

GO!BO!SO!の本社である倉庫の裏は、のどかなパノラマが広がることは以前紹介した。では目の前は何なのかというと、実は小学校なのだ。
現役の小学校ではなく、昨年3月に閉校したばかりの瑞沢小学校。
小ぶりながら二宮金次郎も佇まい、春には校庭脇の桜が見事に咲き、現役さながらの小学校ぶりを演出する。風が吹くと、倉庫の中まで桜吹雪が舞うほどだ。


そんな旧瑞沢小学校。我々とほぼ時を同じくして、”合宿施設”として新たな息吹をもたらした。
「kitみずさわ」。元小学校という利点をフルに活かし、様々なスポーツチームや学習塾などの合宿施設として蘇った。
ちょうど夏休み中ということもあって、連日様々な団体で賑わっている。

ご近所付き合いは大切だ。
困ったことがあれば、お互い助け合うのが近所付き合いというものだ。

合宿施設だけでなく、地元の方々も集えるカフェのような場を作りたい。
そんなkitみずさわさんの願いが向えの倉庫に届いた。
メディアカンパニーだけど、いろいろやる。守備範囲が広いのがGO!BO!SO!の取り柄なのだ。

以前、隣町の一宮海岸入り口に「UZU」というカフェがあった。何かとボクの胃袋を満足させてくれていたカフェだ。
そのUZUを切り盛りしていたクミちゃん。この話がきた時、とっさにクミちゃんの笑顔とクミちゃんが作り出す味が頭に浮かんだ。
是非とも睦沢の面々に加わって欲しい。UZUがこの睦沢町で復活すればこれほど嬉しいことはない。ということで、クミちゃんを口説いた。
熱意は伝わるものだ。クミちゃんが面々に加わることになった。

さてさて。学校がカフェとなると、調理場は給食室となるのが自然だろう。なかなか雰囲気のある給食室じゃないか。その奥に「立入禁止」の扉(たまたまね…)。この奥で新たなクミちゃんの「UZU」がはじまる。
夢は大きく、でも足元からコツコツいこうと、まずは合宿者向けの食事から始めることになった。(ただいま準備中...)
お米をはじめ、様々な農作物の宝庫が睦沢町だ。そして側には外房の海の幸もある。そんな宝と幸をふんだんに使った、いわば「房総おもてなし」をコンセプトにスタートすることにした。

睦沢町役場も動きが早い。早速、近隣の農家さんに声を掛けて協力者を募ってくれた。決起集会とでも言おうか、賛同してくれた農家さんと意見交換。
元小学校と元コメ倉庫を取り巻く近隣の方々と。面白い流れができるんじゃないかと、ひとり興奮するボク。
メディアカンパニーらしく、そのPRに一役買って出ることにした。
こうして新しいプロジェクトがスタートした。

クミちゃんは、白い長くつを新調した。
意気込みの証が、この白い長くつのように思えた。
近所のホームセンターで買ったらしい。
海岸そばのカフェでは、白い長くつは不釣り合いだ。
でも給食室ではぴったりなアイテムでしょ。
クミちゃんがつくる味が、この睦沢町の新たな顔となり、話題となり、人が集まれば、笑顔が生まれる。そして閉校した小学校に活気が蘇り、ずっと閉ざされていた米倉庫のシャッターが開いて何やら不思議なことをやり始めている連中。それを温かく受け入れてくれて、見守ってくれて、惜しみない協力で応援してくれる地元のみなさん。
小さな町の小さな未来図が描きはじめた。

さてさて。「立入禁止」のドアをノックした。
作戦会議、真っ最中。
そっと写真を撮って、そっとドアを閉めた。

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校内をうろうろするボク。
「購買室」って看板が、ボクのハートに突き刺ささる。


給食室と購買室。共に歩めたら、面白いんじゃないだろうか。
妄想を巡らせ、ひとりニヤニヤ廊下を歩いているボクなのであった。


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